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リリィからの提案

リリィはその反応をつぶさに確認してから、静かに言葉を紡ぎ始めた。


「争乱からまだ一年——ここまで復興が進んだのは国王陛下、ひいてはカイゼル殿下の御力あってのこと……。それは十二分に承知しております」


重々しい空気が一瞬、部屋を包んだ。だが、リリィは臆することなく続ける。


「けれど王宮の衛兵の数が少ないことが、以前から気がかりでした。ですから、わたくしより提案をさせていただきたく思います」


リリィは視線をセラフィナに向けたまま、丁寧に語る。


「わたくしが考えておりますのは、国と民を繋ぐ新たな仕組みでございます。それは孤児院の支援と、騎士団の人材育成を両立する構造ですわ」


太ももの上に置いていた手を、ゆっくりと握りしめる。


「守る力は生まれや身分だけではなく、志と育成の機会によって育てられるものですわ」


彼女が提案したのは、ふたつ。

まず始めに、騎士団予備育成制度についてだ。


孤児院出身者や働き口を持たぬ平民を対象にした予備騎士団を創設。そこで半年から一年の訓練を受け、本人の意思と適正に応じて正規の騎士団員として採用する制度だ。


訓練期間中は最低限の衣食住と、ささやかではあるが給与も保証される。卒業後には騎士団への入団のみならず、支援枠での職業紹介も可能な形にすること。


「体だけでなく、精神も鍛えられる場所。それが騎士団ですわ。志ある者に門を開くことで、王国の力はさらに盤石なものとなります」


続いて、騎士団を退いた者たちの再雇用制度について。

退役騎士を再雇用し予備騎士団の指導者、または孤児院などの支援施設における教官、育成担当として派遣する制度だ。


「また、騎士の経験がある方々による市民への防衛指導もご検討いただきたいのです」


リリィの提案に、カイゼルは静かに目を見開いた。


(そんなことも、考えていたのか……)

また、次回!

毎日が筋曜日!

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