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六十三話 【暑さ対策】

 やっとハバルの町に到着した俺達……。

 暑さで皆んなかなりダウンしてる。

 町を探索する前に宿で涼まないと駄目だな。


 ハバルの町は遠くから見ていたよりも綺麗で活気のある町だ。

 建物は土壁を使っているのか? 独特だけどこれが異国ってやつだ。 と、楽しむのは後にしとかないと。 宿を探すか。

 宿は目立つ建物となっていたので、すぐに見つける事が出来た。


「はぁ~……、す・ず・しぃ〜……」

「生き返ります」

 

 宿の中は外の気温とは大違いでかなり涼しい。

 ただ宿代がヴァルスケンより高い!

 ガル支部に行ってジルを下ろして来ないとな。


「皆んな聞いてくれて、まずはこの暑さ対策をしてからマブルさんを探そうと思う」

「さすがご主人様です」

「それが良いかも知れません」

「この暑さは早くどうにかしないとだね」

「それじゃ買い物に行かないとな」

 

 何か対策出来る物が売っていれば良いけど……。


「そうですね」

「買い物しないとですよね」

「外は暑いからね〜?」

 

 三人はニコニコしながら俺を見つめている……。

 え? そう言う事?


「……本当に暑いな……、人造人間じゃなかったら俺も参ってたかも知れん」

 

 三人に笑顔で見送られて何か無いかと町の道具屋を探している。


「……いくつか見たが暑さ対策の道具って売られて無いんだな……」

 

 道具屋を回っては見たものの良いものが無い。


「ガル支部をあたってみるか……」

 

 暑さ対策の為に何か良い案を教えてもらえるかも知れないからな。

 ガル支部を探しながら、暑い町を探索する。


「ここか」

 

 ヘイトルーガのガル支部は本部に負けない程の大きさだ。

 中には見た目怖そうな人達が十数人。

 種族も様々だ。


「ねえ〜、お姉さ〜ん、お願いだよ〜」

 

 一人の子供が受付のお姉さんに何か頼み込んでいる。


「駄目です! そう言う事はお答えできません!」

「ね〜、ね〜、ちょっとだけでいいから〜」

「何度聞かれても駄目です!」

 

 声からして女の子か?


「どうしたんですか?」

 

 なかなか引き下がらないその子に受付のお姉さんが困っていたので声をかけてみるか。


「いらっしゃいませ。 ご依頼ですか?」

 

 お姉さんは声をかけた俺にすぐに対応してくれる。


「いえ、俺はガルです。 何かあったのかと思って声をかけさせてもらいました」

「あ、ガルの方でしたか。 ヘイトルーガ支部は初めてですか?」

「はい、さっき着いた所です」

「でほ、初めまして。 私はこの支部担当の【リューリ】と言います。 よろしくお願いしますね」

「こちらこそです」

 

 俺とリューリさんが話し始めると、子供はガル支部から出て行った。


「……え! もしかして、アームダレスの王女様を助けたケンジさんですか!?」

 

 リューリさんの声に他のガルの人達がザワつく。


「ごめんなさい。 つい興奮して……」

「良いですよ。 それよりさっきの子は?」

「あ、……あー!」

 

 リューリさんの大声でびっくりした。


「すいません! あの子、ケンジさんの事を聞いてきたんです」

「俺のこと? なんで?」

「なんでも助けてもらったからと……。 でもガルについてはお答え出来ないので、毎回断っているのですけど……」

 

 助けた? 俺が? そんな記憶無いけど……??


「それなら、直接本人に聞いてみたらどうですか? 多分また来ますよ」

「そうしてみます」

「それで今日は依頼受けに来たんですか?」

「いえ、ここヘイトルーガがこんなに暑いとは思って無かったので、何か良い暑さ対策を教えてもらえればなと思いまして」

「そうですか……、それなら武器屋に売っている【アイスローブ】はどうですか? ちょっとお高いですが、暑さに慣れていない方は必需品ですよ」

 

 暑さ対策は道具屋じゃ無くて、武器屋の方だったか……。


「アイスローブですね。 買うのにジルを下ろしたいのですが?」

「わかりました……、あら? ケンジさんのランクって【シルバー】なの?」

「そうですが……?」

「へんねえ……、ちょっと確認しておくからまた来てくれるかしら?」

「……? わかりました。 あ、俺の仲間でもう一人ガルがいるので、今度連れてきます」

「そのガルはエイルさんって方かしら?」

「そうです」

「わかったわ。 今度一緒に来て下さいね」

 

 リューリさんと話し終えてジルを受け取り、ガル支部から出ようとすると、見た目怖そうな人達から声をかけられた。


「おい! あんた!」

「はい? 何でしょう?」

 

 冷静に対応しようとするが、内心ビビってます。

 見た目怖い人は苦手なんだよ……。


「あんたが()()ケンジさんかい?」

 

 ()()とはなんだろう?


「あのとは何でしょう?」

「リューリさんとの話しが聞こえちまってな。 アームダレスのお姫様を助けたってのは本当かい?」

「ええ……、一応……」

「……なるほどな……」

 

 するとその男性はいきなり立ち上がると、周りのガルに向かって話し出す。


「皆んな聞いてくれ! この兄ちゃんが()()成金野郎のガスパからアームダレスのお姫様を助け出したケンジさんだ! 俺はこの兄ちゃんが気に入ったぜ! 皆んなもそうだろう!!」

「「おーー!!」」


 なんだなんだ!?


「なあ兄ちゃん、っと、ケンジさんだったな。 今夜【ベノムドランク】って酒場に来てくれ。 俺達で歓迎するぜ! もちろんお仲間も大歓迎だ!」

 

 いきなりの事だが、どうやら歓迎はされたようだ。 せっかくの歓迎なら行かないとな。


「わかりました。 よろしくお願いします」

 

 凄い体に悪そうな店名の酒場だけど、皆んなに説明して今夜は酒場に行ってみるか。


 ガル支部を出た所で、さっきまでリューリさんと話しをしていた子供が俺が出てくるのを待っていたようで、声をかけてきた。

 読んで頂きありがとうございます。

 次話も頑張ります。

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