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第41話 剣VS槍

ヴォルフVSウィラス戦です。

 騎士団が競技会を開く。

 その情報は瞬く間に、王宮の中で共有された。

 団内で収める話だったものが、次第に大きくなり、やがて御前試合へと発展する。


 場所は王宮中庭。

 奇しくもレミニアとツェヘスが戦った場所である。


 すでに会場は暖まっていた。

 内乱の処理で忙殺されているにも関わらず、家臣のほとんどが見に来ている。

 ムラド王も一段上がったところで、手を振っていた。

 忙しい日々の中、皆ストレスのやり場を探していたのだろう。

 大声を張り上げ、集まった騎士団たちに声援を送っている。


 興奮しているのは、騎士たちも一緒だ。

 王に日頃の鍛錬を見てもらう絶好の晴れ舞台。

 観客の熱狂的な盛り上がりとは裏腹に、控え室には殺気が立ちこめていた。


 次々と騎士たちはトーナメント戦を戦っていく。

 好勝負もあれば、泥仕合もある。

 それでも家臣たちは声援を送った。


「さて、と……」


 ヴォルフは腰を上げる。

 中庭に内乱の英雄が姿を現すと、ボルテージがさらに上がった。


 相手は偶然にもマダローだ。

 手には真新しいハルバードを握っている。


 鍛錬と騎士団内の序列戦とはいえ、使用されるのは真剣だ。

 勿論、ヴォルフの腰には【カムイ】が差してあった。


「英雄だがなんだか知らないが、客将といえど、手加減はしないぞ」


「ああ。心配するな、マダロー。全力でかかってこい」


 ヴォルフは構える。

 マダローもまたハルバードで空気を切ると、構えを取った。


 はじめ(ヴァルド)!!


「はあああああ!!」


 飛び出したのはマダローだった。

 穂先を前にして突っ込んでくる。

 対して、ヴォルフは柄に手をかけたままだ。

 相手の動きを見極める。


 上半身(うえ)下半身(した)……。


 おそらくギリギリまで悟らせないつもりだろう。


「(だけど、目線でバレバレだぞ、マダロー)」


 ヴォルフは飛び上がる。

 槍がその下を滑っていった。

 1歩前に踏みだした脛を狙ったのだ。

 教本通りの戦い。

 性格には難があるが、意外と素直な人物なのかもしれない。


 うまくバランスを取り、マダローが握るハルバードの刃の上に降り立つ。


 この時、まだヴォルフは刀を抜いていない。

 だが、マダローの顎を蹴り上げるだけで勝負はつく。


「勝負ありだな」


 未熟な騎士から見ても、ヴォルフの動きは洗練されていた。

 あっという間に決着がついたことにより、マダローの表情は強張る。

 だが、客将の言葉に、貴族出身の騎士の矜持に火がついた。


「だから、あんたは田舎者なんだよ!!」


 マダローはハルバードに魔力を込める。

 刃の中にはめ込まれた魔石が光り輝いた。

 雷精を帯び、目の前にいた敵に直撃する。

 たちまちヴォルフは白い煙に包まれた。


 マダローの下品な笑い声が響く。


「げははははは! ばーか! 何が勝負ありだよ」


 舌を出す。

 マダローが持っていたのは、ただのハルバードではない。

 魔法が付加された魔槍の一種。

 もちろん、庶民が買えるようなものではない。


「勝負ありだ。おい。とっとと勝利宣言しろ」


 側にいた審判役にいう。

 だが、審判はマダローを見ていなかった。

 視線の先を追う。それはマダローの背後だった。


「ふぅ。びっくりした」


 声が聞こえる。

 まさか、と振り返ろうとした瞬間、マダローの意識は刈り取られた。

 崩れ落ちた騎士に代わり、ヴォルフが姿を現す。

 手刀を払ったままの体勢で、崩れた騎士を見下げた。


「俺じゃなかったら、勝負はついていたかもな。だが、相手が悪かったな。最初の下段突きは悪くなかったぞ」


 気絶したマダローは他の貴族出身者に抱えられ、舞台を退場していった。



 ◇◇◇◇◇



「お! なかなかいい突きだな」


 ヴォルフが褒めたのは、マダローに暴行を加えられていたエルナンスの突きだった。

 ああいうことがあっても、鍛錬は積んでいるのだろう。

 真っ直ぐで良い直突きだ。

 それにエルナンスには上背がある。

 普通の騎士と比べても、そのリーチは深い。


 だが――。


「うわあああああ!」


 あっさり接敵を許す。

 懐に潜り込まれると、エルナンスはただ慌てて腰を引くしかなかった。

 ロングソードを持った騎士に脇腹を斬られる。

 幸い鎧の部分であったため大事には至らない。

 しかし、戦意喪失するには十分な状況だった。


 ぺたりと尻餅をつく。


「参りました……」


 エルナンスは項垂れ、あっさり負けを認めた。

 脇腹の辺りを抑えながら、とぼとぼと演武台から降りていく。


(惜しいなあ……)


 ヴォルフはその後ろ姿を目で追う。


「次、セラネ・レヴィタン」


 聞き覚えのある名前に、ヴォルフは反応する。

 正面を見ると演武台に、黒髪の少女の姿があった。

 これから戦うというのに、なんの気負いも感じられない。

 むしろ、やる気があるのか心配になるほどだ。


 対する騎士はかなりの大柄だった。

 背丈こそエルナンスの方が高いが、横幅が広く、如何にも力自慢といったタイプ。

 大きな木槌を振り回し、お人形のようなセラネを威嚇する。


「おいおい。いくらなんでもまずいんじゃね」

「手を抜いてやれよ、バーガー」

「セクハラすんじゃねぇぞ!」


 すでに敗退が決まった騎士から野次が飛ぶ。

 バーガーという騎士は「うるせぇ!」と野次を一蹴した。

 そしてセラネを見て、にんまりと笑みを浮かべる。


「心配するなよ。怪我なんてさせねぇよ。だが、ちょっと尻ぐらいは撫でさせてもらうがな」


 わきわきと指を動かす。

 セクハラする気満々だった。

 

 開戦の声が響く。

 両者は構えを取った。

 バーガーは大木槌を肩にかけるように構える。

 対して、セラネはショートソードを正中に構えただけだ。

 やはり、闘気も闘志も感じられない。


「あいつ、やる気あんのか?」


 槍を両肩にかけたウィラスが首をひねる。

 ヴォルフも同意だったが、何故か彼女には目を離せない独特の雰囲気があった。


「おら。こいよ、お嬢ちゃん」


 バーガーは挑発する。

 すると、1歩も動かなかったセラネが動いた。


「むっ!」


 割と速い。

 目を瞠るほどではないが、あっという間にセラネはバーガーとの距離を詰める。

 さすがに予想外だったのだろう。

 バーガーは初撃を大木槌で受ける。


 その後、泥仕合だった。

 バーガーはセラネをなかなか捕らえ切れず、セラネもまた有効打を与えることが出来ない。

 長い仕合は結局判定にまでもつれ、バーガーの勝利となった。


「ヴォルフのおっさん、気付いたか?」


 ウィラスは声をかける。

 横でヴォルフは深く頷いた。


 セラネは技術、力、スピードすべて並かそれ以下だ。

 だが、1つだけ不可解な部分があった。


 彼女の足音が1度も聞こえなかったのだ。



 ◇◇◇◇◇



 決勝はヴォルフとウィラスの対戦になった。


 互いに演武台に立ち、睨み合う。

 ヴォルフは唇を引き締めていたが、ウィラスは笑っていた。


「いつかあんたと戦いたいと思っていたが、こうも早く実現するとはな」


「そうなのか? 俺は別にいつどこでも構わんぞ。まあ、風呂と厠と、あと下着を履き替えている以外の時間にしてほしいがな」


 2人の間にある空気が張りつめていった。

 会場のボルテージは最高潮を迎えようとしている。


 そんな中、テラスにいた王が立ち上がった。

 決勝戦のみ、ムラド王による発声が許されているのだ。


準備(アーレ)……」


 しわがれた玉音が、会場の空気を一変させた。

 息を飲み、静寂が訪れる。

 わずかに聞こえたのは、演武台に立つ2人の衣擦れの音だった。


 ヴォルフはいつも通り、柄に手を置き、沈み込む。

 対しウィラスは槍を巻き込むように腰を捻り、穂先を下段に向けた。


 ムラドは1度、両者を窺う。

 そして白い髭を翻し、言葉を放った。


開戦(ヴァルド)!!」


 飛び出したのは、ウィラスだった。

 持った槍がまるで砲弾のように飛んでくる。

 腰の捻転、さらに腕の振りの速さ。

 すべてを加速の材料に使い、投擲した槍のように接敵する。


「――ッ!!」


 体験したことのないスピードだった。

 瞬間的な速さなら、ルーハスの抜剣よりも速いかもしれない。


 半瞬遅れたが、ヴォルフは【居合い】を抜く(ヽヽ)

 速さに速さしか対抗できないと判断した。


 狙いはウィラスではない。

 飛んできた槍だ。

 その軌道を変えようと、刃をあわせる。


 ギィイイイイイインンンン!!


 鋭い金属音が響く。

 あまりの大音響にギャラリーは一斉に耳を塞いだ。


「ぐっ!」


 ヴォルフの顔が歪む。


 重い……。

 かろうじて槍は弾いたが、今までのどの攻撃よりも重い。

 あのルーハスよりもだ。


「へぇ……。俺の初撃を弾くたぁ。【勇者】に勝ったってのは、ホントらしいな」


 一方、ウィラスは涼しい顔だ。

 ヒュッと空を切り、また最初の構えに戻る。


(あれだ……)


 ヴォルフの視線は槍にあった。

 長槍と刀……。

 どちらが重いかは、見てくれで判断が出来る。

 武器の重量が、そのまま攻撃の重さに繋がっているのだろう。

 わかってしまえば、さほどのことではない。


 ただ1ついえることは、目の前にいる男が、単なる騎士団副長ではないということだ。


「(慢心だな)」


 ヴォルフは己を戒める。

 ルーハスに勝ったという事実が、多少なりとも気持ちを浮つかせていたのだろう。

 だが、世界は広い。

 いや、このレクセニル王国にすら、まだ見ぬ強敵は存在するはず。


 自分の気持ちを新たにする意味でも、この競技会を開いたことは、当たりかもしれない。


「来ないのかい? だったら――」


 ウィラスはまた飛び出した。

 今度は槍を下段にさげたまま突撃してくる。

 身体能力はやはり高い。

 初撃ほどではないが、一気に間合いを制圧してくる。


 フッと風を切った。


 聞こえたのは1音だけ。

 なのに、飛んできたのは三撃の槍だった。

 ヴォルフは捌く。


 リーマット、そしてルーハス戦でも磨いた【パリィ】でしのいだ。


 防戦一方だった。

 だが、ヴォルフは冷静だ。

 しっかり槍撃を見切る。


 思えば、これほど槍使いと濃密に戦った経験がなかった。

 今までヴォルフと戦ってきた好敵手は、剣が主だ。

 槍はまた別の立ち回りが必要になる。

 何せ懐が深い。


 それでもヴォルフはウィラスの呼吸に慣れてくる。

 身体は相手が槍を引くタイミングを計り始めていた。

 刹那の間――。

 ヴォルフはとうとう踏み込む。

 身体をさらに沈みこませ、槍の下をくぐった。


「な!!」


 槍使いの表情が変わる。

 明らかに焦っていた。


 対してヴォルフは100%の力を引き出す。

 ここぞとばかりに、ウィラスとの距離を侵略した。

 だが、はたと気付く。


 伝説(おうごん)の道が見えない……。


 顔を上げる。

 ウィラスの口元が笑っていた。

 罠だと気付いた時には、すでに遅い。


 こめかみに衝撃を受ける。

 脳が揺さぶられ、視界が歪んだ。


「な、にぃ……」


 目の端で捉えたのは、槍の穂先とは逆。

 石突きだ。

 それを辿っていくと、槍を背中と腕ではさみ、身体をねじらせたウィラスの姿があった。


 ぼやけた視界の中で、「うまい」とヴォルフは感心する。


 引いた槍をまた伸ばすのではなく、短く持つように工夫して、即打した。

 ウィラスは待っていたのだろう。

 自分の呼吸を掴み、ヴォルフが懐に入ってくる瞬間を。


 いや、むしろこれはウィラスが強敵と立ち向かう時の必勝のパターンかもしれない。


「悪いな、おっさん。頂くぜ」


 ウィラスは容赦しない。

 足をふらつかせ、半ば死に体になった相手を前にしても、再び初撃と同様の構えを取る。そして己の身ごと発射した。


 相手の意識を刈り取り、無防備になったところでの直突き。


 ここまでが戦術(セット)なのだ。


 ウィラスの槍が伸びてくる。

 それを視界に見ながら、ヴォルフがやったことは自分の腕を切り裂く事だった。


「何をやって――」


 ウィラスが息を飲む。思わず足を止めてしまった

 血迷ったのか……。

 槍を下ろし、血まみれになった客将を呆然と見つめる。


 ヴォルフの目は死んでいない。

 勝利をもぎ取ろうとする狼の如く、鋭く光る。


「(もう……。俺は1敗すら許されんのだ!!)」


 まして今や【大勇者(レジェンド)】の加護を受けている。

 ベストコンディションで負けたとなれば、「娘の【勇者】だ」と、誰が胸を張っていえるだろうか。


「うぉおおおおおおおおおお!!」


 ヴォルフは吠えた。

 痛みのおかげか、随分視界がはっきりする。

 対しウィラスは攻撃を続行した。

 槍が伸びる。


「な、にぃいい!!」


 今度はウィラスが叫ぶ番だった。

 必殺の突きがヴォルフの手によってがっしりと捕まえられていたのである。


「捕まえた!」


「ちぃっ!!」


 ウィラスは反射的に槍を引く。

 それはいつもの行動だった。

 幾千幾万と行った反復だ。


 だが、それが敗因となった。


 ヴォルフは槍を掴んだまま飛ぶ。

 相手の力を利用しながら、ウィラスに接敵した。


「しま――」


 気付いた時には遅い。

 ヴォルフの巨体が真っ直ぐウィラスの頭に飛んでくる。


 ごつっ!


 重い音が響いた。

 肘打ちが、槍使いの眉間に突き刺さった。


先にいっておくと、この章では紅一点のセラネですが、

彼女が活躍するのは次々章の予定です。


つまり、ますます男臭く……。

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