はじまりのきっかけ
昼休み
教室の端っこで窓の外を眺める姿に目を奪われる
瞬きの瞬間に消えてしまいそうな儚さなのに、目が逸らさない
私以外今彼のことは誰も見ていないような気がしてしまう
「ねぇ、ご飯どこで食べる?」
声をかけられてハッと意識が戻る
「あっえっと、お弁当持ってきてあるからどこでも」
「そう?じゃあ教室でいいか、私購買行ってくるからちょっとまってて」
「え?ついて行こうか?」
「ついてきたって何にも奢らないよ」
「別に思ってないよ!」
「いいよ、まってて」
手を振りながら教室を出て行く
見送った後に視線を戻したら机に突っ伏して寝ていた
お腹空かないのかな?
確かにご飯食べるイメージは無いけど
もんもんと見ながら考える
彼のことなんて、何も知らないけど