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9話目

《1日目(4月1日) 午後1時10分》

 俺は薬草とウサギ肉の依頼を達成することにした。幸い同じ特徴の動物を昔狩っていたし、薬草も採取していた。それに俺の予想しているものと違っていたとしてもフィールドで散策戦闘してれば普通に達成できそうだからだ。最初から罠依頼はないものだと信じたい。


 時刻はお昼過ぎ、食事を済ませてから南東の門を出発しようと思う、ウサギのいるポイントが近いからだ(ギルド情報)。食事はウサギ肉の依頼にあったお食事処マリで食べた、所持金が乏しいので一番安い日替わり定食を注文したがなかなかの味。うん、また来よう。




 食事も終わり現在地は南東の門を出たところの街道だ。ここから北東に向かうと例のウサギがいるらしいので向かうことに。

 2、3分ほど歩いているとでかくてキモい緑色の芋虫を2匹発見した。芋虫の上にはスズメガと表示されている、どうやらモンスターのようだ。そういえばモンスター図鑑に名前あったなコイツ。



■ スズメガ ■

 ガの一種。卵生であり、成虫すると水場に近い草の裏に卵を産む。卵が孵化すると幼虫になり草を食べて成長する、その後サナギになり、5日ほどで成虫になる。

 戦闘力は全般的に非常に弱く移動力も低いため初心者冒険者の良き練習台になるだろう。

 特徴として幼虫時代は体当たりと噛み付き攻撃が多く、稀に糸を吐く攻撃をする。サナギ時代は基本的に攻撃行動を起こすことはできない。成虫になると糸を吐くことはなくなるがMPを減らす鱗粉を巻くことがある。

ドロップアイテム

 スズメガの皮、糸、硬い皮、羽、鱗粉 



 なるほどなるほど。俺が図鑑を眺めていてもスズメガは俺を気にせず足元の草を食べている。今の俺でも倒せそうだなと思い、戦うことに決めた、弓の練習相手になってもらおう。もし予想以上に強くてもダッシュと逃走技術があれば逃げれるだろう、多分。


 俺は持っていた槍と盾を収納し、弓を構えた。弓は前世では狩りに使っていたし、こっちでは高校の部活で弓道をやっていたのでそこそこの自信はある。スズメガとの距離はだいたい10メートル、スズメガは草を食べているのでほぼ移動していない。俺は木の矢を弦にあて左のスズメガに向けて放つ!


 ブルーノ=フェルセン→スズメガへの攻撃 MISS!


 やっべぇ、外したっ!向かってくる1匹のスズメガ、が移動が遅い、俺の歩くスピードより遅い。俺はダッシュスキルで後ろに少し下がり第二射を放つ。スズメガの頭に命中するもまだ俺のほうに向かってくる。第三射・・・命中!第四射も命中しスズメガの動きが止まる、どうやら倒したようだ。


 そういえばと思いもう1匹のスズメガを見ると同じ場所で草を食べている。危機感というものがないのかなあと思いつつもう1匹も弓で倒すも2発外す。しばらく部活をやっていなかった所為かスキルレベルが低い所為か命中率が悪い、矢もっと買っておけばよかったかなぁ。


 さて、モンスターも倒したことだしアイテム剥ぎ取りタイムでだ。といっても実際にスズメガの体をどうこうするわけではなく、近くで座っていればバーが減っていき0になればアイテムがもらえる安心仕様である。スズメガから剥ぎ取ったアイテムは2個、鑑定スキルで見てみると


■ スズメガの皮 重量5■

スズメガのやわらかい皮 ????????????


と表示されている。表示されない部分のは鑑定スキルが低いせいだろう、講習会でも言ってたし。さて、ウサギポイントに向かうかと思ったら、左手側に1匹のスズメガを発見。今度は弓1発だけ撃って残りは槍と盾で戦ってみるか。


 本日の第三ラウンド、スズメガVS俺、安定の先制攻撃、弓を放つ。命中を確認し、距離を詰められる前に弓を収納し槍と盾を構える。ここでスズメガ、未見の攻撃を仕掛けてくる、口から糸を吐いてきた。予想以上の素早い糸攻撃に盾で防ごうとするが失敗、盾を持った左腕に糸が絡まる、そこまで強度は高くなさそうだが槍で糸を切る時間はない、スズメガに盾を押し付けて横から槍で突く、突く、突く!スズメガは体を揺らして暴れているが体格差もあり盾の前には無力なのさ、5、6発突いたところで動きが止まった、勝利である。


 剥ぎ取りタイムで皮のほかにもう1個アイテムをゲットする。


■ スズメガの糸 重量1■

スズメガの糸 ????????????


 糸出してきたからゲットできたのかなぁ?戦い方や敵の出方次第でドロップアイテムが増えたり変化したりするのかもしれない。

 しかしこいつが弱かったらよかったものの強かったら逃げようにも糸で逃げれなかった可能性もある。モンスター情報は積極的に集める必要がありそうだねぇ、強ければ逃げればいいけど逃走技術も万能ではないだろうし。酒場が開店したらすぐに情報収集に行かねば。




 スズメガを倒して更に5分ほど歩き目的地であるホワイトホーンラビットのいる場所に到着した模様。なんで分かるかというとプレイヤーの数がものすごい多いから、何百人いるんだよ全滅するぞウサギ。多分皆ウサギ肉のクエスト受けたんだろうなーと思いつつホワイトホーンラビットの情報を図鑑で確認する。



■ ホワイトホーンラビット ■

 一角ウサギの一種。平原に生息し、10から20匹の群れで生活するがリーダーの存在はなく、1匹が大きく動くと全体が動き出す。額に角があり敵に刺さると折れることがある、が3日程度で再生される、人間で言う爪のような存在。

 全般的に非常に弱く体当たりと噛み付き以外の攻撃方法がないが、身を縮めた後にジャンプしながら突進する攻撃は角の存在もあり防具のない場所で受けると危険。身を縮めた際は動きに注意しよう。

ドロップアイテム

 ホワイトホーンラビットの肉、角、毛、毛皮 



 ウサギ狩り開始。見つけても他人が先に攻撃すること4匹、ついにホワイトホーンラビットとの初戦闘にこぎつけることに成功する。にしてもコイツも昔狩ってたウサギそっくりだなーと思いつつまずは安定の弓による遠距離攻撃が横っ腹に命中、すぐさま槍と盾に装備を替えようとするが、スズメガの2倍近いスピードで体当たりを仕掛けてきた。しかし悲しいかな直線軌道なので横に避けてスルー、スズメガの2倍といってもただ単にスズメガが遅いだけだし。槍と盾の装備が終わり正面から突いてウサギご臨終。ドロップは肉と毛でした。


 2匹目は棍棒を使ってみるテスト、ウサギはジャンプ突進をしてきたが盾で防げばなんということはない。あっ、角折れた、これでもう何も怖くない、撲殺。ドロップは肉と角と毛皮。


 3匹目は弓のみで倒してみた。動きが単純なので避けるのは簡単、未だノーダメージという快挙?を達成する。快挙でもないか、昔からコイツで怪我なんて滅多にしなかったし。あとジャンプ突進を避けると角が地面に刺さって折れるという珍事が発生。ドロップは肉と角と毛。


 武器をローテーションしつつ全部で5匹ほど狩った。推定ではあるが、角が折れると角をゲットできる模様。あと棍棒で倒すと毛皮が入手しやすい、変わりに毛は出ない。もしかしたら槍の穂先や矢によって生じる穴が原因で毛皮が入手できないのでは?と思い、槍の柄の部分だけで戦った結果毛皮をドロップした、武器の形状や攻撃方法によってドロップ率が変化するのかもしれない。




 にしてもアレだ、人が多すぎて効率が悪い。20匹狩るのに1時間くらいかかってるのだが、内訳は 戦闘15分 剥ぎ取りタイム10分 休憩15分 ウサギ探し20分という感じ。前世なら1日探して1匹でも上々だったのだが、ここはゲームなのでもっと数を倒さないといかん、武器スキルのレベルは上がったが、俺のレベルは上がっていないし。


 というわけでここから更に北行こうと思う、薬草を求めて森に行くのだ。薬草は首都付近の森の中ならどこでも生えているそうだ(ギルド情報)。ここも混んでるんじゃないのかと思うかもしれないが、森は北の門以外なら近くにあるので薬草採取がメインなプレイヤーはウサギ狩りメインなプレイヤーよりもバラけているはず。しかも俺が今から行く森は最初から薬草メインのプレイヤーが来るには少し遠い、というかもっと首都近くに森何個かあるため俺のようなウサギ狩りをやめて薬草採取に切り替えた人しかいないと思う、そう信じたいところである。

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