四十七話 【黄金の天秤】
ガスパに嵌められ、三人を賭けの対象とされてしまった。
助けるにはガスパを倒すしか方法が無い。
俺の攻撃はドーム場の黄金のバリアによって阻まれ、ガスパはストーンゴーレムを呼び出すが、そのストーンゴーレムはあっさりと倒し、ガスパに斬りかかった。
「これで終わりだ!」
俺の剣は金色に輝くバリアに阻まれた。
「ひょっひょっひょっ! 無駄じゃよ。 ほれ見てみい」
ガスパが指差すと、ストーンゴーレムが元に戻っている。
さっき倒したはず! ……ならもう一度倒せばいい!
俺は剣を振いストーンゴーレムを切り刻む。
そしてガスパの方を見ると、黄金の天秤に袋に入った金を積むと天秤がカタンと傾き、ガスパの周りに金色のバリアが現れるとストーンゴーレムが再生して行く。
「どうなってんだ!?」
「ひょっひょっ! 説明してやろう。 この黄金の天秤はゴーレムを召喚する。 しかもただのゴーレムでは無いぞい。 ジルを積めば積むだけ強くなるんじゃ! そしてゴーレムを倒さねばワシを攻撃する事は不可能。 まさにワシの為のアーティファクトじゃあ!!」
ジルを積めば積むだけ強くなるだと!
大富豪のガスパなら多少のジルを積んでも痛くも痒くも無いだろう。
確かにガスパの為のアーティファクトってやつか。
それなら……。
「何度だって倒すだけだーー!!」
再生したゴーレムを何度も倒して行く。
ゴーレムはガスパがジルを積み再生されると、少しずつ強くなっている感じがする。
そして、何度目かの再生でゴーレムのに赤い一つ目、背中から腕が二本生え、腕が四本になる。
動きは早く無いが、二本の腕だけ注意して戦っていると、背中の攻撃が躱しきれず、なんとか防御するものの、吹っ飛ばされた。
「ぐっ……、どれだけ懐にジルを持ってやがる……」
ニヤニヤ笑っているガスパを見ると、「説明してやろう!」 と喋る気満々で前に出て来た。
「ワシのこの服は特注品でな! 懐のポケットはワシの大金庫へと繋がっておる。 つまり、大金庫のジルが空になるまでゴーレムの再生と強化は可能と言うわけじゃ! ひょーっ! ひょっひょっ!!」
「その大金庫、空にしてやるぜ!」
「ワシと戦う奴らは皆そう言うが、勝てた者はおらん!」
そうか、前にレアが調べた開かない扉が大金庫だったか!?
「……あの天秤もしかしたら【レリック】かも知れません!」
今まで考えていたルルアが身を乗り出して叫ぶ!
「レリック……、ケンジ大丈夫かしら?」
「ご主人様なら大丈夫です。 あんな物に負けませんよ」
三人は俺を応援してくれている。
ゴーレムの四本腕から繰り出されるラッシュは避けるだけで精一杯。
だが逃げながらガスパまで誘導する。
「お、おい、こっちにくるじゃない!」
「ゴーレムに言ってくれ!」
そのままゴーレムを誘導して、ゴーレムのラッシュ攻撃をガスパにぶつける。
ゴーレムの攻撃で土煙が舞う。
土煙からゴーレムが飛び出し攻撃してくる。
ガスパはバリアに守られて傷一つ無い。
「驚かせおって……」
やはりゴーレムを倒した瞬間、ガスパを攻撃するしか無いか……。
だが、ゴーレムはガスパのバリアを攻撃して後ろの腕が一本砕けている。
素早さでゴーレムを撹乱し、足を攻撃する。
ゴーレムはバランスを崩して倒れる。
チャンス!
ゴーレムを後ろから叩き斬ると、崩れた。
そのままガスパまで走る。
が、既にガスパは天秤にジルを積んでいた。
再生したゴーレムは体が大きくなり、赤い目は俺の動きを追うように動く。
大きくなった分、スピードは遅くなるが、手が変化し鋭い刃と変わる。
この位のスピードなら捌くのは難しく無い。
ゴーレムの刃を捌き、赤い瞳に剣を突き刺す。
これで崩れ落ちるが、ガスパがジルを積みゴーレムがパワーアップして再生する。
また腕が四本のゴーレムかよ!
腕が全て刃となる。
剣で防ぎゴーレムの攻撃を掻い潜ると背後に周り斬りかかる。
だがゴーレムの肩、背中から棘が出現する。
突然の出現で腕、足に突き刺さってしまう。
「ぐわっ!」
地面に転がり、ゴーレムの刃での追い討ちを躱す。
転がりタイミングを見て態勢を整える。
ラヴィンに比べたら遅い!
ゴーレムの刃を全て砕き真っ二つにする。
瞬間、ガスパにダッシュするがやはり間に合わない。
「なかなかしぶとい……。 だが、次のパワーアップしたゴーレムならどうじゃ! こいつを倒した者はおらん。 お前は倒せるかな?」
ゴーレムは俺と同じ位のサイズになると、全身が黒くなり赤い目は二つとなる。
ガチャガチャと音を立ててゆっくりと歩いてくる。
そして更に金属音を鳴らし、走り出して向かって来た。
俺の剣はゴーレムの体に弾かれた。
こいつ、ストーンじゃ無くてアイアンゴーレムに変化してるのか!?
全身鉄なのにスピードが上がっている!
その拳は地面をえぐり、風を切る。
俺と同等のスピードだ。
しかもパワーはあっちの方が上か。
押され始めている俺を見てガスパは笑っている。
「ひょーっひょっひょっ! ゴーレムよ! さっさと殺せ! もうすぐ……、もうすぐあの娘達がワシの物になるのじゃあああーー!」
ガスパは勝ちを確信したのか、皆んなに聞こえるように叫んでいる。
「なるわけないでしょ!」
「当然です!」
「ご主人様以外の男に尽くすつもりはありません!」
三人はその辺にある物をガスパに向かって投げ込んでいる。
バリアで弾かれてるけどな。
でも、確かにこんな奴に渡すつもりは……ないっ!
防戦一方だったが、アイアンゴーレムに反撃開始だ!




