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率直な意見

馬車に乗り込み、ほどなくして王城へ着く。リリィはそのまま、いつもの応接室へと案内された。


すでにそこには、カイゼルと、彼の秘書であるディーンの姿があった。


定例の挨拶をかわしてから、向かい側に座ったリリィをディーンは改めてまじまじと見つめた。


昨日のことをカイゼルから全て耳にしていた彼は、一つの疑問を抱いていた。


婚約者という近しい立場の人物の前で、制御不能の一歩手前まで陥ったというのに、目の前の彼女は臆することなく凛とした居住まいで腰を下ろしている。


恥をかき、弱さを見せた相手の前に、これほど早く姿を現す者を、ディーンはほとんど知らなかった。


気づけば、率直な意見が口をついて出ていた。


「普通でしたらお相手の方と気まずい雰囲気になって、数日くらい距離を置くはずなのですが……」


その言葉に、リリィの視線が一瞬だけ、彼の隣に座るカイゼルへと流れた。

だが、すぐにディーンへと戻る。


「傷つくのが怖くて逃げてしまう気持ちは分かります。ですが——想ってしまった以上、何も告げずに背を向けることは、わたくしにとっては不誠実と同じなのです」


弾かれたようにディーンは目を瞬かせた。そして、自身の失言を恥じるように深々と頭を下げた。


「芯が強い方だとは存じ上げていましたが……さきほどの発言を撤回いたします。大変、失礼いたしました」

「いえ、そう感じてしまうのは自然なことだと思いますわ」


ただ強いだけではなく、包み込むような寛容さもある——ディーンは、彼女の中にある王妃としての資質をひしひしと感じた。

また次回

毎日が筋曜日!

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