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DAY 34

 昔の地図の通りであれば樹林だった場所、ですが少し前に出会ったカロンという少女の言う通り、そこに緑は一つもなく、ただひたすらに岩の壁と砂が舞う荒地に、地面の下に伸びた通路があるだけでした。

「ここを進むのか⋯⋯?」

 通路の入り口には「ここを通るように」と書かれた木の板が刺さっていました。どうやらここが正規の道のようです。

 ベレスは怪しみながらも、地面の下へ足を踏み入れました。中は何人も通れる構造になっているのか、かなり広い鉄の道のようです。

 人工物の道となっていたアルタナ坑道では食料の確保なんかは当然出来ないと進むうちにベレスは悟ります。

 

 鉄の道を歩く中、ベレスは目先の目標について考えていました。

 ここから町に着いたとしても、魔族の自分は怪しまれてしまう。どこか外れの方で何日か過ごす為の場所を確保しなくてはなりません。

 更に食料は町から奪うか、そこら辺で生息している動物を殺して食べるか、それらも考えなくては行けません。

 そして、ベレスにはもう一つ、賊の手かがりを掴む事も考えていました。

 自分を酷い目に合わせた奴らへの報復よりも、メアト達を陥れた事の方を優先していました。魔族の一部を食べる事による人体増強のような物についても知る必要があります。

 

 ベレスが旅をする目標は当分それになるだろう。そう考えながら、坑道を抜けて行きました。


 坑道は途中で道が分かれていたのですが、考え事をして歩いていた為真っ直ぐ突っ切ってしまったようです。

 しかしそれが功を奏したのか、遠くの景色に町があるのをすぐに確認出来ました。

「町の隣⋯⋯小さい森があるな」

 パソンレイズンと比べると小さな町と、そう遠くない場所に森が存在していました。

 暫くはそこを拠点にしてみようと、ベレスは早速森の方へと足を進めるのでした。


     ✳︎


 今日もまた、わたしが罰を受ける番だ。

 

 わたしの通う魔法学校は、全生徒たった四人の、こじんまりとした所。だって世界は何百年も平和なんだもん、魔法なんて、今は世の中の為に扱われる便利な道具と同じ。


 仕事の為に身につける魔法なんて、ちっとも楽しくない。だから、わたしはいつもびりっ尻。昔の時代にいた賢者に憧れて魔法を習う子供は、大人の人から思春期だなんだと笑われちゃう。

 だから、わたしはいつもびりっ尻。

 落ちこぼれの烙印を押されたわたしは罰として、放課後まで魔法の練習。

 町には広い場所が無いから、離れた森の方で、ずっと手のひらから氷を出す練習。ほんとにつまんない。つまんないから、的になる枝を地面に刺して、氷を飛ばす練習にする。

 見つかったって知るか。わたしは賢者に憧れたんだ。攻撃魔法だって、悪い奴らを取っ捕まえるのに使えるだろ。

 

 それに森は、炎の魔法を練習出来ないから尚更クソ。いっそ燃やして、町まで全焼させてやりたい。

「はああー⋯⋯やってらんない。やっぱ炎っしょ。賢者様だって、太陽みたいな大きさの火の玉を魔王にぶつけたって本に書いてあるし、極めるなら炎だよな〜⋯⋯」

 指先からちょろっと出すくらいならバレないし、氷やめて炎練習しよ。

 そう思って、火の玉を手のひらで作る練習を、勝手にやっていた日の事。


 後ろから、全身を布で覆った顔面青ざめた奴がわたしに覆い被さってきたんだ。

「きええええーーー!? ゾ、ゾンビ!? 魔族の!?」

「おなか⋯⋯」

「はあ⋯⋯?」

「お腹すいた⋯⋯りんご⋯⋯」


 これが、わたしと魔族の出会いだ。


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