表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

105/129

王妃からの手紙

身支度を軽く整え、応接室にて使者を待つ。

しばらくすると、部屋にノックの音が響いた。


「どうぞ」

「失礼致します」


王族の側近である侍従が、恭しく礼をしてから室内に足を踏み入れる。

きっちりと整えられた身なりに——胸元には王家の紋章を模したピンがシャンデリアの光を受け、煌めいていた。


「公爵令嬢リリィ・フェザースノウ様に、王妃殿下よりの御文をお持ちしました」


彼はそう告げ、ソファに座っているリリィの元へ歩み寄った。

胸元の書状入れから封筒を取り出し、両手で丁寧に差し出す。リリィも彼に倣い、丁重に受領した。


侍従は彼女に向かって、ふっと柔らかく微笑んだのち、再び礼をして退出していった。


手元に収まるほどの封筒——だが、緻密な模様は金箔で施され、封蝋には王家の印章が刻まれている。

それだけで、その便りが格調高いものであるという何よりの証拠でもあった。


マチルダからペーパーナイフを受け取り、封筒と封蝋の隙間に差し込んで剥がしていく。


部屋に控えていたノエルが、ティーセットの用意をしながら問いかけた。


「なんて書いてありました?」

「王宮への召集ですわ」


便箋に綴られた文字に視線を落としながら、リリィは静かに答えた。

覚悟はしていたが、現実というものはあっという間に迫ってくる。


婚約者を公募した場に、カイゼルも参加していた——しかも、国王と王妃の署名が入った許可証を持参して。

それは、リリィが次期王妃になることを、認可しているようなものでもあった。


カイゼルと心を寄せ合う仲なのだと知った時は、喜びが全身を駆け抜けたように気持ちが華やいだ。

だが、王族の一員になるということは、幾多の責務を背負うことでもあった。


(認められているというのは、大変光栄なことですわ……。ですが——)


リリィは決意を改めるように深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出した。


「より一層、気を引き締めなくてはいけませんわね」


前を見据えた彼女の瞳には、強い覚悟の光が宿っていた。

また次回

毎日が、筋曜日!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ