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幻影国家再建記  作者: 白波ほずみ
第三章 壊れる精霊国家

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壊れる精霊国家 ②

街には商人が行き交う。


城下街の特産品、とうきびを買い付ける為。


ここのとうきびはとても甘く出来も良く、そこそこ高い値で取り引きされる。

皮を剥くと、黄色いつぶつぶの実がふっくらと実っている。


数十箱もの量を買い付けると、荷役が馬車へと積み込んでいく。


すると、身なりの整った男に声をかけられた。


「突然申し訳ありません。運んでほしい物があるのです」


商人は身なりの整った男を見る。


「運んでほしい物ですか」


帳簿をつけていた手が止まる。


身なりの整った男が羊皮紙を取り出した。


女王からの依頼書。そして、内容の入った封筒には封蝋が押されている


「これは!」


商人は息をのんだ。


「女王陛下からの依頼でございます」


「一体、何を運ぶのですか?」


身なりの整った男はゆっくりと話し始めた。


「現在、北の街では小麦の収穫が少なく、この街から北の街へ、倉庫から小麦を運んでいただきたいのです」


「なるほど、そう言う事でしたら、是非ともやらせていただきたい」


商人は笑みを浮かべる。


「では、封筒をご覧ください」


商人はポケットに入れていたナイフを取りだすと、封を開ける。

中身に目を通すと、とてもいい条件での依頼となっていたが、運ぶ量がとても多い。


「これは、馬車10台は出さないと無理ですね」


少し顔が険しくなる。


「ですが、女王陛下の頼みなら、仲間に伝えて協力してもらいましょう」


商人は奉公人に声をかけた。奉公人はこの商人の知り合いへと話しを持っていく。


最初に声をかけられた商人の馬車に続き、知り合いの商人の馬車が集まる。

それぞれが隊列を組むと、街の外れにある王室倉庫へと向かった。


「こんなどでかい仕事を取ってくるなんて、エドガーはスゲーな」


「まさかこんな大仕事、俺だって受けた事ねぇや」


商人達の会話が弾む。


しばらくすると、王室倉庫が見えてきた。


王室倉庫を守るのは、一般の兵士達。鎧を体につけているが、面は取ってあるので兵士の顔を見る事ができる。


商人達の馬車が王室倉庫の敷地に入ると、倉庫の扉の前で停止する。


「もう来られたか。早々の任務、ご苦労である。では早速ではあるが」


商人達が倉庫に案内されると、倉庫の扉が音を立てて開かれる。


「この区分けされた小麦を運んでいただきたい」


初めて見る王室倉庫内、商人達は息を呑んだ。


「これは凄い……」


外から見ても巨大な倉庫ではあったが、その中には屋根いっぱいの袋の山。袋の山は、城の石畳の様に整理されている。これだけの小麦を商人達は見た事がない。


「よし!積み込みをはじめるか!」


商人達は気合いを入れる。


兵士達が倉庫内から小麦の袋を外へと運ぶ。一時的に置かれる場所には大きな布が敷いてある。

次から次へとそこに置かれる小麦を、商人の荷役達が馬車へと積み込む。

商人達も自ら小麦を運ぶ。


午前中に仕事を受け、昼前には倉庫に着いていたが、終わる頃には、すっかりと暗くなってしまっていた。


「いやー、終わったな」


腕で額の汗を拭う。


「とりあえず、一旦街まで戻るか」


仕事を一段落終わらせた商人達は、隊列を組むと街へと戻る。


今日は、一旦ここまで。

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