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幻影国家再建記  作者: 白波ほずみ
第三章 壊れる精霊国家

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壊れる精霊国家

行き交う人々の歩調はゆっくりだが、皆疲れている様に下を向いている。


そこに、道に横たわる少年がいる。


髪は乱れ、服は汚れている。


ズボンは茶色く汚れ、地面には水が流れている。


体の力は抜け、目は虚ろ。


呼吸により、胸は上下に動いている。


道行く人々は少年に気付いてはいる。


しかし、足を止める者はいない。


山間部に近いこの街は、昨今の寒冷化により、畑には小麦が育たなくなっていた。


「またか…」


少年から目をそらすと、誰かが呟く。


――――――――――――


グラディア王国で、セピア・エル・グラディアが即位して二年程の月日が流れる。


街は人々が行き交い、市場も賑わっている。


街を一望できる、最上階の部屋。


セピア・エル・グラディアは外の様子を伺いつつ、女官へと訪ねた。


「最近の街の様子はどうですか?」


「はい。今年も平年通りの収穫量で、市場には人々の賑わいがございます」


女官に目を向けると、間をおいてから微笑む。


「そうですか」


女官から視線を外すと、また外を見つめる。


城の外に広がるとうきび畑に、風が玉になって吹き付ける。


とうきび畑のその波は、意思を持っている様に移動する。


「では、戻りましょう」


窓から離れると、女官がカーテンを閉める。


ドアに近づくと、侍女がドアを開ける。


セピア・エル・グラディアの後ろを、女官がついていく。


階段を降りながら女官へと尋ねる。


「エリー様は、お元気でいらっしゃいますか?」


「はいセピア様。母は相変わらず、畑の世話をしております。最近は足が痛いのか、杖を手放せなくなりました」


少し眉を寄せる。


「杖…ですか…」


声のトーンが下がる。


「はい。ですが、畑に入りますと、杖がいつの間にやら手から離れております」


セピア・エル・グラディアは手を口に当てると、クスリと笑った。


絨毯が引かれた廊下は、靴の音が響かない。


しばらく歩くと、王室の会議室がある。


ドアの前に立つと、扉が開かれる。


「お待ちしておりました。陛下」


城下の農地を管理する貴族、アルベルト・エル・フォルグレイ伯爵、王国各地の倉庫を管理する、ローディアス・エル・ヴァルグレイン伯爵、王室書記官のルシウス・ヴァレンティ男爵が頭を下げて出迎える。


「それでは、報告をお願いいたします」


会議室の奥には、一段高くなっている一人分用意された机と椅子がある。そこにセピア・エル・グラディアがつくと、貴族達は頭を上げる。


アルベルト伯爵が1歩出る。


手には羊皮紙の束。それを1枚づつ目を通して報告を始める。


「今年の小麦は例年通りの豊作でございます。」


その報告に、笑みを浮かべる。


「そうですか」


しかし、アルベルト伯爵は眉を寄せる


「…ただ、山間部の小麦の収穫なのですが…例年よりも下回っております」


セピア・エル・グラディアは顔を引き締める。


「何かあったのでしょうか?」


アルベルト伯爵は女王の顔を見ると説明する。


「山間部は少々気温の低い場所でもあります。気温が低い期間も長かった事もありまして、それが影響したのかと…」


セピア・エル・グラディアは眉を寄せつつ、机に置かれている資料を眺める。


「食料が不足する事はございますか?」


すると、倉庫を管理するローディアス伯爵が1歩出る。


「前年の収穫と、今年の収穫の余分はございます。前年分だけでも、この国の国民全てが、5年は食べていける量ですので、大丈夫でしょう」


セピア・エル・グラディアはスっと息を吐いた。


「不足する可能性を考えるなら、山間部の倉庫に少し多めに移すとよいと思いますが、いかがなさいますか?」


セピア・エル・グラディアは目を瞑り、少し間をおくと


「では、そういたしましょう。その方が、民は安心すると思いますので」


「かしこまりました。では、早々に馬車の手配と移動を行います」


ローディアス伯爵が頭を下げた。


セピアの成長、書けてるかな?


とりあえず、また続きます。



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