壊れる精霊国家 ⑱
今回は、前半と後半で分けさせていただきます。
机の上に、カチャリとティーカップが置かれた。
会議室は沈黙が流れる。
カシウス公爵が羊皮紙を確認する。
ローディアス伯爵は、何かを羊皮紙へと書き込んでいる。
女王はそっと、焼き菓子へと手を伸ばす。
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北の街の国境。
門へと近づく馬車を眺める難民達。
門へと着くと、兵士が降りる。
「ノルディア王国より、グラディア王国へ食料支援についての交渉に来た!」
ルシウス男爵が馬を走らせて門へとやってきた。
「よくぞ参られた!通られよ!」
兵士は敬礼をすると、馬車へと戻る。
馬車の団体は、門を抜けていく。
北の街に着くと、ノルディア王国の馬車は停まる。
国章のついた馬車を、街の人々が見ている。
「ここで宿泊場所を探す!宿を探せ!」
兵士が一斉に街の宿を探しに行く。
馬車の中で一人、ノルディア王国の貴族、カインズ・メチル侯爵は目を瞑る。
宿が決まると、貴族たちは宿へと入っていく。
カインズ侯爵も宿へ入ると、部屋の机に向かう。
羊皮紙に、明日の会議の為の資料を書いていく。
窓を見ると、空が赤くなっている。
ペンを置くと、ゆっくりと息を吐く。
「さて、どうしたものか…」
この街に着くと、状況が理解できた。
思っていたよりも、小麦が少ない。
難民への支援もあった事で、少し期待をしていた。ここにも飢餓の被害が出始めているのだとしたら支援も難しい。
椅子の背もたれに体重を預けると、天井へ向き、大きく息を吐いた。
兵士がご飯を食べるために食堂へ足を延ばす。
食堂は賑わっている。
食器の音に、笑い声。
自国とは違う。
兵士は大きく息を吐いた。
「よう。あんたら、ノルディアの兵隊さんだろ?」
大柄な男がノルディアの兵士に話しかけた。
「ああ…」
「やけに落ち込んでるな。何があったんだ?」
大柄な男は腕を組みつつ、眉間にシワをよせる。
「…ノルディアは……」
兵士はそこまで言うと、水を一気に飲み干し席を立つ。
「おい…あんた……」
大柄な男は兵士の背中を見送った。
大飢饉、ノルディアに現在進行形で蝕む悪夢。
民を飢えさせ、死者すらも出ている状況で、兵士は食べる事をやめてしまった。
半分しか書けなかった。
また、明日書きます。
朝が早いので、ここまでです。




