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侯爵令嬢の恋愛結婚  作者: こじまき
それぞれの幸せ
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ビオネッタの覚悟

自由に動ける間に友人たちと思い出をつくりたい私は、アイリシア様の写生旅行に同行することにした。ビオネッタ様もお誘いして、三人で。アイリシア様に「もうすぐイベリス様は学校に来られなくなりますから、卒業旅行のようなものですわね」と言われ、少し寂しくなる。


初めて訪れる湖の街、シュバニア。大小多くの湖があり、景色の美しさで人気が高い街だ。私とビオネッタ様は絵はまったく下手なので、写生にお付き合いすることはせず、アイリシア様が集中している時間帯は遊覧船に乗ってみることにした。


これはカラバス様のことをお話するチャンスだ。アイリシア様の前で「叔父様がお母様を好きで」とはさすがに話しにくいから…


意を決して「パヴァロでカラバス様とご一緒されているのをお見かけしましたの」と話しかける。意外にも、ビオネッタ様は驚かない。「カラバス様から伺いました」と言う。デイジー様のことをどうやって切り出そうかと「それで…あの…」と口籠っていると、「デイジー様のことでしょうか?」と言い当てられて、ビオネッタ様の顔を見る。


「それもカラバス様から伺いましたの。きっと、イベリス様が心配して何か言おうとするだろうって」

「じゃあカラバス様とは…」

「お付き合いは続けます。もう好きになってしまったの」

「デイジー様のことを知った上でですの?私、カラバス様があんな状態では、ビオネッタ様が幸せになれるとは思えませんわ。大切なお友達が傷つくのを黙って見ているなんて、とてもできません」


ビオネッタ様は、「イベリス様が本当に私のことを思ってくださっているのはよくわかっております。とても嬉しいですわ」と微笑む。


「でも、私はカラバス様のお言葉を信じてみたいんですの」

「言葉?」

「影を振り切りたい、とカラバス様はおっしゃったんですの。私とならできるかもしれない、と。笑われても、馬鹿だと呆れられても仕方ありませんわ。いつまでかかるかわかりませんし。けれど信じてみようと思っていますの」

「恋の力、でございましょうか…」


「きっと、そうですわね」と笑うビオネッタ様はとても美しくて輝いていて、私はもう反対することができなくなってしまい、「どんなことがあっても、私はビオネッタ様のお友達ですし味方ですわ」と言って、その話題を閉じるしかなかった。

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