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九十話 【月の輝き】

 ヴァルスケルハイトの一人だったエイシス。

 そしてエイシスの実験体としてヴァルスケルハイトになったムーン。

 俺達は二人と対峙した。


「さ、私の実験の成果を見せてみなさい」

「グルルァァ!!」


 突っ込んでくるムーンの攻撃を咄嗟に獅堂剣で腕を斬り落とした。


「グアアアア!!」

「おやおや、酷いですね。 仮にも彼の妹さんだと言うのに。 まあ仕方ありません」


 エイシスは指を鳴らすと天井が開き月が見える。


「ふふ……、貴方達は本当に丁度良い時に来てくれましたよ。 さあ実験体よ! レリックを発動させるのだ!!」

「グオオーー……ン!」


 ムーンが月を見ると、斬った腕が瞬く間に再生した。


「さて、実験体が本領を発揮するのはこれからですよ。 二つの月が重なる時、更なる力を解放します!」


 夜空にある二つの月は次第に重なり合おうとしている。


「ご主人様! 月が重なる前にムーンを倒すにゃ!」

「よ、よし!」


 アンは既にムーンに向かって走る。

 スライムは槍となりムーンを突き刺す。

 だが刺さった槍を両手で握りフルメタルスライムの槍を腕力でへし折った。

 刺さった場所も瞬時に再生。

 折れたスライムは一つになり元に戻る。

 

「……やっぱり強い……」


 アンは武器を変化させ攻撃を続けていく。

 二人は激しい打ち合いを始め、俺やレア、エイルが間に入れない。


「さすが幼くても暗殺者(アサシン)。 良いデータが取れそうですよ」

「エイシス! お前の相手は俺だ!!」

「私ですか? 面倒臭いですね〜……。 そうですね、実験体が負けたらやってあげても構いませんよ」

「ふざけるな!」


 アンとやり合っていたムーンがエイシスの前に立つ。


「……そうか……貴様か……、貴様がムーンを……俺の妹を! 元にもどしやがれーー!!」


 サンドライトが壁から飛び出しエイシスに向かって飛びかかる。


「ほらお兄さんが来ましたよ。 ちゃちゃっと倒しちゃって下さい」


 ムーンとサンドライトは組み合い揉めている。


「もうよせっ!」

「グルル……」

「俺の声が聞こえないのか!?」


 サンドライトはムーンに語りかけるが、効果は無いようだ。

 俺達はその間にエイシスに攻撃を仕掛けるが、エイシスは距離を取る。


「私の出番はまだまだ先ですよ。 まずは実験体と楽しんで下さい」

「ふざけやがって!」


 サンドライトはムーンに手出し出来ず、何度も吹っ飛ばされている。


「サンドライトもうよせ! 死んじまうぞ!」

「俺が助けないと誰が妹を助ける! ムーンは俺の妹だ!」


 サンドライトは何度も爪で引き裂かれ血まみれとなっているが、ムーンに立ち向かって行く。

 エイルとレア、アンはエイシスに攻撃を仕掛けているが、バリアのようなもので防がれて攻撃が届いていない。


「ふむ……、レリックを使っても所詮実験体ではこんなものでしたか……、……月も重なりました。 そろそろ終わりにしましょう」


 エイシスが指を鳴らすと、ムーンは更に苦しみだし、目や口から血を流すと倒れた。


「ムーン!!」


 サンドライトは苦しみ出し倒れたムーンを血まみれの体で抱きしめた。


「おや? この実験体では耐えられませんでしたか……。 もう廃棄処分ですね」

「エイシス! 仲間を廃棄処分だと!?」

「言っているではありませんか。 実験体だと。 あれはヴァルスケルハイトではありません。 私の玩具(おもちゃ)ですよ」

玩具(おもちゃ)だ……と!!」

「壊れた玩具(おもちゃ)は処分しないといけませんからね。 面倒臭いですが、私が少しお相手して差し上げますよ」


 エイシスの腕が三本の触手に変化し、伸ばし攻撃してくる。


 俺、アンは剣で触手を斬り裂くが、エイルに向かって行く触手はエイルの魔導銃では止められない。


「エイル!」


 触手はエイルの目の前でレアの短剣(ダガー)によって斬り裂かれた。


「ふむ……、ではこれならどうです?」


 エイシスは触手を両手、背中から伸ばすと鞭のように攻撃してくる。


「ぐあっ!」

「きゃっ!」

「くっ!」


 無数の触手は四方八方から攻撃してくる。 前を防げば後ろから、前後左右自由自在に動かし俺は吹き飛ばされ、アンはエイルを守り吹き飛ばされ、エイルも横っ腹に触手を受け吹き飛ばされる。

 そしてレアは触手に捕まってしまった。


「さて、私はこのネコを次の実験体としますから、これでお別れですよ」

「離すにゃ!」


 レアは大きな猫に変身し触手に噛み付くが効果が無い。


「まてよ……」

「ん?」

「待てって言ってんだ!」

「ふう〜……、面倒臭いですね」


 エイシスは触手を一本伸ばすと、立ち上がったサンドライトの胸を貫き壁に突き刺さる。


「がはっ……!」

「実験に使えない物には興味無いんですよ」


 壁に突き刺さったサンドライトの触手をムーンが引きちぎった。


「ムー……ン」

「に……にい……ん……」

「おやおや、どうやらレリックとの接続が切れて意識が戻りましたか……。 それではレリックだけでも回収しましょうかねぇ」


 エイシスの触手はムーンの首を絞め持ち上げ、触手がムーン目掛けて放たれた。


「に、兄さん……。 これを……、兄さんなら、使いこなせる……はずよ……」


 ムーンは自分の腹に爪を突き立て、体から丸く赤い紅玉を取り出し、サンドライトの前に投げた。


「に……いさん……。 私……生まれ変わっても、また兄さんの妹で……いたい……な……」


 力尽きたムーンを離し紅玉を掴む触手。

 その触手をサンドライトが握り潰す。


「ほう、まだそんな力が残ってましたか」


 サンドライトは力尽き倒れているムーンを抱きしめ、紅玉を穴が空いた胸に押し入れた。


「調整もしていない体にレリックを押し込むとは……。 発狂して死ぬだけですよ」


 ムーンをそっと床に寝かせ、サンドライトは月を見る。


「とりあえずそのレリックは返してもらいますよ」


 サンドライトに無数の触手が突き刺さる。


「……ん? ぬ、抜けない……」


 サンドライトは触手を掴み、力任せにエイシスを振り回す。


「グオオオオ!!」


 エイシスは壁に叩きつけられながら、抜けてしまった触手を一つにまとめサンドライトの腹を貫く。

 そして触手を棘のように体の中から突き刺した。

 サンドライトは顔も含め体中から無数の棘が突き出ている。


「やっと終わりですね」

「……終わり……じゃ、ねえ……」

「なにっ!?」

「レリックを……、研究していた割には……、大した事ねえ……な。 俺には、このレリックの事が……、良くわかるぜ……」


 サンドライトは全身に力を入れると、触手を全て引きちぎった。


「どうなってる!? 心臓ごと全身を貫いたはず!?」

「はは……、ムーンに助けられたぜ……、月が一つになっている間は……、俺は不死身だ!!」


 サンドライトに空いた穴は直ぐに塞がり、一瞬でエイシスの頭を吹き飛ばした。

 読んで頂きありがとうございます。

 次話も頑張ります。

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