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黎明の錬金技工術士《アルケミスター》と終焉の魔導機操者《アーティファクター》  作者: かなちょろ
第五章 【大海原】

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九十九話 【出航】

「やっと来おったな、待ってたぞ」


 ダルマッチさんは既に船の甲板にいる。


「ほれ、あんたらも早く乗り込まんか!」


 ダルマッチさんに急かされて船長の船、シュシュリラに乗り込む。

 サイズは中型船と言った所だ。

 他にも乗組員(クルー)が数人いる様子。


「お前さん方は一応客だからな、客室を使うと良い」

「ありがとうございます。 ……この船、他にも乗組員(クルー)がいるんですね?」

「当たり前だ。 わし一人で船を動かせる訳なかろう」


 確かにそうだな。


「ほれ、そろそろ出航するぞ。 準備は良いか?」

「大丈夫です」

「なら客室で離れて行く大陸を眺めているんじゃな。 落ち着いたら後でそっちに行くわい」


 シュシュリラはゆっくりとスクリューを回し、波を掻き分けながら出航した。

 長く旅をした大陸はどんどん離れ見えなくなって行く。

 ちょっと物寂しい……。


 部屋の備品は全て動かなくなっており、椅子も机もねじ止めされている。

 波が荒く椅子や机が動いて怪我をしない様にしてあるんだろうな。

 とは言え、キシキシと音が聞こえると大丈夫なのか心配にはなってくる。

 とくにレアがブルブルしてさっきから俺に引っ付いて離れない……。

 

「レア大丈夫か?」

「だ、大丈夫ですにゃ……、……ちょ、ちょっと落ち着くまでこのままでいて欲しいにゃ……」

「わかったよ」

「レア、私もーー!!」


 エイルは俺に抱きついているレアに抱きつくが、レアはそれどころじゃ無いらしい。


 そんな感じのまま、しばらくすると、扉をノックしてダルマッチさんが入ってくる。


「どうだ乗り心地は?」

「いや〜……はは……」

「……ふむ……、なかなかと言う事で良さそうだな」


 わっはっは! と俺に引っ付いているレアを見ながら笑う。


「さて本題と行こうか。 お主達は何故西の大陸に向かうんだ? ガルの仕事ならわざわざ西の大陸に行かんでも良いだろう?」

「それは……、西の大陸にある塔に行こうと思っています」

「塔?」

「古代からある塔を調べに行こうと思っています」

「なんだ、あんな物を調べに行くのか?」

「塔をご存知ですか?」


 ダルマッチさんはパイプを咥えて足を組み話し始めた。


「わしが若い頃、森の奥地で見た事がある」

「どの辺ですか?」

「確か【オルディーコムン】で見たはずじゃ」

「オルディーコムンはどの辺にあるんでしょうか?」

「なんだ、何にも知らんで行くのか? 仕方ない、わしが説明してやろう」


 ダルマッチさんは懐から地図を取り出すと、説明を始めた。


「まず、西の大陸には大きく分けて三つの国がある。 一つ【花の都 オルディーコムン】 二つ【森の国 【エレメントスハーレス】 三つ【雪と氷の国 【フルスレイグ】 今向かっているのは森の国、エレメントスハーレスだ」


 どの国も気になるが、まずは塔に行かないと。


「向かう先は変更出来るんでしょうか?」

「塔に行きたいと行っていたが、西の大陸でわしの船が停船出来るのはエレメントスハーレスの港だけでな」

「そうですか……」


 それなら仕方ない。


「エレメントスハーレスはどんな国何でしょう?」

長耳族(エルフ)の国だ」

「エルフの国ですか!?」


 エルメリオン王国でお世話になったマドルさんの故郷か……。


「そう言えば、古い歴史がある国でしたよね?」


 レアに顔を埋めていたエイルが話しに参加しだした。

 最初から参加して欲しい……。


「そうだな。 特に王族は何百年も生きていると聞いた事もある」

「それは……、長生きですね……」

長耳族(エルフ)は長命な種族と言われてますね。 その分、歴史に詳しいはずよ」


 俺達についても何かわかるかも知れないな。


『ザー……、ザ……、船長、至急船橋(ブリッジ)までお越しください』


 急に館内放送が入る。


「呼び出しのようだな。 また後で話しをしよう」


 ダルマッチさんは急いで部屋を出て行く。

 何かあったのか?


「ご主人様、な、何かあったのかにゃ?」

「心配しなくても大丈夫だよ」


 そうレアには言ったが、船が軋む音が強くなり、揺れも激しくなる。


『ザ……、聞こえるか? 全員ちょっと甲板に出てみてくれ!』


 部屋にダルマッチさんから放送が入る。

 甲板に出てみてくれ? 結構揺れているが、船長が言うなら出てみるか……。


 しがみつくレアとエイルを連れて甲板に出た。

 船の横を無数の魚が泳ぎ、それを大きな物体が群れをなして後を追う。


『見えたか? あれは魔生獣の【一角鯨(ユニコーンホエール)】だ。 航海の守神とも言われていてな、出航そうそう見られるのは運が良い。 これは良い航海になりそうだぞ』


 海上から白く美しい角がたまに見え、船の近くを泳いでいる一角鯨(ユニコーンホエール)は、潮を吹いて挨拶してくれているようだ。

 レアはいつの間にか俺から離れて、一角鯨(ユニコーンホエール)の群れを見つめていた。

 俺もエイルもこの光景には感動して見つめていた。 

 読んで頂きありがとうございます。

 次話も頑張ります。

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