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幻影国家再建記  作者: 白波ほずみ
第三章 壊れる精霊国家

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壊れる精霊国家 ⑫

早馬が走る。


蹄は鋭く四拍子を刻む。


泥をはね、水を飛沫に変える。


蹄のリズムはやがて石畳を叩く。


街を駆け抜ける。


兵士の掛け声に、人々は避ける。


再び泥をはね、水を飛沫にする。


馬はローディアス伯爵の元へと向かう。




アンディー・ローは邸宅へ戻る馬車の中、額を抑えて目を閉じる。一定のリズムの呼吸。いつの間にか邸宅へと着いていた。


馬車の扉を開けると、ゆっくりと降りる。


足音が響くと、邸宅の扉を開く。


「おかえりなさいませ」


メイドが帽子と上着を受け取る。


一息つくと階段を昇る。


絨毯の引かれた廊下は足音が響かない。


書斎の扉を開くと中へ入りドアを閉めた。


書斎の椅子に腰掛ける。


机の上には羊皮紙が整理され置かれている。


ノルディア王国の使者から封書を貰うと、すぐさまローディアス伯爵へと使いを出した。


封書の中は確認していない。


封書は女王への物だったからだ。


片眼鏡を外すと、背もたれに寄りかかる。


目を瞑ると、呼吸がまた、一定のリズムを刻み始めた。


ローディアス伯爵の邸宅前に早馬が到着して暫くすると、扉が勢いよく開きメイドが走って外へ出る。

すぐに馬車が用意されると、ローディアス伯爵は早歩きで馬車へと乗り込む。


蹄の音と車輪の音は勢いがある。


少し大きく揺れる馬車。


「………」


ローディアス伯爵は羊皮紙へと手紙を書いている。


馬車の揺れが落ち着くと、王城が見えてくる。


城門を潜ると、やがて停まる。


ローディアス伯爵は素早く馬車を降りると、小走りで城の扉の前にやってくる。

扉が開かれると、すぐ様王城の会議室へと向かう。


「ローディアス様、いかがなさいましたか?」


ローディアス伯爵は手で持っていた封書を掲げる。


「セピア陛下に、急ぎこれを渡したい。ノルディア王国からの封書だ」


女官は眉間にシワを寄せると、小走りで女王の部屋へと向かう。


ノックの音が2回。


セピア・エル・グラディアはドアを見る。


「…は…い…」


返事をする前に扉が開かれた。


「陛下、緊急の呼び出しでございます。会議室へ」


女官が言うと、女王はスッと立ち上がり部屋を出る。


「…緊急って、何かありましたの?」


「はい。ノルディア王国の封書が届いております。」


「ノルディア王国ですか。難民の事でしょうか?」


「まだわかりません。セピア様がお開けにならないとなりません」


「…わかりました」


早歩きの女官についていく。


会議室に着くと、ローディアス伯爵がいた。

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