表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/41

1話目

初めての小説です。

よろしくお願いします。

 話をしよう、落ち着いて聞いてほしい。

 俺は生まれ変わったようだ、それもかなり上流の家庭、もしくは王族に。




 生まれ変わる前、つまり俺の前世であるが、農民だった。ただし、皆が思っている農民とは少し違う点がある。といっても俺が変わっていたわけではなく、その世界は魔法が発達した・・・この世界で言うファンタジーな世界の田舎の一農民だった。

 そして俺が29歳の時、俺の住んでいた地域で冷害が発生した。食料に困った俺は近くの森に行き、食べられる草を採取したが、その草の中にうっかり毒草が混じっていたようで、食べたら死んだ、コロリとな。

 今思うと本当に失敗だよなぁ、毒草の知識があったとはいえ、お腹が非常に空いていたので採取した草を再確認することなく煮て食べたのは致命的だった。自己弁護をするとすればお腹の減りすぎで頭が回っていなかった、今は反省している。


 ま、そんな過ぎた話はどうでもいいんだ。問題は、今、俺は、記憶も持ったまま、この世に生まれ変わった、これが一番大事なんだ。

 今この世に生まれ変わった俺は母親らしき人に少し抱かれた後、助産婦らしき人に丁重に運ばれていった。若干パニックになりながらもどうにか周りを見ると、明らかに俺が昔住んでいたような民家ではないし、ちょっとやそっとの貴族が通うような医療施設ではない。

 俺はこの時確信した、これは超の付くほどの大貴族、もしくは王族の家系に生まれ変わったのだと。そうでなければこんな見たことの無いような綺麗で豪勢な建物で生まれるわけがないのだ!

 ……ただ、不思議なことに、少し横を見るとたくさんの俺と同じくらいの赤ん坊が寝ているのである、この国の王族ってこんなに子沢山だったのか?いくらなんでも多くないかい?




 結論から言おう、俺は平民、というか一般家庭に生まれた。最初に上流家庭、もしくは王族に生まれ変わったと言ったな、あれは嘘だ。

 あと生まれ変わったと言ったな、あれも嘘だ。正確に言うと転生のようなものになる。だって俺の生まれた場所は魔法など存在しない、地球という名の場所の日本という国だったのだから。なお現在地は病院である。


 いやだってさ、田舎暮らしの一農民がさ、あんな見たことも無い建物に生まれてたくさんの助産婦に囲まれて生まれたんだ、勘違いの一つや二つくらいするだろう。まして、自分の住んでいた世界と全く違う世界に生まれ変わる、もとい転生する、これこそ想像の範囲外だ。

 なんでかというと、俺の前世でも生まれ変わりの話があった。初代の王様が死亡したが、天から見守っていて有事の際は新たに誕生して世界を救うとかいう言い伝えとか、今の王は優秀だった昔の王の生まれ変わりだという嘘か真か分からない話とか。

 これらの胡散臭い話に共通するのは死んだ人間は同じ世界に生まれ変わるという点だ。一部の宗教では死んだらまた生まれ変わるとかいうよく分からない教えの宗教もあったが、俺はふーんと思うだけで別に信じていなかった。

 でも実際に記憶を持って生まれ変わった(実際は別の世界に転生だったけど)。そうなると必然的に考えるのは前世の伝承的な話、つまり生まれ変わりの話な訳で、そうなると前の世界に俺、再誕生した!と思うわけで、勘違いしたわけだ。別の世界で生まれ変わる話なんて聞いたことないんだからしょうがない。


 まぁ、こんな言い訳っぽい話はどうでもいい。今重要なこと、それは俺がこの日本という国に転生したことで、俗に言う強くてニューゲーム的な状態が始まろうとしていることだ!







 強くてニューゲーム的な状態が始まろうとしていると言ったな、これも嘘だ。だって、俺の前世の記憶、この日本じゃ全然役に立たないんだからさ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ