4話 A
ここは…どこだ……
今いるのは真っ暗な空間。いや、ただ目を瞑っているだけか。
背中に当たる感覚は柔らかく、どうやら僕はベットか何かにに寝ているようだ。
目を閉じたまま少し体制を変えてみた。しかし、階段を転げ落ちた時の痛みが全身に伝わる。
その一時的な痛みにも驚いたが、それ以上に近くから発せられた声に驚く。
「っ!! 啓太君っ!! 目、覚ましたよ!!」
「っ!! 誰!?」
僕はすぐさま目を開けて叫ぶ。目が慣れるまで少しかかったが、そこには2人の学生の姿があった。
安心した顔を見せる女子と、啓太と呼ばれた男子である。
「ごめんな、脅かすつもりじゃなかったんだが…。 ただ、あれだ、ここで寝てるのも俺らのせいだし…な。」
「ちょっと! 啓太君があのとき思いっきり開けたんでしょっ! しっかり確認しないから!」
「えと…。 ついてけないんだけど…階段から落としたのは君らなんだよね、 君たちは…誰?」
目が覚めてから早速騒ぎ立てる、どこか見覚えのある2人に疑問を投げかけてみる。
「ワルいワルい、自己紹介だよな。 見たことあるだろうけど、俺は2年の西村啓太(にしむらけいた)。よろしくな。 あ…あと、あの時落としたの、俺だわ、、俺達以外誰もいなくて…混乱してたんだ。 ごめんな。」
「私も、確か隣のクラスだよね。柊佳奈(ひいらぎかな)だよ。 身体かなり痛そう…。ホントにごめん。」
どうりで見覚えがあるわけだ。まさか同じ学年の人だとは……。
今気づいたのだが、ここは保健室のベットの上。カーテンの向こうでは日が傾いている。どうやら夕方らしい。時間は止まったままのはずなのに…。
混乱したまま、僕も身体を起こし2人を見る。痛みは少しひいていた。
「僕は…坂下優二。 こちらこそ、気付かなくてごめん。 ところで、この世界…っていうの変かな、どうしてみんないないんだろ。」
啓太君と柊さんは顔を見合わせ、困った様子でこっちを見る。
「実は私たちも多分、優二君と同じなの。授業中いきなり眠くなって…気が付いたら教室に2人だけ。」
「んで、誰かいないか生徒棟とタワー探したんだけど…でも、手がかりあったんだ!」
啓太君はそういいながら小さめの鞄から何かを取り出す。
「えと…うん。カロリーメイトのゴミだな。理科室の机の上にあった。 誰かが俺達みたいにこっちに来てるわけだ。」
自信を持って話す。正確にはそうであって欲しいという希望だろうけど…。
「そっか、じゃあまた何か探してみようか。僕の事は優二って呼んで。えっと、啓太君と柊さん。」
「堅苦しいなぁ。私のことは呼び捨てで佳奈って呼んで、優二君。」
そう言ってニコっと笑う。つい見とれてしまう笑顔だった。
「俺のことも、呼び捨てでいい。よろしくな、相棒!」
おぅ、と僕も返事をしてお互いの拳をぶつける。
なんだか気分がいい。素直に、友達が出来たことに嬉しさを感じる。これが普通なのかな…。
僕はベットから起き上がり、打った所があまり酷くない事を確認してから靴を履く。
さっき出来た2人の友達に続き、保健室を後にする。一応、怪我した時の為に応急処置の道具をくすねていく。
僕に、高校生活初めて、友達が出来た時だった。これが現実世界だったら、いいのにな。
どうだったでしょうか、
物語は“起承転結”っていいますよね。
この話はまだ“起”です。ほんと、
あと、コメントとかお願いしますね、どう読まれてるのか恐いので、、、
感想などを参考にしたいです。
次話はいつもより遅くなるかもです。
よろしくお願いします。