楽しすぎ、歓迎パーティ
獅子印です!ちょっと遅れてしまったことをお詫びいたします。(いや、ちょっとじゃないな…)
「はっ!?ここは!?」
気がつくと僕はどこかの和室で寝ていた。服も浴衣だ…涼しいけど、誰が着せてくれたんだろ?
「あ、起きたわね。」
「あれ、伊織?これはどういう…」
「なんか私乃がのぼせたみたいって言ってたけど。」
その言葉で、僕は何が起きたか思い出す。ついでに私乃の裸も。
「ぐはっ!?」
「な、何何!?大丈夫!?」
気がつくと僕の鼻から血が噴射していた。同時になぜ倒れたのか悟る。くそ…まさかこんなので倒れてたとは…
「…ああ~。なるほどね。へ~。あたしのときは中一なんてまだ子供だったけどね~。…ていうか、その量大丈夫?」
「う、うん、平気…」
伊織が本気で心配そうにこっちを見てくる。いや、なんか情けなくなってくる…
「でも私乃でね~…あの子そんないやらしい体してたっけ?」
「いや、思春期男子としてはそんなの関係ないというか…」
確かに私乃の体はどちらかというと子供っぽかった。でも、ものすごい美少女だし…
「で?何?あんた私乃が好きなの?」
「はいっ!?」
変な声が出てしまった。まさかそんな質問してくるとは…
「いや、まあ…好き、だよ。」
そう言うと、伊織はものすごく楽しそうに笑った。この人、嫌な性格してるな…
「へえ~。ま、かわいいのは認めるけどね~。」
「うう…なんでこんなこと言わせるかな…」
「でも、真面目な話、あんた変わってるわね。」
伊織は一変、真面目な顔になる。
「そう?」
「そうよ。あんた、元々カタギの子じゃない。絶世の美少女見ても、その子が爆弾ぶん投げてたら引くでしょ。普通。」
「あ、いや、その辺は事情があるというか、なんというか…」
確かに僕はカタギの人間だ。しかしじいちゃんが…
「ふ~ん…ま、いいけど。あ、パーティの準備ができたみたいよ。」
隣の部屋から「できたよ~!」と声が聞こえてくる。そういえば、すごくお腹空いてるな…
「ほら、行くわよ。」
「分かった!」
楽しみにしながら和室からでる。
「あ、そうそう。お風呂は引き続き私乃とね。」
その一言で、僕は恐怖のどん底に落ちた。
「ほら、要くん、早く早く!」
「ああ、ごめん、私乃…」
見ると、もう全員集合していた。机の上には…何これ。マグロの頭?始めてみた…
「お、今日の主役が来たね。」
「座れこの野郎!てめえ、後でもっかい勝負だ!」
源と正が僕に話しかける(怒鳴り散らす)再戦は…めんどくさいな。どうせ訓練でやるだろうけど。
「さ、ご飯ご飯。…いや、みんな乾杯のポーズ取られても。え、これ僕が音頭取らなきゃダメ?」
「当たり前だよ。今日の主役なんだから。」
源が当たり前のように言う。こんなの始めてやるしな…
「はぁ…では、僕のチーム入りを目指して、かんぱーい!」
「「「「かんぱーい!」」」」
手に持っていた飲み物を飲む。…ってこれ、日本酒!?
「ちょ、源!これ日本酒じゃん!」
「あれ、なんでバレたのかな…いや、酒なことくらいはバレると思ったけど…なに?結構飲んでるの?」
ぎくっ!
「…いや、別に、好物出てきて嬉しいとか思ってないし。」
「そっか。じゃあ私乃のオレンジジュースと交換ね。」
「すみませんごめんなさい勘弁してください」
日本酒が飲めなくなるのも嫌だが、なにより伊織が「飲む?間接キス?」という目をして笑っていた。あの人は…
「さ、色々あるよ。ほらほら、大トロ貰うよ。」
「うっし、ビフテキ貰いっ!」
「ズワイガニも貰っちゃえ!」
「あたしはこのキャビアー♪」
「なんかすごい高級!」
その日は絵にかいたようなブルジョア飯だった。初めてこんなの食べた…
「ふー。食べたー!」
「食べたねー!」
ちなみに、僕と私乃以外は皆酔い潰れている。一人一人と飲み比べをやった僕は全然平気だ。なんでか僕酔わないんだよね。どんだけのんでも。
「要くん、楽しめた?」
「すごく楽しかったよ…あ、そうそう。その[要くん]ってのやめてくれないかな?なんかよそよそしい感じがして…要でいいよ。」
そう言うと、私乃は一瞬ビックリしたような顔をして、「了解!」と笑った。
「明日訓練って言ってたけど、どんなことやるの?」
「えーっと…基本戦闘訓練かな。あと暗殺技術とか。筋トレとかはあんまりやらないよ。まあ、それでも普通の子よりは大分筋力とかはあるんだけどね。」
なるほど…僕が知らないこともやるのかな。基本じいちゃんに教えてもらったけど。
「ま、対人なんて久しぶりだしね…じいちゃん以外とは初めてだし。」
「え?要の師匠って、おじいちゃんなの?」
口が滑った。
「あー…ほら、剣道を教えてもらっててね!」
これはあながち嘘ではない。剣道も教えてもらってた。剣道も。
「なるほどー。おじいちゃんくらいの世代って、剣道やってる人多いもんね!」
どうやら納得してくれたようだ。よかった…
ふと時計を見ると、もう11時になっていた。
「あれ、もうこんな時間か…ふぁ。もう寝ないとね。」
かなり眠くなってきた。お酒入ってるからかも知れないな…
私乃が明日の日程を教えてくれた。
「明日は6時起床!それから12時まで訓練して、そこからは自由時間だって。遅れないようにね。要。」
「分かってるよ。で、僕はどこで寝ればいいの?」
「ここで寝ればいいんじゃない?」
「じゃ、お言葉に甘えて…おやすみ。」
すぐに意識がとんだ。かなり眠かったんだろう。6時に起きれるかな…
次回は戦闘ですね!技名考えるのって難しいです…