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八十六話 【基地へ向かって】

 ヴァルスケルハイトの基地に向かう為、準備を進める。

 モンドさんとルルアが皆んなの武具を調整したいとの事で何やら色々やってくれている。

 俺やレアはリュビナイトの中をリューの案内で探索し、たまにマブルさんに呼ばれたり、フランと遊び、エイルの錬金術を見ていたりする。

 そして数日が過ぎた……。


 皆んなの準備が揃った頃、ルルアに呼ばれ談話室(サロン)に集まった。


「ルルア、皆んな集まったぞ」


 俺、エイル、レア、アン、フランがテーブルを挟んでルルアの前に立つ。


「お待たせしました! 皆さんの武器が完成しました! まずはエイルさんの【エイルキラキラ魔導銃】ですが、魔法が三発から五発まで撃てる用になりました」

「凄いじゃない! ありがとう!」


「そして、レアさんの短剣(ダガー)ホルダーを改良しまして、短剣(ダガー)に魔石の属性を付与出来ます」

「それは凄いですにゃ」


「そして私のルルアーハンドですが、マジックハンド以外にも出るようにしました。 何が出るかはお楽しみです」

「そ、そうか……」


「それと、ケンジさんの武器はこれです!」

「剣の柄だけ?」

「この剣をケンジさんの魔導法術機(ガルファー)が入っている手で握ってみて下さい」

「こうか?」

「そしたら魔導法術機(ガルファー)で魔法を使って見て下さい。 あ、でも軽くですよ」

「わかった、やってみるよ」


 魔導法術機(ガルファー)を使うと剣の柄にはめてある宝石が赤く光る。

 そして赤く光る刀身が現れた。


「この剣は?」

「これは魔法を刃に変える事が出来るんです。 名付けて【獅堂剣】です!」

「凄い。 携帯もしやすいし助かるよ」


 ネーミング以外は……。


「僕のも見てよ!」


 フランは腕に着いた金色の腕輪を見せて来た。


「その腕輪は?」

「この腕輪は僕の魔力を制御出来るんだってさ。 これで魔法使っても倒れたりしないよ」

「そうか、良かったじゃないか!」

「うん! でも、まだ船から離れる事は出来ないんだ……」

「それは残念だな」

『リュビナイトの機能が回復出来れば私もフランと出られますので、今しばらくの辛抱をお願いします』

「は〜い」

「それと、アンのスライムはどうなった……?」

『それついてはルルアからお話があります』


 ルルアが大きな箱を出してきた。

 箱はガタガタと小刻みに揺れている。


「この箱の中なのか?」

「そうだよ! じゃ〜ん!」


 箱よ蓋を開けると中からスライムが飛び出した。


「ピキー!」


 飛び出したスライムはアンの肩に飛び乗った。


『そのスライムは耐久値、変化速度、再生速度が上がってただのスライムでは無く、【フルメタルスライム】となっています』

「……それは凄い……ありがとう……」

「アンさんの名前とスライムの名前で【アム】ちゃんって名前付けました! リュビナイトの技術があったから出来たんだよ」

「リュビナイト凄いな」

「凄いのは勿論ですが、実はエイルさんにもお力をお借りしました」

「……エイル……ありがとう……」

「いえいえ〜」


 こうしてヴァルスケルハイトの工場に乗り込む為の準備が整った。


「準備も出来た、これからヴァルスケルハイトの基地に乗り込んで基地と魔導飛行船を破壊する。 俺とレアで行ってくる」

「……私も行く……」

「巨岩の大地の場所はは私が知ってるから私も行きます!」

「危険だぞ」

「……私とこの子がいれば大丈夫……」

「ピキ?」


 アンに乗ったスライムは肩で跳ねている。


「それじゃ皆んな後は頼む」

「ケンジさん、気をつけて下さいね」

「お兄ちゃん、待ってるよ」

「ああ、待っててくれ」

『それではヘイトルーガまでお送りします』


 リュビナイトでヘイトルーガ近くまで送ってもらい、ここからはハバルの町まで隠してあったサンドフィッチャーで向かう。

 動かし方はマブルさんにレアがレクチャーしてもらっていたので動かせる。

 ハバルの町に着いたら直ぐにヴァルスケン帝国へ向かう。

 ランブ砦の長い通路を進み、ヴァルスケン帝国へ戻って来た。


「ここからどうやって向かうんだ?」

「巨岩の大地の前に村があったと思うけど……?」


 エイルの案内で東にある村まで向かう事にした。


「今日はもう日も暮れているから、ここで夜営しよう」


 エイルの鞄から簡易テントを取り出し交代で眠る。

 エイルの話しだと一山越えた先に巨岩の大地があるらしい。

 その前に小さな村があると言うので向かっているが、そこで何か情報があれば助かるのだが……。


 夜中、魔生獣のガルムアントが襲ってきたが俺とレア、アンで楽々倒す事は出来た。

 俺の獅堂剣は楽々ガルムアントを切り裂き、赤い刀身はガルムアントを焼き尽くした。


「これは、凄いな」

「さすがご主人様にゃ」


 獅堂剣か……、ちょっと厨二病的なネーミングだけどいい武器だ。


「……私の【アム】も凄く使いやすい……。 さすがルルア……」

「ピキ?」


 倒したガルムアントはエイルの鞄に入れ、夜が明ける。


 次の日、村まで歩いていると、ジャイアントリッパーが三匹程現れたが、俺の獅堂剣とアンの武器であるフルメタルスライムのアム、エイルの魔導銃で軽く蹴散らした。

 

「私の魔導銃も凄いよ!」


 エイルは新しくなった武器を見て見て〜と皆んなに振っている。


「エイルさんのはキラキラ魔導銃にゃ」

「……キラキラ魔導銃だね……」

「…………」


 どれもルルアのネーミングによってつけられた武器だ。


 三日程、魔生獣に襲われながらも村まで歩くがまだ着かない。

 四日目、エイルがレアに甘え始めた。


「レア〜もう歩けないよ〜」

「エイルさん、またですかにゃ?」

「疲れたよ〜」


 エイルはガルでそれなりのランクなのだが、レアにすぐ甘える。


「……村に着いたら、一緒に寝ますから我慢して下さいにゃ」

「ほんと! やった! それじや頑張る!」

「まったく……、ルルアやフランがいないとすぐ甘えてくるのは困りますにゃ」

「本当だな。 でもそれだけレアが好きなんだろう」

「……まったくもう……にゃ」


 五日目、やっと村が見えて来た。


「村に着いたら一休みしよう」

「そうだね」


 この時はまだ村の異変に気が付いてはいなかった……。

 読んで頂きありがとうございます。

 次話も頑張ります。

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