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幻影国家再建記  作者: 白波ほずみ
第三章 壊れる精霊国家

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壊れる精霊国家 ⑥

王城のある城下町。


日は昇らない。


空には一面の黒い雲。


空から降る水は、道に水溜りを作る。


王城に向かう馬車。


車輪がバシャリと水を跳ねる。


馬車から外を眺めると、とうきび畑は一面、全て刈り取られている。


土は水をしっかりと溜め込んでいた。


―――――――――


ローディアス伯爵に手紙が届く。


「この時期になんの報告だ?」


伯爵はナイフを取り出すと封を開け、手紙を取り出す。

手紙に目を通すとこの様に書いてある。


[この度の小麦支援、誠にありがとうございました。先日、この街に一組の家族連れがやってまいりました。ただ、家族連れと申しましても、様子がおかしかった様で、国境にある門番が事情を聞いたところ、北の国で大飢饉が発生しており、多くの民が苦しんでいるとの事でした。現状、難民はこの家族連れだけではありますので、この街で対応ができそうです。しかしながら、多くの難民が来る可能性もございます。その様な状況になれば、今後追加で支援を要請させていただこうと思いますので、どうか、宜しくお願いいたします。


                  アンディー・ロー]


「……その様な事が起きているのか。」


ローディアス伯爵はすぐに馬車を用意するように命ずると、身支度を整える。


窓の外を黒い雲が覆っている。


馬車の支度ができると、王城へと走り出す。


ローディアス伯爵は外を眺める。


雨は馬車に叩きつけていた。


揺れる馬車の中、伯爵は羊皮紙に書かれた王室倉庫にある備蓄の量を確認する。

最悪の事態を予想して計算するが、難民が今後増えたとしても、王国の民が2年は食べていける計算になった。


「何とかなりそうだな」


ローディアス伯爵の馬車は城の門に入った。


―――――――――


ノルディア王国の城内では、話し合いが行われていた。


「もう限界なんですよ!!!倉庫にも食料が無い!!!民は飢えている!!!死者も出ている!!!これ以上どうしたらいいのです!!!」


その訴える様な叫び声は、大会議室を震わせる。


「だがしかし、どうすればいいと言うんだ!!!金はあるが食い物が無い!!!」


一瞬静まる会議室。


「……買いましょう。隣国から…」


「そんなのはわかっている!!!食料を買い付けたとして、一時的な事にしかならんだろうが!!!来年はどうするんだ!!!このままでは………」


「畑を買うのです!」


その方に皆が目を向けた。


「この国には財がある。ならば、畑を買取って少しでも国民に流すしかない。食料をただ買うだけならば、価格はどんどん高騰するでしょう。ならば、畑を買取ってしまうのです。」


「しかし!!!そんな事……」


言葉が続かない。


この国の現状では、明日食べる物が無いのだ。


「奪えば金もかからんだろ!」


その言葉に皆が驚く。


それは、王の口から発せられていた。


今まで叫んでいた者は、この言葉に冷静になる。


「しかし…しかし王よ、そんな事をして万が一にも負けてしまったら、国民はますます飢えてしまう…」


王は目を瞑ると言った。


「ならば、今は食料と畑を買えばよかろう」


会議に出ていた者達は、沈黙した。


―――――――――


グラディア王国の会議室。


「はい、現状の様子は避難民はこの家族連れのみとなっておりますが、今後避難民は増えると予想されております。現在のところ、この街だけで支援ができると思われます。我々がするべき事は、状況を把握し、支援の準備を早々にするべきかと…」


「そうですか…」


女王は考える。


『避難民の支援ならば、わたくし達の手で、何とかなりそうですわね』


「わかりました。支援を送る準備をいたしましょう。」


ローディアス伯爵が頭を下げた。



だんだんと、怖くなってきた感じでしょうか?


書いていて、人々が勝手に動いてます。

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