2話 A
目を覚ました時の教室内は…違った。
「誰も……いない。静かなわけか。」
もう放課後だっけ? でも、なんか違和感があるな。
と、思いつつ僕はその“違和感”に気が付く。
太陽がジリジリと僕を焼き付ける。影は西側に小さく伸びている。窓から校庭を見ると…誰もいない。プールも同じだ。さっきあんなに騒がしかったのに。そして、さっきまで吹いていた風まで…ない。
「なにが、起きたんだ? まさかまだ夢の中だったりして。」
でも自分の中の何かがうったえる。現実だ、と。
わかってる。今は意識もはっきりしてるし、なぜか眠気も全くない。夢では、ない。
でも、一瞬?にしてクラス全員消えることなんてあまりあることではない。
でも、消えたのだ。これが夢じゃないことだって僕でもわかる。じゃあ何が起きたんだ?
「ッ! そうだ、今何時だ?」
ふと思い、壁に掛けられたら時計に目をやる。
しかし時計は……止まってる。 携帯も見てみた。メールやカメラなど、基本的にはいつもと変わらない。 ただ、待ち受けに記されたデジタル時計が10時30分5秒で止まってる。
「時が、止まってる…ってことなのか? でもみんなは…」
そのとき、僕は全身に鳥肌が立ったのがわかった。 それは僕自身がこのような“不思議”な、異なる生活を内心望んでいたからだ。
いつもと変わらずただ過ぎていく時間。学校では友達が出来ず、ただ孤独だった毎日。だから自分は なにか違うもの を望んでいた。
でもこれは、僕が望んだから起きたことではない。自然に…突然。
「まぁとりあえず、教室から出るか…。僕以外にも誰かいるかもしれない。」
そう呟きながら、僕は教室をあとにした。
どうだったでしょうか、
…短いですね;
次回まで少し更新遅くなります。 マイペースなものなので…
次回は教室から出て校舎内うろつきます。