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八十四話 【尻尾切り】

 オアシスの【トレド村】でお金(ジル)を稼ぐため、魔生獣からの護衛を引き受けた。


「おや? お早いお着きですね、これから迎えに行こうと思っていたんですがね」

「早かったか?」

「いえいえ、これだけ仕事に気合い入れてくれてるなら安心でさぁ」


 俺達はショウザが起こしに来る前に準備を済ませ、蟹漁の団体に少し早く着いた。


「ダンナ、今日は宜しく頼みましたよ」

「あ、ああ……」


 ダンナって……。


「それじゃ、ダンナ達は一番後ろの船をお願いします」

「先頭じゃないのか?」

「先頭は別にいるんで大丈夫なんですよ」


 俺達の他にもいるのか。 それなら安心だ。

 何隻かある小型魔導航砂船。

 その中でショウザの運転する小型魔導航砂船に乗り出発した。


 サンドクラブの取れる場所までは順調だ。

 砂海に特殊な金属の網にサンドクラブのエサを付け、砂に埋めておくと取れるらしい。

 網が上がると、サンドクラブが大漁に上がる。

 そして別の仕掛けの網まで移動して網を上げる。

 どの網にも結構な数のサンドクラブが取れた。

 そして最後の網に向かうと……。


「出たぞーー!!」


 その声でデザートピートが出て来た事を知る。


「さあ、ダンナ、出番ですぜ!」


 ショウザがサンドボードを渡して来る。

 え? これは乗った事ないから使い方がわからないんだけど……。


「何してます? 早く頼みますよ!!」


 ショウザに押されて船から落とされた。


「ぷあ! 何しやがる!!」

「それじゃ、頼みましたぜ!」

「おい! 他の奴は!!?」


 エイルとレア、アンは俺が落ちた後に続いて降り、俺の声は聞こえないフリをしてショウザは船を反転させて他の船の元に行ってしまった。

 仕方ない、ボードは砂に沈まない為の足場として使うしか無いか。


「皆んな、やるぞ!」

「「はいっ!」」


 デザートピートは砂から這い出て襲ってくる。

 その数十体。

 一匹の大きさは様々だが、建物の二階位まであるサイズもいる。

 数が多すぎる!

 ちくしょうショウザの奴、こんなにいるなんて聞いて無いぞ!


 レアの投げる短剣(ダガー)はデザートピートの甲殻には刃が通らない。

 エイルも魔導銃を撃ち放つが、デザートピートの甲殻には効果は無い。


「ケンジどうするの!?」

「逃げながら戦うしか無い! アンはエイルを守りながら逃げるんだ! レアは俺の補助を!」


 アンとエイルが少しでもデザートピートから距離を取れる様に守らないと!


 襲って来るデザートピートの毒の牙を躱し、レアの投げるダガーがデザートピートの目に刺さると、デザートピートが怯む。

 そこに拳で魔闘気(まとうき)を叩き込む。

 いくら防御力が高くても内部から破壊されればデザートピートでもひとたまりもない。

 破裂するようにデザートピートが倒れた。

 この調子だ!

 一匹は倒すが、倒されたデザートピートを乗り越えて他のデザートピートがウゾウゾと近づいて来る。

 そいつらもレアに援護を受け、魔闘気(まとうき)で倒して行く……。


「ケンジ達は大丈夫かな?」


 エイルはアンと逃げながらたまに後ろを振り返る。


「……ケンジなら大丈夫……、心配無い……」

「そうだよね、レアも一緒にいるし……」


 この辺りは砂海に沈む事は無いようだが、多少は砂で足が取られ、沈み上手く走る事は出来無い。

 それでもデザートピートの群れから離れるが……。


 突然砂の中からデザートピートの群れがエイルとアンの前に現れた。


「きゃあ!」


 エイルが悲鳴を上げた瞬間、アンはデザートピートに向かって槍を突き立てた。

 が、デザートピートの甲殻に防がれてしまう。


「このお!!」


 エイはの魔導銃を撃つがデザートピートの甲殻にはやはり効果は無い。

 アンはスライムを剣、弓、槍、に変化させながら戦うが、どれもデザートピートの甲殻に弾かれる。

 それでも急所である目などを攻撃し、数を減らすが後から出て来て数が多すぎる。


 一匹がアンの隙を突いてエイルに襲いかかった。

 エイルは魔導銃で応戦するが、デザートピートは上手く躱し、甲殻で防ぎながら毒の牙を突き立てようと大きく開く。


 間一髪、アンはスライムを盾にして牙を防ぐが、牙はスライムの盾を貫通してアンの体を掠めた。

 動きが止まったデザートピートの顔めがけて魔導銃を放ち退かせる。


「アン!」

「……大丈夫」


 エイルは魔導銃で地面を撃ち、砂を巻き上げアンを肩に抱えて逃げる。


「……はぁはぁ……、わ、私を置いて……逃げ……」

「そんな事出来るわけ無いじゃない!」


 デザートピートの牙は体を掠めた時にアンは毒を受けてしまっていた。

 魔導銃で砂煙を巻き上げながら逃げているが、群れの一匹が砂煙から飛び出しエイルとアンを襲う!


 アンは飛び出し、牙の間にスライムを棒状にして防ぐ。


「アン!」

「早く……、逃げて……」


 更に一匹の牙がアンを襲う!


 襲ったデザートピートの頭が吹き飛び、アンを抱えて走る。


「ケンジ!」

「二人共大丈夫か!?」

「アンが……」


 抱き抱えたアンは苦しそうに唸っている。


 アンを急いで治療しないと!

 レアとエイルだけじゃデザートピートの群れは対応出来ない。

 更に数を増して襲ってくる。

 このままじゃ逃げきれない!


 追いつかれる寸前、一筋の光りが走り、デザートピートの群れに直撃する。


「うわっ! なんだ!?」

「ケンジ! あれを!」


 光りが飛んで来た方には魔導飛空艦リュビナイトが向かって来ている。

 デザートピートの数匹は吹き飛び、残りは砂に潜り逃げていった。


「お兄ちゃん大丈夫!?」

「ケンジさん! 皆さん大丈夫ですか!?」


 ……助かった……。


 アンを急いで救護室に連れて行き、デザートピートの毒は何とかなるらしく一安心だ。

 ただ、アンのスライムは毒に侵されてしまって危ないらしい….…。


「よく俺達がわかったな」

「リューがケンジさん達の場所を見ていてくれたんです」

『それ程離れていなければケンジ様の場所ならわかります』

「そうか、助かったよ.……。 それじゃアンを頼む」

「ケンジ何処に行くの?」

「ショウザの所にな。 ちょっとシめてくる」

「ご主人様、私も行きますにゃ」

「いや、レアは皆んなを頼む」

「……わかりましたにゃ」


 俺はリュビナイトを降りて、トレドの村に向かった。

 俺達を囮にしたショウザに一発ぶん殴って、依頼料は倍もらってやる!

 読んで頂きありがとうございます。

 次話も頑張ります!

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