表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

356/374

第331話 神に至りし者

☆★☆★ 第8巻 本日発売!! ☆★☆★


『アラフォー冒険者、伝説となる ~SSランクの娘に強化されたらSSSランクになりました~』

単行本8巻、本日発売です。


あまり原作者の自分がこういうのもなんなのですが、

この8巻のゲラを読んだ後に、「自分史上の中で最高8巻だな」と素直に思いました。

多分ここまで読んでいただいてる読者の中には、1巻から応援いただいてる方がいると思いますが、是非この8巻だけでもいいので、布教いただけると嬉しいです(勿論1巻からでも可!)


タッ公先生の渾身の8巻をよろしくお願いします。


挿絵(By みてみん)

 ハッサルの太い首から鮮血が飛び散る。普通の人間であれば、それだけの血が飛べば、死に至るだろう。しかし、ハッサルの目は死んでいない。舐めるな、とばかりに九尾を振った。


 ルーハスを打ち倒すかと思ったが、横手から影が現れる。


「妾らを忘れておらんか?」


「うちも忘れてるで!」


「私も忘れてもらっては困りますね」


「助太刀いたす!!」


 ヒナミ、クロエ、アンリ、エミリーが飛び出す。さらに続いたのはルネットたち――五英傑だ。


「あたしたちもお忘れなく」


「おらぁああああああああああ!!」


「うららららららららら!!」


 8人はルーハスを打ち倒そうとしてた9本の尾に向かって行くと、それぞれの得意技を以て弾いて見せた。ルーハス自身も最後に残った1本を切り裂く。

 カウンターを食らったのは、結局ハッサルの方だった。


「くぞっ! 貴様ら!!」


 溜まらず、ハッサルは逃げの一手を取る。 その顔には珍しく焦りが浮かんでいた。


「なんでだ? どうして私の予測が外れる? こうもことごとく……」


「ふん。決まっている」


 ルーハスは刀の先をハッサルに向けた。


「お前は人間を舐めすぎた」


「人間を……なめ…………」


「人の人生などままならぬものだ。それが当然のこと。自他問わず、予測どおりに行く道など、どこにもないのだ」


「実感こもってるわねぇ、ルーハス」


 ルネットは腕を組みながら、ニヤニヤと笑う。小さく「黙れ」と怒られていた。


 しかし、もっとも怒りを示していたのはハッサルだ。巨体を揺らし、傷付いた尾をバタバタと動かしながら、つり上がった瞳をルーハスたちに向ける。


「黙りなさい。私の予測はね。あなたたちのような夢や希望といった甘いものではない。決定的な未来の情報なのよ」


「そう思うなら、人間(オレたち)を倒してみろ!!」


 ルーハスを先頭にして、8人の戦士たちは飛び出していく。かつての英雄たち。【剣聖】と呼ばれる少女。復讐に身を焦がした刀士。公爵家の令嬢。天才と謳われる刀匠……。


 それぞれの想いは今1つだけだが、今ここで得物を振るっているのは、1人の男との出会いがきっかけだった。


 ヴォルフ・ミッドレス……。


 それぞれが彼を出発点として、世界を救う戦いに身を投じていた。


「ぎゃあああああああああ!」


 8人の戦士による同時攻撃。

 断続的に続く攻撃に、ハッサルが強奪した完全体の賢者の石(エクサリー)の効果も追いつかない。治しても、傷付けられ、さらに身体を大きくしても、より大きな力で圧倒される。


「何故だ!? 私が何故!?」」


 ハッサルは叫ぶ。

 そこに迫ったのは、ルーハスだった。


「予測はできてもわからないか。あるいは認めたくないのか? 答えは簡単だ……」



 お前が弱いからだ。



 ルーハスの剣から渦を巻いた暴風が立ち上る。すべての魔力を注ぎ込んだ一撃を、ルーハスの頭から叩きつけた。


「ぎぃぃいぃいやあぁあぁああぁああ!!」


 ハッサルの末期の悲鳴が響き渡った。

 まさしく一刀両断された九尾の狐は、暴風に切り裂かれながら咆哮を上げる。巨躯は真っ二つとなり、荒野に沈んだ。


『おおおおおおおおおおおおおおお!!』


 どこからともなく歓声が上がる。

 戦況を見つめていた世界中の強者たちは拍手を送り、8人の戦士を讃えた。しかし、その戦士の顔は浮かない。それぞれの視線は倒れたヴォルフ・ミッドレスに向けられた。


「ヴォルフ殿……」


 いの一番に駆けつけたのは、エミリーだ。恋人ととなったヴォルフを心配する。外傷はレミニアによって塞がれているが、憔悴しきっているのか、その目は硬く閉じられていた。


「エミリー……」


「おお。ヴォルフ殿、意識が……。大丈夫。今、ルーハス殿が仇を討ったでござるよ」


「…………て」


「え?」


「気を付けて」


「それは……」


 次の瞬間、ルーハスたちの背後で殺気が膨れ上がる。同時に大きな影が増殖していく(ヽヽヽヽヽヽ)。言葉通りの意味だ。何かが立ち上がったわけでも、伸びていったわけでもない。影が増殖していく。そのおぞましい光景に、ルーハスたちは一気に表情を引き締めた。得物を再び握り込み、その影の正体を見つめる。


 ハッサルらしきものが増殖を繰り返していた。黄金色の毛は血や汚物でグロテスクに染まり、内臓が何個もできては、皮膚を貫いている。九本の尾は、50本どころか200本以上生まれ、さらに小さな尾が1000本生まれているような状況だった。


 筋肉は肥大を続ける一方、それ以上溢れ続ける魔力を抑えきれず、膨張は続いていく。


 美しさと妖艶さすら兼ね備えた妖狐の姿は消え、ただただ化け物が生まれようとしていた。


 やがて狐の顔の下から生まれたのは、ヴォルフが良く知るハッサルの獣人としての姿だった。


「なんだ、ありゃ?」


 イーニャが叫べば、クロエは口に手を置いた。


「なんやこの匂い……」


「おぞましい……。あれが神代の怪物か?」


「なんと面妖な……」


 アンリとエミリーは目を細めるのだが、ハッサルは違う。狐の顔の下に生まれた表情は恍惚とし、己の姿と言うよりは開放的な力に酔っていた。


「ああ。なんと素晴らしい。復活と再生……。私は至った。これこそが神だと。そう私はついに得たのです。神の力を!!」


「馬鹿野郎! そんなもの神の力であって溜まるかよ」


 イーニャの言葉に、横で聞いていたブランも大きく頷いた。


「わかっていませんね。こういうことですよ」


 突然、ハッサルの巨躯が光り始める。すると背中に無数の穴が開いた瞬間、その奥底で充填された強烈な魔力を解き放つ。


 それは火でも、雷でも、光属性の魔法でもない!


 純粋な魔力が熱を持ち、光すら超える速さで撃ち放たれる。その標的はハッサルの前にいる戦士などではない。


 エミルディアだ。


 すでに地上に激突するまで2時間のところにあるエミルディアに真っ直ぐ向かって行くと、その地上を焼き払った。


 エミルディアの4分の1の土地が真っ赤になり、焼き尽くす。その熱量は凄まじく、ややタイムラグがあってから、熱風がルーハスたちがいるストラバールを襲撃した。


 熱風に加え、その突風が戦場を吹き荒れる。吹き飛ばされそうになったヴォルフを、エミリーが身を挺して守った。


 しばらく立っていることすら難しく、ただ風が収まるのを待つ。やがて立ち上がったルーハスが見たのは、左側が真っ黒になったエミルディアの無残な姿だった。


「なんだよ、あれ……」


「一瞬で……。エミルディアを……」


 イーニャとアンリが息を呑む。


 今までバケモノと呼べる相手とは何度も対峙してきた。しかし、それらが可愛く見えるほど、ハッサルが見せた攻撃は凄まじいの一言であった。


「あはははは! これぞ神の怒り! わかりますか? 虫けらさんたち? 今のがストラバールに向けられたらどうなるか? まあ、そうでなくても、あなたたちはどうせ死ぬ運命ですけどね」


「黙れ!」


 ハッサルが気づいた時には、ルーハスの姿はその顔の裏にあった。剣閃が狼の牙のように銀色に輝く。見事、その首を切り裂いたが、ハッサルはまだ生きていた。正確にいうなら、まだ動いていた。


「キャハハハハハ! 言ったでしょ。もう神様なんですよ、私」


 ハッサルの手がルーハスに伸びていく。手といっても、それは手のように見えるだけだ。その手の先に穴が開くと、ドラゴンのブレスのように輝いた。


「ルーハス!!」


 ルネットが防御魔法を張って、間に入る。

 だが、ルーハスごと2人は光の中に消えた。


「ルーハス!! ルネット!!」


 ブランが大声で叫ぶも、2人から返事はない。


「てめぇええええええええええ!!」


 一方、イーニャは激昂し、得意の鎖を投げる。その先についた大きな鉄塊は確実にハッサルを狙ったが、あっさりと何かの手によって飲み込まれてしまう。


 イーニャは一瞬何が起こったかわからず、「えっ?」と声を上げた。続けてその小さな身が吹き飛ばされる。イーニャを弾き飛ばしたのは、イーニャの鉄塊だった。


「イーニャ!!」


「ブランさん、落ち着いて」


「アンリ……!」


「そうじゃ。ここはも1度妾たちの力を結集する時ぞ」


 最終的にヒナミがブランを制する。

 だが、ハッサルの動きの方が早かった。

 常に変態を続ける身体に、予測も予想もできない。身体中に穴が開いた瞬間、目が眩むほどの光が瞬いた。


「遅いですよ、虫けら!」


 次の瞬間、真っ白な光がストラバールはおろか、落ちてくるエミルディアすら包むのだった。


☆★☆★ 10月刊行作品 ☆★☆★


TSUTAYAランキング入り! hontoランキング1位!!

『公爵家の料理番様~300年生きる小さな料理人~』単行本5巻!!


挿絵(By みてみん)


グルメハンター最終巻! こちらも好評発売中!

『魔物を狩るなと言われた最強ハンター、料理ギルドに転職する』単行本5巻!!


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『アラフォー冒険者、伝説になる』コミックス10巻 11月14日発売!
90万部突破! 最強娘に強化された最強パパの成り上がりの詳細はこちらをクリック

DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large



シリーズ大重版中! 第7巻が10月20日発売!
↓※タイトルをクリックすると、公式に飛びます↓
『公爵家の料理番様~300年生きる小さな料理人~』単行本7巻
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


9月12発売発売! オリジナル漫画原作『おっさん勇者は鍛冶屋でスローライフはじめました』単行本4巻発売!
引退したおっさん勇者の幸せスローライフ続編!! 詳細はこちらをクリック

DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large



8月25日!ブレイブ文庫様より第2巻発売です!!
↓※タイトルをクリックすると、公式に飛びます↓
『魔王様は回復魔術を極めたい~その聖女、世界最強につき~』第2巻
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


コミカライズ10巻5月9日発売です!
↓※タイトルをクリックすると、販売ページに飛ぶことが出来ます↓
『「ククク……。奴は四天王の中でも最弱」と解雇された俺、なぜか勇者と聖女の師匠になる10』
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


最新小説! グラストNOVELS様より第1巻が4月25日発売!
↓※表紙をクリックすると、公式に飛びます↓
『獣王陛下のちいさな料理番~役立たずと言われた第七王子、ギフト【料理】でもふもふたちと最強国家をつくりあげる~』書籍1巻
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


『魔物を狩るなと言われた最強ハンター、料理ギルドに転職する』
コミックス最終巻10月25日発売
↓↓表紙をクリックすると、Amazonに行けます↓↓
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large



6月14日!サーガフォレスト様より発売です!!
↓※タイトルをクリックすると、公式に飛びます↓
『ハズレスキル『おもいだす』で記憶を取り戻した大賢者~現代知識と最強魔法の融合で、異世界を無双する~』第1巻
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


『劣等職の最強賢者』コミックス5巻 5月17日発売!
飽くなき強さを追い求める男の、異世界バトルファンタジーついにフィナーレ!詳細はこちらをクリック

DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large





今回も全編書き下ろしです。WEB版にはないユランとの出会いを追加
↓※タイトルをクリックすると、公式に飛びます↓
『公爵家の料理番様~300年生きる小さな料理人~』待望の第2巻
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


好評発売中!Webから大幅に改稿しました。
↓※タイトルをクリックすると、アース・スター ルナの公式ページに飛ぶことが出来ます↓
『王宮錬金術師の私は、隣国の王子に拾われる ~調理魔導具でもふもふおいしい時短レシピ~』
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large




アラフォー冒険者、伝説になる 書籍版も好評発売中!
シリーズ最クライマックス【伝説】vs【勇者】の詳細はこちらをクリック


DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large



ツギクルバナー

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
神かあ・・・チェーンソー用意しないと(スットボケ 頼朝の隠れ岩屋のあれとか天使を聖書通りに再現とかするとか 色んな国の神話の中には結構グロ系の神・天使って居るモンやしなあ(目反らし
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ