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今日より明日、明日より明後日

敷地内に入ると、集まった子供たちを前にさっそく指導を始めているリリィの姿があった。


「本日からは皆さんに、筋肉トレーニング——略して、筋トレをしていただきますわ」

「えー、なにそれ?」

「筋トレって知ってる!!運動だよね?」

「うんどう?きらぁーい!!」


彼女の声に様々な年齢の子供たちが口々に文句を言ったり、顔を見合わせたりしている。


「運動は大変ですわよね。……ですが、運動終わりの湯浴みは運動していない時よりも——もっと、もっと気持ちいいですわよ」


リリィの言葉巧みな誘いに、子供たちは少しずつ興味を示し始める。


「それにお腹を空かせた後の、食事はそれはそれは美味ですわ」


子供たちはごくりと喉を鳴らし、その瞳を輝かせ始めた。


「私、筋トレ?……してみたいかも……」

「……ぼっ、僕も!」


先程、リリィに相談事をしていた男の子もサッと手を上げる。

彼をきっかけに、それに続くように他の子も「私も!」、「俺も!」と次々に声を上げていく。


「それでは、皆さんには三つの筋トレをお教えいたしますわ。腕立て伏せ、次に腹筋、そして最後にスクワットですわ」


リリィはそう言ってからそれぞれのトレーニングについて手本を見せ始めた。そして子供たち、ひとりひとりと向き合いながら指導を進めていく。


そんな中、一人の男の子が地面に腰を下ろしたまま、悔しそうに唇を噛みしめていた。

彼の様子に気づいたリリィはすぐさまそばにしゃがみ、優しく声をかけた。


「どうかなさったのですか?」

「……みっ、皆は腕立てを何回も出来ているのに……たったの、一回しかできなかった……」


声を震わせ、涙がぽたりと地面に落ちる。


リリィは静かに彼の言葉に耳を傾け、そっと優しく頭を撫でた。


彼はほんの少し、驚いたように目を見開いた。

頭に置かれた大きな手のひらは、思っていたよりもずっと優しくて、温かい。


「努力は小さな積み重ねでできていますわ。今日は一回。ですが、きっと明日は二回できますわ。そして、しばらく経てば……十回だって夢ではありません」


リリィの優しい言葉が胸の奥にゆっくりと落ちていく。

男の子は泣きじゃくりながらも、その温もりを感じていた。


——この手のひらの感じ、知ってる。


「……お父さん……」

「まあ……」


ぽつりと漏れたその言葉に、リリィはわずかに目を見開いた。

でもすぐに、ふわりと微笑む。


彼女はしばらく何も言わず、そっとその頭を包み込むように撫で続けた。

そして、静かに呟く。


「……今日のあなたは、よく頑張りましたわ。また明日、頑張りましょう」


男の子は涙をこぼしながら——何度も何度も、頷いてみせた。


リリィなりの指導が始まっていきます

また、次回!

毎日が筋曜日!

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