七十四話 【四人の旅路】
エイル達はケンジ達の元へ向かう為に、チケット代を稼いで向かう事にした。
チケット代を稼ぐ依頼でサンドスコーピオン討伐の際に、フランが魔法を使用し倒れてしまったが、フランが人造人間である事がわかる。
「結構大きな魔導航砂船ね」
「これでケンジさんの所へ向かうんですね」
「ここから二日でファブルの町……」
「楽しみだな〜」
すっかり元気になったフランはワクワクしている。
もう一人、ワクワクしている人もいる。
「さあ、乗りましょう」
エイル達は魔導航砂船へ乗り込んだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「ここの通路は長いですね」
俺、レア、マブルさんは光り輝いた壁の中に入り、照明で照らされた通路を突き進む。
「……うむ……、しかし……これは……」
マブルさんは通路の壁を触り、調べながら歩いている。
「マブルさん、この壁がどうかしました?」
「……うむ、この壁なんじゃが、金属で出来ているのか、石なのか、材質がわからん……」
成程……、確かに金属っぽいが、違う感じもあるな……。 マブルさんにわからなければ俺には到底分からない。
長い通路をマブルさんの調べる速さで進む。
この長い通路には所々壁に絵が描かれている。
その絵も調べながらなので、一日経ってしまったようだ。
「なあレア?」
「なんでしょうか?」
「レアはこの場所の事はわからないか?」
「残念ですが、私にもわかりません。 ですが、この奥に何かあると言うのはわかります」
「なにがあるんだ?」
「そこまではわかりません」
レアにとっても初めての場所だ。 塔でパワーアップして知識が増えてもわからないのなら奥まで行ってみるだけだ。
通路の奥はまで行くと、行き止まりになっている。
「ご主人様、この壁に触れてみてください」
「わかった」
壁に手を触れると、壁がシュッ! と音を立てて開く。
中は広そうだが暗いな……。
そして俺達はその暗い部屋に入る。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「風が気持ち良い〜!」
エイルは甲板で長い髪をなびかせながら砂漠の風を感じている。
エイル達は依頼でジルを稼いだので、少し高めで綺麗な魔導航砂船に乗っている。
「ほら、アンもこっちに来てみなさいよ」
「……私はここでいい……」
アンはベンチに座ってスライムを抱えている。
一方ルルアとフランは魔導航砂船の中を二人で探検中だ。
「あ! あれって砂鯨じゃない!? 珍しい魔生獣が見れた! アン! 見て見て!」
「……ここからでも見えてる……」
砂鯨は海の鯨より岩肌で細長い。
それでも体長は大きく、いつもは砂の中にいるので滅多に砂上に出てこない。
エイルとアンはそんな景色を楽しんでいる。
「あ〜、楽しかった!」
「私はもう少し見たかったな〜」
「でもそろそろエイルお姉ちゃん達の所に戻らないと」
「そうだね」
ルルア、フランと合流し、一度部屋に戻って買ってきた昼食を食べながら魔導航砂船での出来事を話す。
エイルは砂鯨を見た事、ルルア、フランは魔導航砂船の色々な部屋。
残念ながら機関部には入れてもらえなかったなど、話し始めている。
そしてまた各自、思い思いに魔導航砂船を満喫する。
一日目の夜、夕食は食堂で食べる。
この地方でしか食べられない、【サンドスコーピオンの爪】【サボテンのジュース】【ニードルフィッシュチップス】などを堪能した。
二日目も順調で、無事にファブルの町へ到着する。
「エイルさん、ここから遺跡までどうやって行くんですか?」
「そうね、遺跡の事を知っていそうな人を探してみましょう」
「……私も探してくる……」
「あ! ちょっとアン!」
アンはさっさと何処かへ行ってしまった。
「仕方ない。 私達は一緒に探しましょ」
「はい」
「うん」
ファブルの町は大型と中型の魔導航砂船の発着場と、サンドボードが並ぶ小さな砂港がある。
「僕あれに乗ってみたい!」
フランはサンドボードに興味津々のようだ。
「今はダメよ。 遺跡の場所を知っている人を探さないと!」
「私も気になるからケンジさん達と戻って来たら乗りましょう!」
ルルアは原理こそ知っているが、乗った事は無い為、気になっているらしい。
「この辺りにはいなそうね……」
町の人に遺跡について聞いて回るが、知っている人はいない。
そこにアンが戻って来た。
「アン! どうだった?」
「……知っていそうな人は見つけた……、でも、何者かに襲われてる……」
「え! それなら早く助けに行かなくっちゃ!」
アンの案内で向かった先には黒いローブを来た連中が、髪を逆立てた人を連れ去ろうとしていた所だった。
「待ちなさ〜い!!」
エイルは黒いローブの連中に声をかけた。
「……誰だ!」
「私は……、……せ、正義の味方よ!!」
「……、……」
「エイルさん……」
「エイルお姉ちゃん……」
「だ、だって、ガルなんて言えないじゃない!」
ルルアとフランにこそっと話しをしていると、黒いローブの連中は一人を残して走って行った。
「あ! 待ちなさい!」
「邪魔者は殺す!」
黒いローブの者がエイルに向かってくる。
「え、え! えーい!!」
エイルは咄嗟に魔導銃を黒いローブの者に放ち、黒いローブの者は吹き飛んだ。
「早く追わないと!」
エイル、ルルア、フランが急いで追うと、黒いローブの連中はアンに倒されていた。
「良かったです……」
「さすがアン!」
全員を縛り上げ、放置しておく。
かまっている暇は無い。
白髪の逆立った人を助け出し家まで送る。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫」
「なんで攫われたりしたんですか?」
「奴らが急に家に押し入ってきて、遺跡の場所を教えろ! と脅して来るから、知らんと断ったら攫われてな……。 危ない所助かったよ」
「あの連中も遺跡を?」
「そのようだ。 どうせまた遺跡を荒らしてレリックを盗もうと言う連中だろうよ」
「そうですか……、あ、まだ名乗っていませんでしたね。 私は守護盾のエイル、こちらはルルア、アン、フランです」
「ワシはモンド。 ん? ルルア? もしかして、マブルさんのお孫さんか?」
「はいそうです。 お爺ちゃんをご存知なんですか?」
「古くからの付き合いがあってな。 そうか、お孫さんか。 もしかしてマブルを追って来たのかい?」
「そうです」
「そうか、マブル達は少し前に遺跡に行ってしまったが、まだ戻って来ていないようだ」
「遺跡への行き方を教えてもらえませんか?」
「マブルのお孫さんなら良いだろう」
モンドさんに地図を書いてもらい、遺跡まで行ける船を探す。
すると、前に同じ場所に行った三人組を案内したと言う船の船長さんに会う事が出来た。
「なんだ、お前さん方もこの場所に行きたいのか?」
「はい」
「あんな場所に何かあるのかねぇ? ま、良いか。 迎えも込みで一人二千五百ジルで四人なら一万ジルだな」
「え! た、高い……。 一万ジルですか……?」
「明日の早朝で良ければ四人で八千ジルに負けてやるよ」
「それでお願いします」
モンドさんの家に戻り、明日出発を伝え、家で泊まらせてもらった。
そして次の日、早朝から船長の船に乗せてもらい、ケンジ達三人が降りた場所に向かった。




