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DAY 42

 アルターに到着するまでは数日かかります。

 それに加えてベレスはあまり姿を晒してはいけない身。安易に外に出る事も叶いません。

 なので今日も自分の部屋で、カロンと共に時間を過ごすだけ。


「ただジッとしてても仕方ないので、魔法を出す練習くらいはしておきましょうか、ベレスさん」

 カロンの提案により、ベレスは光魔法を少しでも扱えるように練習していました。


 今のベレスはせいぜい手のひらからホタルのように光らせる程度、それでは足りないとカロンは首を横に振ります。


 魔法の練習が終わればカロンとの会話で時間を過ごします。

「光魔法、少しは自分の物に出来てきたんじゃないですか?」

「うん、少し馴染んで来てるかも」

「頼みますよ〜? ワタシにはその光魔法の力が必要不可欠ですので、本番で上手く使えないなんて事は無いようにお願いします」

「そういえば聞いてなかったけど⋯⋯光魔法をどうしたいんだ?」


「アルターに着いてから説明しますよ、少なくとも船で話すような軽い内容ではありません。安心して下さい、ワタシの用が済んだら次は貴方に付き合いますから」

「そっか⋯⋯ママ、生きてるのかな⋯⋯」


「村での魔族の一言、やはり気になりますか? まあ、唯一ベレスさんの事を知る手がかりかもしれないですからねぇ」

「アイツらは、パパは私と一緒にママも眠らせたって言ってた⋯⋯もしかしたら、何処かでママは生きてるのかも」

「う〜む⋯⋯すぐに殺してしまったのは少し惜しかったような気がしてきました。生きていれば、もう少し詳しい話を聞き出せたでしょうね」


 カロンは首を傾げると、少し後悔した表情を浮かべながら近くの椅子に腰を掛けます。

「昔のことが分かれば良いけど、私も、そんなに覚えてないから⋯⋯」

「つまり当時の記憶が明確になれば、貴方の生きる目的も、少しは明瞭になりますねぇ⋯⋯おや?」

 

 会話中、上の方から複数の声が聞こえてきました。

 二人は会話を止め、耳を凝らして話し声を聞いてみることにしました。


「私は勇者の生まれ変わりだ! この通り、昔の勇者と同じ額に紋章のアザがあるのだ! どうだ? 私と共に旅をしてくれる者はいないか!? 今なら六百エウロからで!」

 勇者を名乗る男の声と共に、複数人の失笑も聞こえてきました。

「嘘つけー!」

「金が欲しいだけだろニセ勇者ー!」

「迷惑だから止めろ馬鹿が!」

 

「見事に否定されているな⋯⋯」

「パソンレイズンの滅亡が全国に広まった影響かもしれませんね。平和な世界に突如起こったこの出来事は悪の根源が復活を遂げたという合図とも取れると、警備国アルターでの知らせがワタシにも届いていましたよ」

「魔族がまたレグメンティアを侵略し始めた⋯⋯そういう事になってるのかな」

「そうでしょうねぇ⋯⋯特に警備国アルターでは、自国の強化から配備された坑道のセキュリティ強化までを既に迅速に行なったのですよ」

「坑道って、荒地の地下に伸びてた機械だらけの道? カロンに騙されたやつだ」

「おやま〜、騙されたとは心外ですねぇ。ワタシもそうですが、人々は基本的に初対面の人間を信じない物なんですよ」

「うっ⋯⋯それは確かに⋯⋯」

「ま、おかげで貴方の行き先が絞れたのですから⋯⋯ポジティブに考えましょうベレスさん」

「うん、そういう事にしておこうかな⋯⋯なあ、今日のご飯、カロンと一緒に食べたい」

「おや、奇遇ですね。ワタシも、ベレスさんとはもっと親睦を深めていく必要があると思っていました。では、今から取ってきますので待っていてください」

「うん。ありがとう、助かるよ」


 こうして会話を繰り返し、二人は船での生活を送りました。

 

 そして一方、世界はじわじわと、ベレスが目覚めてから起きた影響を感じ取ってきているのでした。


     ✳︎


 にっきをカロンにみせたらわらわれてしまった。

 さんざんわらわれたあとは、かきかたをちゃんとおしえてくれた。


 でもきょうもかくことがないから カロンのとくちょうだけかくことにする。


 かみはみじかくてむらさきいろ。

 いつもへんなのをつけてて、めはわからない。

 からだはわたしよりおおきいけどほそい。

 いつもあやしいかんじだけど、はなしてみるとやさしい。


 いつもすらすらってしゃべるから、ときどきわかんなくなる。

 

 そしてなんとなく、わたしににてるきがする。


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