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31話目

《133日目(8月12日)午後7時50分 残LP228》

 クレータ家の食卓にはクレータと祖母のファンニが座っている。このファンニ婆さんが昔冒険者だったのでその思い出、旦那との出会い、過去の強敵の話をしてくれている。


「…………なのよ。参考になったかしら」


 ええ、すっごい参考になりました。毎回ありがとうございます、本当に。


「でも、もう昔の話だからねぇ、散々いじめたしちょっとは学習してるかもしれないわね。例えばそうねぇ見つかりにくくしたり、攻撃しにくい場所にいたりねぇ」


 学習する敵?このボスの話なのか?でも今攻略法聞いたばっかりだしなぁ。今後隠れてる敵や有利な場所に誘い込んだりする敵がいるってことか?でも砂漠なら隠れてる敵はもういるんだよなぁ。


「あら、もうこんな時間。今日は楽しかったわ」


 あぁ……こちらこそお世話になりました。それではまた。


「そういえば近所の……」


 恒例の行方不明報告。あと一人ちゃんと探しますよ。



《133日目(8月12日)午後8時30分 残LP228》

 ユーリアさんと初めての会食。あの時は雰囲気に押さてしまったが、俺とユーリアさんの立場は対等に近い、いや俺のほうが高いだろう。臆することはない、いざお食事用の個室へ。そこにはユーリアさんと隼の如くのリーダーなかなかひとし君が。どうしてなかなかひとし君が?


「私が呼んだの、ブルーノさんのステータスがおかしいから普通のプレイヤー代表して来なさいって。さて、どこから聞いたらいい?」


 とりあえず椅子に座ってオーダー、酒を頼む。どこからでもいいけど、俺も分からないものは分からないからね。あと俺が真面目に答えるとは限らないよ、睨まないでください、お願いします。


「じゃあまず、ステータスとスキル見せて。…………うわっ、調合スキル100って本当だったんだ、どうやったのこれ」

「……何をどうしたらこうなったんですか」


 対面していれば自分のステータスや所持スキルを相手に見せることが出来る。他にもLPや【脱出】の所持枚数も見せることはできる、パーティーを組むときにレベルや装備等を騙す人が昔のVRMMOで居たので情報開示ができるようになっているのだ。開示情報を限定できるので俺は今ステータスとスキルのみを見せている。言われてないところは見せない、見せても問題ないけどさ。


 どうやった言われてもなぁ、調合スキルは調合したら上がるよ。森には様々な効果のある草生えてるから、採取して調合してたらすごい上がったんだよね。

 ちなみにこの情報は掲示板に書いたことがある。情報無いから名前が表示されないだけで薬草や雑草以外にもいろいろ生えてますよと。雑草が99%以上を占めているだろうから発見するのは至難だけど。


「でもそのレベルは異常じゃない。何を調合したらそうなったの」


 毒草とか色々、ブエノン草とか特に上昇率がいいね。

 調合スキル90を越えた頃からブエノン草以外でスキルが上がらないので、ブエノン草の調合が一番難易度が高いのだろう。


「ブエノン草ってすっごい昔に掲示板に一回書かれてたけど、本当にあるの?その後誰も発見したって報告はなかったけど」


 ほいっとアイテムブラックホールからブエノン草を取り出して渡すと、二人がおぉーとブエノン草を見ている。誰も発見していないのは分かる、まさか前世の知識とは思うまい。


「本当にあったんだ、そろそろガセ情報としてWIKIから削除しようと思ってたんだよね。他にもあるなら見せてよ」


 俺の親切心で書いた情報が無駄になるところだったのかよ。手持ちにあった他の草も見せた、本当にあったんだと言いたげな表情だ。でも削除されてもいいんだよな、誰も知らないほうが十数本まとめて取れるから楽だし。


「こんなのあったのか、これ調合すると何ができるんですか」


 なかなかひとし君は戦闘職だから何ができたかの方が興味あるのか。大声出すなよ、絶対出すなよと入念に前置きをして強猛毒の瓶、麻痺猛毒の瓶、向精神薬、幻覚剤を出す。


「……」


 フリーズした。なるほど、人は本当に驚くと声を出さずに止まるんだな。あ、すいません、オレンジ系のカクテルください。


「これはすごいですね、毒ってどの位強いんですか、使ってみたことあるんですよね」


 んーと、強猛毒を矢に付加して使うと……グンマーベアー(エゾベアー強化版)が2分くらいで死ぬかな。混乱も麻痺猛毒も強いよ、使えば俺がソロでグンマーベアー倒せる、5分ほどかかるけど。


「うちのパーティーでグンマーベアー倒すのに1分かかるんですが、なるほど、これは強いですね。そのレベルの高さも納得です」

「なんかいろいろついていけないわ、どうやって見つけたのコレ、かなりたくさん集めたんでしょ」


 来たか、この質問。これだけは正直に答えるわけにはいかない。俺は前世の記憶があって、その前世がこのRFZの世界そっくりだったから記憶にあった毒草を採取できた、と正直に言ったらどうなるだろうか、電波な人認定確定である。しかし、この質問は想定済みよ。

 適当に草むしってたら偶然拾えた、その後は形と色を記憶して森で探しながら狩りしてた。苦しい説明だけどこれ以上説明できないし、後半は事実である。


「ふーん……」

「僕が見てもただの雑草と見分けつかないですよコレ、名前の表示がされていない毒草を森の中探しながら歩いて更にモンスターと戦うとなるとすごい大変ですよね」


 そんなに特徴ない?普通に見分けつくけどなぁ。慣れれば普通に歩いてる速度でも気づくようになるよ。そこまで真面目に見てなくても案外見つかるもんさ。


「ま、そっちは分かったわ。それで、そのステータスはなんなの?」


 だから知らないって、俺が知りたいくらいなんだ。なかなかひとし君、さん何か心当たりないです?


「さっぱり。僕達のパーティーオートばかりですけどLUKなんて上がりませんよ。それと呼び方はひとし君でいいですよ」


 呼びにくかったので助かる。まぁ、LUK上がって困ってないからいいよ、多分LUKのおかげでNPCも見つかったし、毒とか状態異常もほぼ100%成功するから。俺の話はこんなものでいいかい、そろそろ明日のボス狩りをどうしようかなってところなんだけど。


「もうNPC見つかったんですか。僕たちが行くんですか?」


 レベル的にキツいだと思う、影の女王も俺の防具とVITでもけっこう食らったから倍速パーティーのほうが確実だ。ユーリアさん、今回は強ければOKだけどいいパーティーいる?


「お誘いはたくさん来てるわよ、私が仲介してるのはもう知ってる人も多いから。”赤原猟犬”あたりが一番かな、LP10台でもうデスペナ回避権もないからってすごい勢いで頼んできたわよ。人数は今9人だしちょうどいいと思うけどそこでいい?」


 いいじゃない、そこでいいよ。明日の朝8時にテレポートゲート前集合で頼む。ダンジョンは”画廊の切り裂き魔”ってところだから。

 このあと俺はひとし君にNPC捜しは中止、クエストは2、3人でクリアして残りはハイHPかSTポーションの材料集めをやってくれと指示した。それから雑談モードになったのだが、2人ともけっこう苦労しているという話を聞かされた。お、俺だって今までいろいろ苦労したんだよ、本当だぞ。一人の狩りは50日を越えるとちょっと寂しくなってくること2人とも知らないだろ。



 ちなみに、宴会芸技の出番なんて当然なかった。せっかく練習していたのに。

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