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5話 S

 今いるのは生徒棟の屋上。

空は綺麗なオレンジ色だ。

もうすぐ太陽も沈むだろう。


 “屋上からの方が辺り見渡せるんじゃね” という啓太の案に従ってみたんだけど……さっきは階段見ただけで寒気がした。2人は苦笑いしてた。



そういう訳で、ずっと校庭を眺めているのだが…人がいる様子は感じられない。


 「啓太君…お腹すいた……」

 ということは、僕たちみたいに校舎内にいるのか…


「いきなりだなっ!! まぁ俺もだけど、優二もだよな。 そういえば食べ物なら多分、調理室とか自販機で手に入るだろ。」


 だいたい、どうしてたった数人が集められたんだ?僕たちはなんの繋がりもないだろうし…

 「そっか! じゃー早速移動しよ。ね!……優二君?」


 「…あっ! ごめん! えっと…食料調達だっけ。」


「そうだけど、なんか考え事?」


「あ、たいしたことじゃないから。ありがと。か、佳奈。」

そう答えると佳奈は笑顔で返してくれる。


「あはは。まだちょっとぎこちない。 まーいっか、それじゃー行こ。」


啓太も返事をして、出口へと向かう。あんまり考えすぎてもダメだな。


扉に手をかけようとしたとき、、


「「「!?」」」

感じとった。 扉の向こう、階段を登っているであろう人の声に。


「お、おい優二、佳奈…今、聞こえたよな…」


僕たちは頷いて、数歩後退する。いきなりのことに警戒しているのだろうか。


声はだんだん大きく、そして近づいてきている。わずかに男と女の声が聞こえる。


そして、扉が軋みながら開いた。


「まぁこれで、また仲間がふえたな。」


 「なんでお兄ちゃんまで来てんのよっ!」


啓太が満面の笑みで話し、佳奈が頬を膨らませて男を睨む。


あのあと、扉から現れたのは2人の男女。

1人は佳奈の兄、柊速人(ひいらぎはやと)。 3年生で、陸上部の部長らしい。

 練習してる所を見たことあるけど、かなり速く大会などでも上位と聞いたことがある。


「いやぁ、本当に驚いたぞ。目が覚めたら俺だけだからなぁ! しかし、我が妹が無事でよかった!」


かなりの妹想いだ…。



そして、もう1人は無口で小柄な少女。


「初めまして…。1年の佐原奈美(さはらなみ)です。よろしくお願いします。」


少し話しにくい…が、佳奈は兄よりも女の子がいた事に対してかなり喜んでいるようだ。さっきから話している。そして速人先輩は…妹の気をひこうと必死だ。


そんな光景を見つつ、苦笑いしている啓太と目が合う。


「急に場の雰囲気がよくなったな。少しはこの混乱が和らぐぞ。」


「そうだな。でもさっきからずっと考えてんだけど、どうしてこのメンツがこんな状況に会うんだろうな、啓太。僕たちなんか繋がりなんかあったっけ?」


「まぁまぁ、そんな込み入った話は考えたって進まねぇよ、優二。それより、もうすぐ太陽も沈む。さっさと自販行こーぜ。」


 啓太は、そう言うとずっと騒いでいた3人を呼びに行く。

それもそうだな。今は現実受け止めるしかない。


そう思いつつ、僕たち5人は今度こそ、屋上を後にした。

太陽は、地平線へと姿を隠した。

国語力が……


今度はまた2人のキャラクターが登場しました。


柊兄は妹想いのいい兄って設定で、佐原少女は無口クールキャラの予定です。3年と1年ですね。


次回はようやく物語の本題の1部に入ります。

どうぞ暇な時間にお読み下さい。

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