こんにちは、裏の人々2
投稿が遅れてしまいましたね。いやー。書き終わったところで[私乃]を[舞]って書いてたのに気づいたんですよね。びっくりです。
「私乃、家って、ここにいる全員で住んでるの?」
「そうだよ。皆の家。結構広くて、居心地いいんだよ!」
僕は今この人たちの家に行っている。ちなみに、僕は全員下の名前で呼び捨てで呼ぶことにした。全員に「呼び方は何でもいい」と言われ、さんを付けて呼んだら、もう一度同じことを言われた。…さん付けが嫌なら、そう言えばいいのに…
「あ、見えてきたよ!」
私乃が叫ぶ。あ…あれは…?
「宮殿…?」
どう見ても宮殿だ。その近くにも結構なランクの家が並んでいるが、それらが霞むほど宮殿だ。これが僕たちの家なのか…?
感動して私乃にそう聞くと、驚きの答えが返ってきた。
「あ、その隣の家だよ。」
僕は盛大にずっこけた。
「このキャンピングカーが入るんだ…」
僕はある意味宮殿よりもすごい内装に驚いてい
る。キャンピングカーが入る車庫には、他にも多くの車が並んでいて、玄関は二重鍵のパスワードロック。それを二つとも解除すると自動で扉が開く。中二心満載だ。
「すごいでしょ。結構お金掛かってるんだよ。」
私乃が自慢げに言ってくる。まあ、人殺してるんだから、相当な額もらえるよな…どれくらいかな?
「源、任務って一回につきどれくらいの額がもらえるの?」
「大体…5000万くらいかな?いやー、使うところなくて困ってるんだよね。でも仕事しないわけにはいかないから、今5億は溜まってるよ。」
多すぎる。共有財産としてでも多すぎる。
「今日は君の歓迎会としてすっごいパーティするよー?楽しみにしててね。いやー、ぼくもされる方の気持ちを味わってみたいよ。」
やれやれ、といった感じで源が肩をすくめる。そうか。源がNO.1、つまり最初のメンバーだということは、つまり歓迎されたことがないのか。
「あ、そうだ。要君。ちょっと書いてもらわなきゃいけないものがあるんだ。ちょっとこっちに来てくれないかな?」
源に手を引かれ、別室へ。割と暗いところだな…でも多分防音設備が整っているんだろう。扉を閉めると周囲の音が消えた。
「さ、じゃあこれにサインしてもらえるかな?」
そう言って渡されたのは、大きく[誓約書]と書かれた紙。内容をまとめると、
①チームから逃げる(チームの人間が本人と協力者を除いて全員死んだ場合は除く)
②チームの人間を殺す(処刑は除く)
③自分の任務の邪魔をする
④全ての任務に参加する
以上のことを破れば、極刑に処す。
というものだ。
迷わずサインをして、源に手渡す。するとまた源は不思議そうな顔をして「君は本当に変わってるねえ」と言った。
「なにが?」
「普通はこういうとき、もっと迷うんだよ。自分の命がかかってるんだからね。君には恐怖心がない…いや、違うね。自分の命を大したものと思ってないのか。…ああいやいや、気を悪くしたなら謝るよ。ごめんね。」
結構失礼な物言いだと思うが、ある意味的を射てる。なるほど。確かにそうだ。僕はあまり自分のことについて考えていない。自分が死ぬのをそう大きなことと捉えていないようだ。
「あー、それと次。コードネームを決めてほしいんだ。」
考え事をする暇もなく話が進んでゆく。
「何でもいいよ。」
「いや、本人が決めなきゃいけないんだ。そう決まってる。」
そう言われてしばし黙考する。うーん…要だから…
「タートルで。」
「タートル?何で?」
「[か]な[め]だから。」
皆コードネームはこんな感じに適当だったし、いいだろう。別に。
「うん。了解。じゃ、次は武器を決めてくれるかな?予算のことは気にしなくていいよ。さっき言った通り、お金は有り余ってるからね。」
「贅沢な発言だね…持ち運びも便利な方がいいんだよね?」
「そうだけど…刃物でも折り畳み式は作れるよ?」
「本当に!?じゃあ大剣がいい!できる!?」
「できるよ。じゃあ発注するね。」
「あ、あと手入れ用に砥石と布お願いしていい?」
「いいよ。大した値段でもないし。それにしても…君は本当に変わってるねえ。」
まあ、この年で武器の手入れができる人なんてそういないだろう。ましてや、大剣だ。見たことのある人の方が少ない。
「大きさは?」
「僕の身長より少し大きいくらい。まあ150cmくらいかな。」
「重さは?」
「10kgまでなら使えるよ。まあ、もうちょっと重くても構わないけど、あんま重くない方がいいなあ。6kgまででよろしく。」
「分かった。発注しておくよ。…ああ、そうそう。明日は地下の訓練場で訓練だよ。覚えておいてね。」
「分かったよ…あ、そうだ。源、お風呂入ってきていい?汗で気持ち悪くて…」
「私乃もそう言ってたね。じゃ、私乃と二人で入ってきなさい。」
源が当たり前のように問題発言をする。
「げ、源!二人でって…男湯と女湯に分かれてるの?」
「いや?二人で一緒に入ってきなさい。」
「僕、男だよ!?」
「知ってるよ?いいからほら。私乃も喜ぶよ。」
…ずーん。
「羞恥心とか…」
「無いよ。私乃に嫌がられることもね。あの子、人に体洗われるの好きだからね。洗ってあげて。」
「いや、倫理的にだめでしょそれ!」
なに言ってんだこのエロ親父!
「いいから行ってきな。ほら。」
「…私乃が僕にそう言ってきたらね。」
僕は今、抜き足差し足で歩いている。私乃に気付かれないようにだ。僕だって一通り訓練は受けた。一応隠密術には長けてるはずだ!
壁を伝って、そーっとそーっと…
「要くん、どうしたの?」
心臓が跳ねる。後ろを見るが誰もいない。一体どこから…
「ここだよ要くん。」
「って上!?」
天井に張り付いていた。どこにいるんだよ!
「よっ…と。」
私乃が天井から降りる。声を掛けられないよう、全力で逃げる。が…
「どこいくの?要くん。一緒にお風呂入ろうよ。」
そらきた。
「あー…えっと、これから用事が…」
「じゃあ終わるまで待っとくよ!」
そんなことして終わるのはのは僕だ。
「…トイレに行くから…」
「待っとくってば!」
「…料理の手伝いを…」
「祝われる側がなに言ってるの!」
終わった。完全に。
「…分かったよ。水着着るか、タオル巻いてね。」
「いいけどそれじゃ、洗いっこできないよ?」
「やるつもりなの!?」
だめだ…この子はどんな教育を受けていたんだ…!受けてなかったのかも知れないけど。でも、そういうのって、教えられるものじゃないよね!?
「ほらほら。はーいーるーよー!」
「あ、そうだ!僕着替えがないんだった!」
「私の貸したげるから!」
私乃は僕より背が高い。それはつまり、僕に服を貸せるということだ。特にこの子は女物を着てる様子はないので…
「…………屈…………辱…………!ぐふっ」
「要くん!?どうしたの!?」
女の子に服を借りることになるとは…あ、そうだ!
「僕、下着が無いから!さすがにそれは私乃に借りるわけにもいかないし!」
「じゃ、源に借りよっか。げーーーん!!!下着借りてもいいーーー!?」
私乃が叫ぶと、遠くから「いーーーよーーー」と聞こえてきた。くそ…!
「…分かったよ、入るよ…!」
僕は覚悟を決めた。
次回はエロ規制入るかな…?