人参はケーキにもなる
筋トレの指導も無事に終わり、リリィは子供たちと食事を共にしていた。
食堂は子供たちの笑い声で賑やかだ。
「私、にんじん嫌ーい!!」
リリィの右隣に座っていた女の子がスープの中にある人参を見つめながら顔を顰めている。
するとすぐにリリィが口を開く。
「好き嫌いはいけませんよ。体を大きくするには様々な栄養素が必要ですわ。バランスよく食べて、運動して、しっかり寝ること。それが強く、大きくなるための秘訣ですわ」
女の子はリリィを見上げながら、その言葉をしっかりと聞く。
「それに、皆さんはご存知ですか?人参は野菜ですがケーキにも変身するのですよ」
ケーキという一言に、子供たちの瞳がキラキラと輝き出す。
「野菜なのにどうやって変身するの?」
「そんな魔法みたいなことってあるの!?」
「にんじんって、すごいんだね!」
好奇心に満ち溢れた声が食堂内に飛び交う。
そんな声を聞きながら女の子は再びスープの中の人参をじっと見つめ——。
「そんなにすごいなら……頑張って食べる!!」
そう言いながら右手で持ったスプーンで人参をすくい上げ、パクッと頬張った。
「偉いですわね、その意気ですわ。さあ、皆さんも好き嫌いせずにたくさん食べましょう」
リリィは彼女を優しく褒めながらも、他の子供たちにも声をかけることを忘れない。
「はーい!!」
彼女の言葉に子供たちの返事が一斉に重なる。
リリィがこの孤児院に通い始めてからまだ数日しか経っていない。
それなのに、彼女と子供たちとの間では早くも小さな連帯が芽生えつつあった。初めはリリィの屈強な姿に驚き、泣き喚いていた子も——今やすっかりリリィの教えに夢中だ。
「こっ、子供たちの好き嫌いがこんなにもあっさりと解消されるなんて……さすが、リリィ様!!」
リリィの左隣に座っているシスターが驚きの声を上げる。
「いいえ、子供たちが素直で真っ直ぐなのは皆さんによる日頃の努力の賜物ですわ」
「リッ、リリィ様ぁ!!」
こうして孤児院にもリリィに崇敬の念を抱く者が増えていくのだった。
孤児院編は一旦、閉幕です
次の話ではカイゼルとリリィが出かけます!お楽しみに!
毎日が筋曜日!




