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DAY 50-1

 記憶は多少、回復の兆しが自分でも分かる程度には回復した。


 今城全体に鳴り響いている鐘の音は、パパが帰ってきた事を知らせる物。


 ママと共にパパの座る玉座の間まで行き、扉を開けると、複数の魔族たちが既に中へ入っていて、一斉に視線がこちらに集まった。

 中にはやはり天使であるママを良く思わない奴が睨みを効かせていた。

 そしてその隣に立つ私にまで、殺気立った視線を向けている。

 私に似た面識のない魔族がママの隣に並んで歩いているのだから、それぐらいあって当然だろう。


 臆す事なく複数名の魔族の間を割って入り、パパの帰りを待つ。


 少しの沈黙の後、パパはすぐに帰ってきた。

 パパはいつも何処からともなく現れては玉座に座り、魔族の報告を長い時間聞いていた。

 遊び相手になってくれたのは片手で数えられる程度。

 その度に私の教育係だったアーガルミット、アルが代わりに遊んでくれる。

 蘇っていく記憶を辿りながら、パパの姿を眺める。


 ギガント族にも劣らないとても大きな身体に大きな角。

 配下の前では決して崩さない獰猛な顔つきや立ち振る舞いは他者を圧倒させるには十分な物だ。


 威厳のあるオーラを感じながらも、私はパパに話しかけてみる事にした。

「お、お帰りなさい、パパ」

 開口一番で失態に気づく。

 素性も何も名乗らないでいきなり「パパ」と迎えこんでしまった。

 器の大きな人だけど、これは流石にやらかした。隣でママも苦笑を浮かべてこちらを見つめている。

 背筋が寒くなる思いを抱えながら慌てふためいていると、すぐにママが加勢してくれた。

「パパ、このお方は⋯⋯」

「ああ、分かっておる」

 パパは表情一つ動かさず即答した。

 今から殺されるのだろうか、私⋯⋯。

「す、すみません、名乗りもせず⋯⋯わ、わ、私は、べ──」

 最後まで言いかけたタイミングで、パパに静止された。

 疑問が宙を浮きながらも、パパが口を開くまで待った。

「⋯⋯全ては予言通り、という事なのだな⋯⋯知っておる。が、その前に他の魔族は去れ、二人と話がしたい」

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