表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻影国家再建記  作者: 白波ほずみ
第二章 セピア・エル・グラディア

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/21

セピア・エル・グラディア②

「あの方もまた、城を抜け出していた。」


エリーがまだ少女だった頃、今の王もまた、民の中に混じって歩いていた。


畑を手伝い、街では人々の顔を見、子供たちと遊んでいた。

歴史は繰り返され、今の王国が存在していた。


それが、セピアにも自然と受け継がれていた。


二人の背中が見えなくなると、エリーは農作業へと戻った。


セピアとレオンは大きな橋を渡る。


城下にはいろいろな畑が広がっている。この畑に水を与える役割りが、このグラディア川となる。


「このグラディア川、畑に水を与える役割りになってるんだよな。凄い数の用水路も作られてる」


橋の欄干に手をかけると、セピアは川を眺める。


「この川はとても大きいですわ。流れも穏やかで…」


橋の上から見ると、川は澄んでおり魚が泳ぐ様子もしっかりと見る事ができる。


釣り人が釣りをしている。桶の中には、数匹の魚が入っている。


グラディア川はとても大きく、天然のお掘りを形成している。


川を挟む様に、金色の小麦畑が広がる。


橋を渡り終えると、街が見えた。


前に来た時よりも、人々が多い。


セピア達は街へと入る。


金色の瞳に金色に近い白い髪。少し尖った耳。


とても目立つ。


「あら、セピアちゃん。肉ぐしが焼けたけど、食べていく?」


声をかけられセピアは振り向く。


入り口近くにある肉屋の女将さん。


「あ、ベリーさんこんにちは。頂いてよろしいので?」


お店に近づくと、焼きたての肉ぐしを1本受け取った。


「俺のは?」


「あんたのは、おまけしとくよ」


レオンはお金を払おうとすると、セピアも銀板を出そうとする。


「セピアちゃんの分は、レオンから徴収しとくよ。女の子にお金を出させようとするなんて、なんてダメな男だろうねぇ」


「ズリーだろ!それ!」


ベリーは大きく笑う。その様子に、セピアはクスリと笑った。


街の市は、まるでお祭りの様に賑わっている。


珍しいお菓子を売る店の前には子供たちが集まり、お酒を提供するお店には大人が集まる。

人々は思いのままに過ごしている。


セピアは珍しいお菓子を売るお店の前で足を止めた。


1本の棒、それをお店の人がくるくると回すと、白い綿が生き物の様に棒に絡みついていく。


セピアはレオンの腕に絡みつきつつ引き止める。


「ねえ!レオン!あれ!あれなに?」


レオンはセピアの少し慌てた感じの様子に、吹き出す。


「あれは、綿菓子だよ。初めて見たのか?」


「はい、初めて見ました。ものすごくふわふわしてて、あんな食べ物があったなんて知りませんでしたわ」


「銅板1枚だって、買ってやろうか?」


セピアの目が輝く。


お店の人から綿菓子を手渡される。


自分の顔くらいある大きさ。


「こんなに大きなお菓子、食べ切れるのかしら?」


セピアの疑問はすぐに解消された。


一口食べると、口の中に広がる香ばしい甘みと共に、その綿は溶けて無くなる。


口に手を当てると、その驚きに目が開いている。


「なんですの?これ。口の中で無くなりましたわ」


レオンが自分の分で買った綿菓子を一口分引きちぎると、口の中に入れる。


「どうよこれ。美味しいだろ?」


「はいとても」


レオンに習って、綿菓子を一口分引きちぎる。


その一口分の綿を、じっくりと観察する。


繊維は白く、陽の光でキラキラと輝く。


少しギュッと力を入れると、綿は固まり指についた。


「セピア、それ握りすぎ。」


セピアの指についた綿をみながら、レオンは笑う。


「こっ、これはどうしたら」


セピアが少し慌てている。


「そんな時は舐めればいいんだよ」


セピアは自分の指についた綿を舐める。一瞬でなくなるが、指のべとつきは取れない。


セピアは周りを見ると、井戸がある事に気がついた。


「ちょっと失礼しますわ」


桶に水が入っている。そこにハンカチをつけると、絞る。


その時だった。


片手で不安定になっていた綿菓子を、桶の中に落としてしまったのだ。


水の中に吸い込まれる様に、一瞬で無くなる綿菓子。


セピアはショックで言葉が出ない。


その様子を見ていたレオンは、後ろで笑っている。


「俺のやるよ。」


少し綿を引きちぎると、セピアに渡す。


「⋯ありがとうございます……」


桶の中には、さっきまでもふもふに綿菓子がついていた棒が1本、浮かんでいた。


綿菓子を食べ終わると、少し元気の無いセピア。


「セピア、元気出せって。他にも美味しいものあるんだから、食べに行こうぜ」


「…はい。そうですわね。」


腰掛けていた花壇のレンガから立ち上がると、市を見渡しつつ歩き始める。


少しうつむきかげんのセピア。


「おう、セピアちゃんじゃねーか。」


酒屋のビルがセピアに声をかける。


「こんにちは、ビルおじさん」


少し元気の無い様子にビルは気がついた。


「なんだぁ?レオン、お前まさか、セピアちゃんいじめてなんかないよなぁ」


「そんなことしてねぇって!」


レオンがさっきの経緯を説明すると、ビルは大声で笑う。


「なーんだ、それで元気がねぇのか」


ビルは店の中へと二人を入れた。


綺麗に並べられた酒の瓶にジュースの瓶。


ジュースの瓶を1本取ると、氷の入ったコップに注ぐ。


「これでも飲んで、元気出しな」


セピアとレオンに差し出されるジュース。


セピアが口をつける。


酸味の中で甘さが広がる柑橘系。


「とても美味しいですわ。」


「だろ?この国の南にある畑で作ったオレンジジュースだよ。」


もう一口飲もうとすると、外が突然騒がしくなった。

近いうちにと思い、少しづつ構成を考えている訳ですが、セピアの章は少々長くなりそうですね。


年明けしないうちに、第二章を書き上げることはできるのか?


思考錯誤です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ