表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
侯爵令嬢の恋愛結婚  作者: こじまき
それぞれの幸せ
48/49

王太子妃イベリス

イベリス目線に戻りました!

ついに結婚式の日がやってきた。モーディやサラがテキパキと支度をしてくれて、さきほどようやく準備が整った。


オフショルダーにエンパイアラインのウェディングドレス。上半身と裾には、手の込んだ刺繍が施されている。後ろ姿は、長いトレーンが美しい。


「言葉にできないほどお美しいですわ、イベリス様。いえ、イベリス妃殿下」

「モーディ、これからもずっとイベリス様でいいのよ」


目にうっすら涙を浮かべているモーディを見て、私まで何かこみあげてくる。


「モーディ、今日を迎えられたのもあなたのおかげよ」

「そんな!私は何も」

「いいえ、本当にあなたのおかげなのよ。ありがとう。これからもよろしくお願いしますね」

「ええ、イベリス様。ええ、ええ…」


2年ほど前、トバイアス様にもらったアドバイスを初めて実践した相手がモーディだったのだ。あれから私の人生は大きく変わった。ついに堪えきれずに泣いてしまったモーディの手を、私はしっかりと握った。


侍女たちは口々に褒めそやし、式次第読み上げ係のエレアも褒めてくれる。けれど、誰に褒めてほしいかと聞かれたら、やはり…


「イベリス、いいかな」

「ええ、クレイト様。ちょうど準備ができたところでございます」


部屋に入ってきたクレイト様の顔が綻ぶ。


「ああイベリス、想像していたよりもずっとずっときれいだ」

「光栄でございます。クレイト様も普段以上に凛々しくていらっしゃいます」

「ありがとう。イベリスに褒められるのが一番嬉しい」

「私も、同じことを思っておりました。クレイト様に褒めていただくのが一番嬉しいですわ」


見つめあって微笑む私たちを、侍女たちがうっとりと眺めていることに気づき、私の頬は赤くなる。「じゃあ私は先に行くよ。バージンロードの先で待っている」と、クレイト様は私の手にキスをして部屋を出て行った。


王宮の大聖堂の扉が開くと、参列者たちが「ほう」と息をのむのがわかった。バージンロードをお父様と並んで進む。その先にクレイト様。強くて、頼りがいがあって、時々は弱さも見せてくれる、私の愛しい人。微笑みをたたえて待っている。


クレイト様の手を取り、永遠の愛を誓う。大聖堂の出口に向かうために振り返ると、サルトス国王陛下が「新郎新婦に祝福を」と声をあげ、手をあげる。すると、無数の紫の光の粒が降ってくる。「祝福を」とトバイアス様も手を挙げ、青い光。トバイアス様の隣にはアイリシア様がいて、光の粒を見てトバイアス様に嬉しそうに話しかけている。次々に、口々に、あちこちから「祝福を」と声が上がり、大聖堂の中は色とりどりの光で満たされた。


「なんて美しいのかしら…」

「魔法使いの祝福だ」


光の中を出口に向かって進む。


左手にはトバイアス様。いつも優しいお兄様のような方、そして、全てのきっかけをくれた方。いつもと同じ優しい笑みを浮かべている。


トバイアス様の横にはアイリシア様。「魔法は使えないけれど、精一杯祝福しますわ」と笑っている。明るくて、お節介で、いつも背中を押してくれる方。


右手側には、手がちぎれそうなほど拍手してくださっているビオネッタ様。高等部で初めてできた、聡明で逞しいお友達。隣にはカラバス様がいる。


三人がいなければ、今ごろ遠い異国で愛のない結婚生活を送っていたかもしれない。私の人生を動かしてくれたお三方、どうかどうかお幸せに…


声に出ていたのだろうか、クレイト様が「自分の結婚式で、他人の幸せを祈るのか?」と耳元で笑いながら囁く。


「変でしょうか」

「いや、イベリスのそういうところも好きだ。もう一度キスしていいかな」

「ここで、でございますか?」

「そう」


私の返事を待たずにクレイト様が私を横抱きにしてキスをした。「わぁっ!」という歓声があがり、光の粒がより一層強く煌めいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ