幕引き
その数日後、裁きの日が訪れた。
王都の中央裁判所には、貴族も役人も息を潜めて座していた——。
裁判官の朗々とした声が響く。
「これにて証人尋問を終える。次に移る——」
「お待ちください、裁判長。王国法務局を預かる宰相として、一点申し上げたいことがございます」
傍聴席にいたルドルフが、静かに手を上げた。
「……ルドルフ宰相閣下、発言を許可する」
裁判長が頷くと、会場に緊張が走った。
ルドルフは裁判長に対し、深く頭を下げたのち——空気を切り裂くような冷たく鋭い眼差しを、グレインへと向けた。
「……っ!」
グレインは思わず息を呑み、顔を強張らせた。
何よりも陶酔していたルドルフに、そんな視線を向けられるとはつゆほどにも思っていなかった。
「私の理念を捻じ曲げ、法を越えるような行いをした自身の恥を悔いることだな」
そこには情のひとかけらもない、侮蔑が含まれていた。
その言葉は静かでありながらも、彼の心を抉るには十分すぎた。
グレインの表情は歪み、体が小刻みに震えていく。
彼はゆっくりとその場に崩れ落ち——やがて。
厳粛な法廷に、彼の叫喚がこだました。
これにて王宮内の闇編は幕を下ろします
また次回
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