表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

342/374

第317話 新たなる危機

☆★☆★  本日発売  ☆★☆★


おかげさまで本日、無事発売日を迎えることができました。

同レーベル、同日発売という栄誉を賜り、本当に有り難く思っております。


「アラフォー冒険者、伝説になる」単行本7巻、

「おっさん勇者は鍛冶屋でスローライフはじめました」1巻を、


それぞれよろしくお願いします。


※ リンクを後書きの下部に作りました!


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)

「ヴォルフ殿!」


 最初に気づいたのはルネットだった。

 リヴァラスの頂上から降りてきたヴォルフを見て、駆け寄る。

 続いて、クロエ、ヒナミ、アンリ、イーニャ、ブラン、最後にルーファスがレクセニルから避難してきた住民とともに集まってきた。


 真っ先に飛びついてきたのは、イーニャだ。


「師匠!! 師匠!!」


 最近ではすっかりチームのリーダーが板についてきたイーニャだったが、無事降りてきたヴォルフを見て、泣きじゃくる。ヴォルフの目から見ても、イーニャは逞しく育ったが、やはり本質のところでは変わらないらしい。昔、孤児院で再会した時のことを思い出しながら、ヴォルフはイーニャの頭を撫でた。


「泣くなよ、イーニャ」


「だってよ。あたいは、あたいは……」


「全くお前は大きくなっても、変わらないなあ」


「大きさは変わらないけどね」


 ルネットが茶化すと、ドッと笑い声が響く。

 そのヴォルフの背には相棒と、リヴァアスの巫女コノリの姿があった。

 魔法に詳しいアンリが回復魔法をかける。


「どちらも大丈夫です。力を使い切って、眠っているのかと」


「そうか。ありがとうな、アンリ」


「いえ。ヴォルフ殿もよく戻られた。さすが私が見込んだ婚約者だ」


「ちょ! 聞き捨てならぬぞ、アンリ殿。ヴォ、ヴォ、ヴォルフ殿は拙者と」


 顔を真っ赤にしながら、怒りを露わにしたのはエミリだ。

 こちらも無事なことに、クロエをはじめ女性陣はホッと胸を撫で下ろしたところだった。


「最初にヴォルフ殿に目をかけたのは私だぞ、エミリ。そう言わなかったか?」


「で、でも、今は――――」


「今はな」


「英雄、色を好むというからな。ヴォルフ殿、エミリが飽きたら私に」


「何を言っているでござるか! そ、そんなはしたない!!」


 ぬぬぬ、とエミリとアンリの睨み合いが始まる。

 その諍いを見て、クスリと笑ったのは、クロエだ。


「うぶいなあ、ホンマ。羨ましい限りやわ。エミリはん、そんなに心配ならもう1発抜いたったらええんちゃう?」


「もう1発って……! ちょちょちょちょ! クロエ殿、そなた何を?!」


「ナニをって……。なんや説明せなあかんのか? つまりヴォルフはんのナニを……」


 クロエが昔住んでいたところは、犯罪者の掃き溜めみたいな場所だった。

 側には大きな妓楼があって、この手の話題には事欠かない。

 他のものよりも、性に奔放な彼女らしい言葉だった。


「わあー! わあー! やめるでござるよ、子どももいるのに」


「なんだ。ヒナミのことを言っておるのか? バカにするな! で? クロエ、ナニとはなんだ?」


「女王はん、実は男にはもう1本刀があってやな」


「ヒナミ様に何を吹き込んでいるでござるか!!」


「だから、ナニの話やないか」


 話は堂々巡りし、次第に笑いに包まれる。

 それをヴォルフは少し離れた位置で聞いていると、ルーファスが近づいてきた。


「やったのか?」


「まあな……」


「相変わらずだな」


「何がだ?」


「オレに勝った時も、そんな顔をしていた。たまには勝利者らしい顔をしろ。敗北者に気を遣わせる方が不愉快だ」


「確かに……。でも、結局ガダルフを救えなかったと思うとな」


「それは傲慢というものだろう。救われたのか、そうでないか、結局本人の気の持ちようだ次第だ」


 ヴォルフは笑った。


「何がおかしい」


「まさかお前に慰められるとはな」


「それだけ、今のお前が弱いということだ。胸を張れとは言わん。せめて背筋を伸ばせ。オレにも、お前にもまだやることがある」


 ヴォルフとルーファスは同時に空を見上げた。

 すでにエミルディアはすぐそこまで迫っている。


「はいはい。喜劇パートはそこまでよ」


 仕切り役のルネットが(かまびす)しい女性陣たちに割って入る。

 現状について、話を始めた。


「レクセニルに攻めてきた敵軍は大方去ったわ。というか、半数以上がなりそこないになっちゃって、もはや戦争どころじゃなかったけどね」


「なりそこないは?」


 ヴォルフが質問する。


「大方消滅したわ。ガダルフが死んだことも一因としてあるでしょうね。多分、これ以上事態が悪くなることはないと思う」


「と言っても、十分今起こってる事態はヤバいけどな」


 イーニャは涙を拭いながら、迫ってきているエミルディアを仰いだ。


「ルネットさん、レミニアはどこへ行ったかわからないですか?」


「姿は見てないわ。でも、私の推察が正しければ、おそらく自分の研究室に戻ったんじゃないかしら。今、頼れるのは彼女が作ったという疑似・│賢者のエクサリーだから」


 ルネットは「あくまで私の考察だけど」と前置きした上で、話を続けた。


「レミニアちゃんたちがここにきたのは、多分リファラス自体をもう1度│賢者のエクサリーに復活させようとしていたんじゃないかしら」


「だが、それもガダルフに阻まれた」


「ええ……。だから、もう……あとは擬似・│賢者のエクサリーにかけるしかない、と思う」


「わかりました。俺もそこに行きます」


「大丈夫なんですか? 激戦で疲れているのに」


「何の才能もなかった俺ですけど、身体だけは丈夫なんです。それにレミニアに伝えたいことがあるので。アンリ、ミケを頼めるか」


「引き受けました」


 アンリは頷く。


「ヴォルフ、余も散り散りになった軍をまとめ次第、レクセニルの王宮へ戻る。逃げ遅れたものがまだいるかも知れぬからな」


「うちらはここで勇者はんらと住民の護衛や。1人で大丈夫やろか、ヴォルフはん?」


「ああ。みんなを頼む」


 それだけ言い添えて、ヴォルフはレクセニル王国へと戻っていった。


☆★☆★ 5月17日発売 ☆★☆★


『劣等職の最強賢者~底辺の【村人】から余裕で世界最強~』単行本5巻が発売です。

妹との再会。そしてバトル! フィナーレと色々な要素がてんこ盛りなので、

こちらもよろしくお願いします。


※ リンクを後書きの下部に作りました!


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『アラフォー冒険者、伝説になる』コミックス10巻 11月14日発売!
90万部突破! 最強娘に強化された最強パパの成り上がりの詳細はこちらをクリック

DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large



シリーズ大重版中! 第7巻が10月20日発売!
↓※タイトルをクリックすると、公式に飛びます↓
『公爵家の料理番様~300年生きる小さな料理人~』単行本7巻
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


9月12発売発売! オリジナル漫画原作『おっさん勇者は鍛冶屋でスローライフはじめました』単行本4巻発売!
引退したおっさん勇者の幸せスローライフ続編!! 詳細はこちらをクリック

DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large



8月25日!ブレイブ文庫様より第2巻発売です!!
↓※タイトルをクリックすると、公式に飛びます↓
『魔王様は回復魔術を極めたい~その聖女、世界最強につき~』第2巻
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


コミカライズ10巻5月9日発売です!
↓※タイトルをクリックすると、販売ページに飛ぶことが出来ます↓
『「ククク……。奴は四天王の中でも最弱」と解雇された俺、なぜか勇者と聖女の師匠になる10』
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


最新小説! グラストNOVELS様より第1巻が4月25日発売!
↓※表紙をクリックすると、公式に飛びます↓
『獣王陛下のちいさな料理番~役立たずと言われた第七王子、ギフト【料理】でもふもふたちと最強国家をつくりあげる~』書籍1巻
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


『魔物を狩るなと言われた最強ハンター、料理ギルドに転職する』
コミックス最終巻10月25日発売
↓↓表紙をクリックすると、Amazonに行けます↓↓
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large



6月14日!サーガフォレスト様より発売です!!
↓※タイトルをクリックすると、公式に飛びます↓
『ハズレスキル『おもいだす』で記憶を取り戻した大賢者~現代知識と最強魔法の融合で、異世界を無双する~』第1巻
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


『劣等職の最強賢者』コミックス5巻 5月17日発売!
飽くなき強さを追い求める男の、異世界バトルファンタジーついにフィナーレ!詳細はこちらをクリック

DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large





今回も全編書き下ろしです。WEB版にはないユランとの出会いを追加
↓※タイトルをクリックすると、公式に飛びます↓
『公爵家の料理番様~300年生きる小さな料理人~』待望の第2巻
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


好評発売中!Webから大幅に改稿しました。
↓※タイトルをクリックすると、アース・スター ルナの公式ページに飛ぶことが出来ます↓
『王宮錬金術師の私は、隣国の王子に拾われる ~調理魔導具でもふもふおいしい時短レシピ~』
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large




アラフォー冒険者、伝説になる 書籍版も好評発売中!
シリーズ最クライマックス【伝説】vs【勇者】の詳細はこちらをクリック


DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large



ツギクルバナー

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ