表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/50

DAY 14

 目覚めてからしばらく経ち義賊達に奴隷以下に扱われていたベレスは、義賊達によって外に放り出され、ついに奴隷市に売りに出されてしまいました。


 目覚めてから今までずっとこき使われてきたベレスは外の世界を殆ど知らない為、日に照らされて熱くなる自分の身体に不快な気持ちを抱き、使い果たされたボロ布で必死に自分の姿を覆っていました。

 そんなベレスを買い取ったのは貴族の男。馬車を用意していた彼はベレスをゴミのように中へ投げ入れると、馬車を動かして義賊の主催した市場を去っていきます。

「コイツは魔族の生き残りだ。しばらく奴隷として飼っていたが、用が尽きたので売りに出す事にした」

 そんな義賊の言葉に釣られた貴族の男は少し振り返って、気力を失った、まだ死んでいないだけのベレスに言葉をかけました。

「お前みたいな貧弱な魔族を、地下で宙吊りにして痛ぶってみたかったんだ」

 下衆な笑みを浮かべながら、ベレスを屋敷へと送って行きました。


     ✳︎


 最初に目を覚ました場所の記憶から、自分の視界が逆さまになっている事に気付いたベレス。

 力の限り身体を動かしてみますが、手も足も鎖で繋がれているようで、鉄の音が部屋に響くだけでした。

 しばらくして、部屋に貴族の男が入ってくると、あの時以上の汚い笑みを浮かべながらベレスの背後に回ると、手に掴んだ鞭を力の限り叩きつけ、その快楽に涎を垂らしながら、悦に浸り続けました。


 その時初めて ベレスは鎖に反射する小さな自分の顔を見ました。


 その時初めて ベレスは瞳から出る涙を知りました。


 その時初めて ベレスは憎悪を宿しました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ