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黎明の錬金技工術士《アルケミスター》と終焉の魔導機操者《アーティファクター》  作者: かなちょろ
第四章 【砂漠の遺跡】

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六十八話 【風土病】

 度重なるフラグを回避して、魔生獣に遭遇する事無くヘイトルーガ近くの岩場に到着した。


「サンドフィッチャーをここに隠して、ここからは歩いて行くぞい」


 マブルさんは岩場にサンドフィッチャーを止め、岩場の影に隠して置いて置く。


「よし、完了じゃ。 準備は良いかの?」

「はい」


 俺の分のアイスローブをフランを渡し、ヘイトルーガまで歩き始める。


「なんでサンドフィッチャーでヘイトルーガまで行かないの?」

 エイルはマブルさんに理由を聞いている。

 多分暑くて歩くのが辛いんだろうな。

 他の皆んなもアイスローブが無ければかなり辛いだろう。

 

「こちら側からだとヘイトルーガまでは行けんのじゃよ。 砂海(さかい)が無いのでな。 それにその辺に放置も出来ん。 じゃからこうして悪戯されん用に隠して置くのじゃよ」

「そう言う事なら仕方ない。 エイルも頑張って歩こうな」

「……りょうか〜い」


 もう少しでヘイトルーガに着く前に、フランが暑さでダウンしてしまい、背負って行く。

 やはりフルスレイグ育ちは寒さに強いけど、暑さには弱いのか?


「ねえレア〜」

「私も暑いので背負う事は無理ですが、エイルさんなんですか?」

「…………なんでも無いです……」

 

「お爺ちゃん大丈夫?」

「わしは平気じゃ。 ルルアこそ平気かの?」

「うん。 平気だよ」


 皆んな結構疲れてしまい、今魔生獣に襲われたらと思ったが、無事にヘイトルーガに到着した。


 治安が良くないと言われていたヘイトルーガだが、そう見え無い程、綺麗な国だった。

 活気は今までの国では一番だろう。

 ほとんどの人が色々な種類のアイスローブを被り、女性は口元を隠しているので、素顔が分かりづらい。


 町探検は後にして、まずは宿で休もう。

 マブルさんの要件も気になるが、まずはフランを休ませないとな。


「フランを少し休ませたいので、まずは宿を探しましょう」

「それならわしが良い場所を知っておるぞ」


 マブルさんが知っていると言う中央から少し離れた場所の宿に案内された。


「こ、ここですか……?」


 結構……いや、かなり大きい建物だけど……、こんな宿に泊まったら一体いくらかかるんだ……?


「ほれ早よせんかい」

「で、でも……」

 俺が少し躊躇していると、フランの息が荒くなっている事にエイルが気づいた。


「ケンジ! フランの容態が!」

「それはいかん。 早くベッドに寝かせるのじゃ」


 宿代を気にしてはいられない。 早くフランをベッドに寝かせて様子を見ないと!


「わしが話しを通して置く。 ケンジさんは五階の五〇五号室に! 他の者は五〇六号室じゃ!」

「でも鍵が!」

「ほれっ!」


 マブルさんは受付から素早く鍵をもらうと、俺とレアに投げてきた。


「助かります!」


 五〇五号室に入り、フランをベッドに寝かせると、マブルさんの所に残っていたルルアが、水を入れた桶とタオルを持って入って来た。


「ルルア、助かる」

「うん……、でもフラン君大丈夫かな?」

「大丈夫さ」


 うなされているフランは皆んなが交代で見る事になる。

 マブルさんが見た所、恐らく風土病にかかったのだろうとの事だ。

 幸い薬はこの宿にあり、直ぐに飲ませる事が出来たので、二、三日すれば目が覚めるだろうとの事だ。


「マブルさん、何から何までありがとうございます」

「なに、かまわんよ」

「しかし良くフランの容態が分かりましたね?」

「昔の、ヘイトルーガに来ていた時、わしの娘も同じ風土病にかかった事があっての……、だから直ぐわかったんじゃよ。 それ以来ここには薬を置いていての」

 マブルさんの娘さんと言う事はルルアのお母さんか……。


「この宿はマブルさんのお知り合いの方が経営してるんですか?」

「そうじゃのう……、この宿は元々わしらが暮らす予定の場所じゃったんじゃが、結局使わなくなっての。 じゃからこの場所はヘイトルーガのガル支部に貸しておるのじゃ」

「え? ここガル支部なんですか?」

「ガル支部兼宿屋ってとこじゃの」


 だから話しが直ぐに通ったのか。


 フランの事はエイルに見てもらい、レア、ルルア、何故かアン、俺はマブルさんの話しを五〇六号室で聞く事にした。


「ここヘイトルーガ王都から【デザートシップ】に乗って、町を二つ越えた先で新たに遺跡への入り口が見つかっての。 中に入った者の話しでは直ぐ行き止まりになっていて、何も無かったとの事なんじゃよ」

「その遺跡を調べに行くために俺を呼んだんですか?」

「そうなんじゃよ」

「マブルさんの頼みなら勿論構いませんが、今はフランの容態が気になりますから……」

「それならフランさんの事はエイルさんとルルアに任せるのはどうですか?」


 レアが提案する。


「エイルさんとルルアなら安心して任せられます」

「そうだな」

「そうじゃのう……。 薬も飲んだし、安静にしていれば大丈夫じゃろう。 フランの事は二人に任せて調べに行くとするかの」

「ルルアも来たがりませんか?」

「元々ルルアとフラン君にはここで待っててもらう予定じゃったからの」

「そうでしたか」


 後でルルアに文句言われないと良いけど……。


 今後の予定が決まり、今夜は俺がフランを見ている。


「お兄ちゃん……」

「どうした?」

「胸が苦しいからさすってよ」

「……フラン、この病は胸さすっても意味ないぞ。 背中ならさすってやる」

「バレたか……、なら背中さすってよ」

「仕方ないな」


 フランに上着を脱いでもらい、うつ伏せでベッドに寝る。

 フランの白く華奢な身体にエイルから渡された塗り薬を背中に塗ってあげる。


「んっ、 冷たい……」

「ご、ごめん。 でもエイルが錬金して作ってくれた薬だから効くとは思うぞ」

「そっか……」

「よし、後は薬を飲んで寝るんだぞ」

「お兄ちゃん、口移しで飲ませてよ」

「ダメに決まってるだろ」

「そんな照れなくても良いのに。 ま、僕可愛いから仕方ないかあ」

「はいはい、そうだな。 今夜は見てるから早く寝るんだぞ」

「は〜い……」


 フランの事を見ながら椅子に座って寝てしまった……。


 朝目が覚めると、俺はベッドに寝ていて、アンがフランのベッドに横たわって眠っていた。


「アン?」

「……ん……、おは……」

「なんでアンが?」

「……今日から遺跡に向かうんでしょ……?」

「そうだよ」

「……私はここで三人の護衛をしてる……」

「一緒に来ないのか?」

「……私が行っても意味が無い……から……」

「そうか、なら三人を頼む」

「……わかった……」


 エイルとルルアにはマブルさんが昨日のうちに説明したが、ルルアは駄々をこねたらしい……。

 でもフランの事を見ていて欲しいと言ったら、納得してくれたらしい。

 ルルアはフランを弟のように見てるからな。


「準備は出来たかの?」

「はい」

「大丈夫です」

「ではデザートシップに乗って【ファブルの町】に向かうぞい」

「デザートシップはマブルさんのサンドフィッチャーとは違うんですか?」

「まあ見てのお楽しみじゃ」


 マブルさんに案内され、ヘイトルーガにあるもう一つの港、砂海(さかい)が広がる場所には大型の魔導航砂船(まどうこうさせん)がある。


「これが魔導航砂船(まどうこうさせん)のデザートシップ……」

「どうじゃ? びっくりしたじゃろ? ここから先はこの大型の魔導航砂船(まどうこうさせん)に乗って行くのじゃ」


 サイズはマブルさんのサンドフィッチャーより大型だ。 だけど中は結構古臭い。

 それでもこの広大な砂海(さかい)を進む姿は雄大だ。

 俺達は遺跡を目指してデザートシップに乗り込んだ。

 読んで頂きありがとうございます。

 次話も頑張ります。

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