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虚無

作者: 零桜

自殺に興味のある方は読むのを避けることをお勧めします(笑)

私は一体誰なんだろう。

脳が思考を始める。まるでパソコンのように私が思っていることを考え始める。

もう何年もの間考えてきた。

もしこれが全部誰かの夢の中で、私という存在が想像だったら・・・?

それともゲームの世界の話で何度もリセットされるものなら?

怖い。恐い。こわい。コワイ。

私という存在が、この身体が、この精神が、何もかもが。

あぁ…また誰かが私に話しかけている。でも私は、応えることが出来ない。

いつもそうだ。私は応えることが出来ない。私は応えない。

何かが違う。

私を違う私が見ているような感覚。とても不思議な感覚。

なにかがオカシイ。


私が私であるなら、私という存在は一体何の為に在るのか。

私が今座っているこの椅子は、実際に存在するのか。

私が今いる場所は、家は事実、自分の眼が映した通りなのか。

本当は真っ暗闇の中に、独りで座っているだけなんじゃないか。

唯、脳が勝手に想像しているだけに過ぎないのなら…?

目の前に在る生きとし生けるもの全てが、唯の創造物なら。神の気まぐれの産物だとしたら。

もし全てがそうでも、私のすることはきっと変わることはないだろう。何故ならこれはどうしようもないことで、私ごときに変えられないことなのだから。

そうして私は、また椅子に座って、部屋を見つめ続ける。何をするでもなく…。

唯、感情のない瞳で私の家族を見続ける。


それから数日後、私の思考は全て停止した。

誰かが、私を寺に持っていき、燃やしたのだ。私の他にも、沢山の動くことのないもの達が山積みになっていた。

沢山・たくさん・タクサン…。

もう何も余計なことを考えずに済む。感じなくて済む。

だから、私を大切にしてくれた皆さん。さよなら。




つぎは、命に限りがあるものに生まれたい。

人形じゃなくて…

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― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして。 「唯の創造物なら。神の気まぐれの産物だとしたら。」というようなこと。私も考えてみたことがあります。 私も書く時に悩むのですが、こういったタイプの小説の場合、オチをつけるべきか…
[一言] 最後に人形だと表現された部分に深い意味を感じました. 文章の運びや言葉選びをもっと柔軟にされるともっと情感あふれるものにできる気がします. 伝えたいこと一級品. こころに来ました. 次回は生…
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