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28話目

《123日目(8月2日)午前8時50分 残LP238》

 サンドラ捜して草原へ。さて、どうやって捜したらいいものか。イベントの発生条件が分からない以上無闇に歩き回るのは得策ではないだろう。

 振り返って考えてみよう、何故アンサ救出イベントが発生したのか、どうすればサンドラ救出イベントが発生するのか。まずおおまかな場所的な条件、アンサは森でサンドラは草原、これは間違いない。それ以外にも条件はあるのだろうが、それは何だ?



可能性① 特定の場所、時刻で発生

 条件の一つとして考えられるのがこれである。しかし俺はノーヒントで遭遇した。そしてこの2日間俺以外の誰一人としてアンサ他3名の救出イベントが発生していないらしい。偶然にしては出来過ぎだと思う。そしてどのNPCに話しかけてもヒントとなるような情報はなかったとのこと。となるとこれ以外の発生条件があるのではないだろうか?


可能性② ソロでなければならない

 これは分からない。俺がソロだっただけで、パーティーでも発生したかもしれない。ソロでも発生することは間違いない、しかしこれは違う気がする。俺以外にもソロプレイヤーはいるにも関わらず、誰一人発生していないのはおかしいだろう。


可能性③ ソロ且つレベルが一定以上

 もしこの仮定が正しければ俺以外のプレイヤーが発生しないのはある程度理解できる。俺の当時のレベルは49、自慢じゃないが今でも等速戦闘職のソロで49レベルは単独トップになる位だ。経験地2倍のソロプレイヤーもレベルは高いが全サーバーを見ても極少数、それと可能性①が加われば俺が最初に発見したのは確率としてあり得ない話ではない。それでもかなり偶然性が高いが。


可能性④ スキルが一定レベル以上

 可能性の一つではある。調合100のプレイヤーは恐らく全サーバーで俺だけ、それが理由ならば俺に対して発生するのは何一つおかしい話ではない。ただ、スキルのレベルが関係するのであればそのスキルに対応したイベントのほうが自然のような気がする。


可能性⑤ 俺の魅力に惹かれて現れた

 無い。




 結論、分かりません。お手上げ侍だわ、せめてもう一人発見して共通点を見出さないとどうにもならん。酒でも飲んでスキル上げしながら捜すくらいでいいだろう、常識的に考えれば俺以外が発見できないってことがおかしいのだ。

 お昼になり人目がないことを確認し、宴会芸のスキルを上げるため手品の練習をした、草原で。この簡易手品セットは面白いな、意外と出来がいい。……よし、完璧だ。これで一発芸をしろと言われても安心だ。そして今日判明したこと、サンドラは俺の手品ショーには興味が無い。




《128日目(8月7日)午前11時30分 残LP233》

 サンドラもう死んでるんじゃないかな。行方不明一週間以上って、盗賊に捕まってアジトに閉じ込められているとかじゃないと、飢え死にしてるだろう。

 しかし俺が掲示板に情報を載せて一週間、俺他全サーバーのプレイヤーは誰一人イベントを発見できていない。掲示板では実はイベントってのはガセ情報じゃね?という由々しき噂まで立っている。何せ他の3人はおろかアンサも発見されていないのだ。さすがに不味いと思って3日目からは真面目に捜しているものの手掛かり一つ無い。何か見落としているのだろうか。今日の収穫、レベルが1上がった。


 ちなみに他のサーバーだが、ラストチャンスということでサンドラ宅の窓を破壊して侵入、中にいるNPC情報を聞き出そうとしたが誰もおらず憲兵に捕まったとのこと。犯罪を犯すと憲兵に捕まる、もし街から逃げてもしばらくの間街に入ろうとすると憲兵に捕まる。

 良い子の諸君、犯罪は犯しちゃダメだぞ。毒薬密造?そんなことは気にしちゃいけない。

 


《130日目(8月9日)午後3時59分 残LP231》

 太陽が高い、でもお酒を飲む、スキル上げのために仕方ないのだ。そう、私は仕方なく草原で岩に座りながらお酒を飲むのだ。やっぱり酒は外で飲むと美味しい、風が気持ちいい。今はまだ未成年だから現実では表立って飲めないのがとても悲しい。ちなみに飲酒スキルは、酔拳スキル等相性がよいスキルもあるが俺は持っていない、そっちは必要ないからね。

 うーん、もう一杯。コップに注ぐのが面倒だな、ラッパ飲みでいいか。よいしょっと、


「キャアアアアアアア、誰か助けてーーー!」


 ゴホッ、ゴホッ。急に出てくるんじゃない、びっくりするじゃないか。俺の正面30メートルくらいだろうか、あの時は森だったこともあり視界に入っていなかったが、今回は俺の目の前で突然NPCとモンスターが沸いてSOSを求めてきた。


 NPCの名前を確認、サンドラで間違いないな、もう死んでると思ってた。モンスターは例の如く雑魚だったので瞬殺。


 「あぁ、ありがとうございます、…………」


 これでようやくサンドラの家にいけるようになった。サンドラはお酒をラッパ飲みで召喚できる、これってトリビアになりますか。4時か、くだらないこと考えてないで首都に帰ろう。本当に何が条件なんだろう、一週間以上経過したが、他サーバーでも誰一人イベントを発見できなかった。このままだと可能性⑤説がリアルにありえるぞ。無い無い・・・無いよな?



 夜になってサンドラの家へ。今回はおじいさんではなく親戚のおじさんだったが問題なく武勇伝は入手した。今回も魔法職が必要だな、但し特定の魔法が今回は必要だ。情報ありがとうやさしいおじさん。


「そういえば近所のアンサとヘルミとクレータは大丈夫かしら。アンサは森に、ヘルミは砂漠に、クレータは山に行っているんだけど心配だわ」


 アンサは一週間前に家に戻ってますよ。


 

 ユーリアさんに連絡、この条件に該当するパーティーを捜して欲しい。今回の条件は倍速戦闘パーティーであり、土と重力の合成魔法メテオストライクが使える魔法使いが最低1人可能ならば2名以上いること、それと魔法カード【脱出エスケープ】が必要なくて俺に全部くれるとかなら最高だね。


 最後の条件はどう考えても無理だとか。ユーリアさんの知る限りで現在このサーバーで【脱出】を所持しているのは俺とユーリアさん以外に2名だけ、枚数ならばダンジョンクリアの端数の10枚のうち2枚のみだ。生産者2名、8枚は使用済みという所持状況まで知っているとかユーリアさんマジ優秀。ちなみにダンジョンクリアしたパーティーは全員【脱出】を使用しており、余っている人自体俺しかいないのだとか。俺ってすごいな。


 深刻な【脱出】不足である。ダンジョン攻略は俺の情報以外明るい話はなく、アイテム交換も一部は材料が判明したものの、材料のアイテムの入手方法が不明であり現在探索中だとか。つまりこの10日間俺の情報以外何も前に進んでいないに近い。

 が、他人の【脱出】のことを心配してもどうにもならない、今は新しく情報の入ったダンジョン”影の魔女の豪華な城”をクリアすることだけを考えよう。


 とりあえずユーリアさんに人数が9人くらいでメテオストライクを使用できる魔法職1人以上いるパーティーを探してもらい、連絡を取ることにした。紹介されたパーティーの名前は”黒き守護者”、現在の人数が9人でもう一度も死ねないという本気で崖っぷちという好条件が魅力的。2人使用できる倍速戦闘パーティーも捜せば存在するかもしれないが厳しいだろうというユーリアさんの見解を受けたため1人で妥協した。2人は保険のつもりだったので1人でも攻略に問題ないだろう、多分。明日の午前9時に首都で会うことになった。


 そういえば人数が9人でLP崖っぷちが好条件な理由だが、それは失敗したときに関係がある。もし仮に俺の情報が間違っていた、若しくは正しかったが何らかの事情でダンジョンクリアできなかった場合セーブポイントに戻って掲示板や情報屋に騙されたという情報を出されてしまうと俺の信用は地の底に落ちてしまう。それを防ぐためにはLPが少なくデスペナ回避アイテムを持っていない9人パーティーで皆一緒にダンジョンに入るのが一番いい方法だ。仮に途中で不味い状況になっても外部には連絡が取れないし全滅しても復活できないので俺の名前が出ることは無い、死人に口なしというやつだな。


 本当は芸術の剣もこのような状況ならばよかったのだが、SNS単独での情報収集には限界があったため博打に出たわけだ。仮に全滅して俺の信用がなくなった場合はアイテム交換を狙っていく予定だった。失敗後のことも考えて動かないと大変なのだ。

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