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迫り来る魔球

王宮内での襲撃——そしてリリィに付き添い、財務局の監査を行なった後日。


カイゼルは執務室のソファに腰を下ろし、静かに調査書を開いた。

一枚目に目を通した瞬間、眉がわずかに動く。


(王宮内で、身元の曖昧な者が採用されていた?宮内の人員はすでに十分に満たされているはずだが……)


不可解に思いながら視線を滑らせると、書面の端に押された印影が目に留まった。

宰相の印と、並んで押された特例印。


(……おかしい。特例採用にルドルフ宰相の直印など、彼の性格上あり得ないはずだ)


胸の奥に小さな焦りが芽生え、次第に冷たい重みへと変わっていく。


(もし、あの襲撃が偶然ではないとしたら……)


思考の底に、ひやりとしたものが沈んだ。


筆を取ると、即座に秘書宛てに追加調査の依頼について書き走らせた——その矢先。


窓の外から衛兵たちの叫び声が耳に届いた。


「何事だ!」


すぐさま立ち上がり、窓際へと駆け寄る。


窓を開け放って眼下を眺めると、衛兵たちは慌てふためきながら必死に空を指差していた。

カイゼルは彼らの視線の先を追い——思わず息を呑んだ。


そこには、上空を豪速で切り裂きながら飛行する漆黒の塊。

肌を刺すような痛みが走り、空気がひりついた。


(……っ!あれは魔力の塊だ。しかも、かなり凝縮されている!)


「……どこへ向かって飛んでいるんだ!」


球体の軌道の先を目で追い、悟る。


「まさか……訓練場……」


ざわつく胸を押さえながら、即座に踵を返す。


(今日はリリィ嬢が訓練場に——まさか、敵の狙いは……!)


執務室を飛び出し、廊下を全速力で駆け抜ける。


(頼む!無事でいてくれ!)


嫌な予感が胸の中で騒めき、額に冷や汗をさらに滲ませた。

また次回

毎日が筋曜日!

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