こんにちは、裏の人々
こんにちは!二つの小説を投稿するのは、ものすごいキツいですね…時間がゴリゴリ削られてます…
正直、目の前のおっさん(20代前半くらいだろうが、僕から見たらおっさんだ)を信用し、この人たちについていくべきか、迷った。一生を左右する問題
だ。迷うべきなのだ。そして、僕はこう決着をつけた。
「よろしく。バク。迷惑もかけるかも…というかかけると思うけど、これから一緒に頑張ろう!」
ーーー少女が信じているのだから、僕も信じる。
これが僕の一生を決めるものでも、後悔はしないと思っていた。それが、僕の初恋の人へ贈るべき気持ちだと思った。彼女が信じるものは、全て信じるのだ。ただし、弱味を見せないため、タメ口だ。
「さて。さっさと逃げてしまおうか。ジョー!車を出してくれ!」
すると、運転席にいるジョーと呼ばれた男がエンジンをかけた。
「ジョー、君もよろしく!」
僕が声をかけると、ジョーはフン、と鼻をならして、
「俺は反対だぜ、バク。」
と不機嫌そうに言った。
「どうしたんだい、ジョー。……ああ、実力のことかい?それなら今からテストするよ。」
「テストだってくぐり抜けられねえよ!そいつは表の人間だぜ!?」
どうやらジョーは表の人間に偏見を持ってるようだ。……僕みたいな異端だっていっぱいいるのに。
「じゃあ、ジョー。君が僕と戦えばいいよ。ただし、負けても言い訳だけはしないでね?武器は使っていいよ。殺す気できてね。」
何だか僕がバカにされた気がしたので、ジョーをボコボコにしよう。なんか、こいつには負けない気がする。
「ハッ、上等だ!前衛担当ではないとはいえ、プロの力みせてやるぜ!」
……やっぱフラグ立ててるな、と思った。
「さあ、やろうぜ!」
今僕たちがいるのは、小さな公園。人気のないところにあり、テストに昔から使われているそうだ。
「ジョー。そんなに焦らないでくれたまえ。ぼくも準備が久しぶりで手間取ってるんだよ…えー、ルールブック……あったあった。要君!これを読んでおきなさい!このテストのルールが書いてあるよ!」
バクから受け取ったルールブックに目を通す。大体こんなことが書いてあった。
①武器の使用は木製のもののみあり。ただし、双方の了承が取れたときは鉄製などを使ってよい。
②相手の殺害は禁止。ただし、入団者は負けたら処刑。
③先に相手に本物ならば致命傷になる攻撃を与えた方が勝利。また、相手が気絶した場合も勝利とす
る。
ということだ。負けたら処刑か…気合い入れないとな。
「ジョー。武器は木製のみね。僕が殺しちゃったら困るし。」
「ハッ、ナメんな!殺すのはこっちだ!…ま、木製でいいが、お前は何を使うんだ?」
そう言いながらジョーは箱の中から棒らしきものを取り出した。あっちは棒術か…
さて困った。僕は何なら素手でも勝つ自信はあるけど、大体の武器は使える。それこそ棒でもいいけど…ま、ハンデとしてこのナイフにしよう。大きさ的にはボウイナイフだな。もう一丁は…これはククリナイフに近いな。面白いものがあるなあ。
どうせ木製なら全てが鈍器と同じだ。つまり、いくら技量があっても、ナイフで棒は切ることはできないのだ。だからこれはかなりのハンデだろう。リーチも違う、防御するときに手に掛かる負荷も違うし、攻撃のハードルも上がる。ただ、僕は勝つ自信があった。
ちなみに自分の中で気に入っている武器は大剣
だ。あれを使ったときだけは師匠にも勝てた。
一方、バクは車から旗を見つけ出していた。…あの人剣道好きなのかな?審判旗ってあんなんだった気がする。
「さ、準備はいいかい?おや、要君。きみはかなりハンデを背負っているね。これはジョー、負けても言い訳できないねー?」
「うっせえ!負けねえから言い訳もしねえよ!」
ジョーが切れている。よしよし。怒れば人は弱くなる。攻撃が大振りで単調になるし、考えが足りなくなるからだ。
「では、構えて…初めっ!」
バクの合図がかかる。ジョーはすぐに飛び出してくるようなことはせず、ただじっと構えていた。なるほ
ど、流石にプロか。すぐに出てきたら首かっ切ることもできたのに。
「そら、来ねえのか?ならこっちから行くぜ!」
言うが早いか、ジョーが飛び出してきた。棒は届くが、ナイフは届かない絶妙の距離で棒を振る。なるほど、自分の間合いをよく知ってる。思ったより強いな…技一つくらい使わなきゃ勝てないかな?
横に振られた棒はバックステップで避け、縦に振られた棒はナイフで受け流す。きちんと威力も乗っている。棒って強いんだ…棒は使ったことないんだよね。
「ほらほらあ!手も足も出ないかあ!?ハハハハハハハ!!!
カチン。
イラっと来た。さっき、怒ると考えが足りなくなると言ったが、僕は逆だ。怒れば怒るほど頭の回転が早くなる。そして冷静な作戦を立てることができる。まあ、師匠に訓練されたからだけど。
さて、地面は土だ。ならこの技かな。
「しょうがないな。ジョー。一つだけ使ってあげるよ。[須藤流戦闘術]。悪く思わないでね。」
そう言って足を思いっきり降り下ろす。[震脚]とか呼ばれるものをものすごく強くしたものだ。須藤流戦闘術では、(使うところによって違うが)[爆砂]と呼ばれる。効果は…
「うおっ!?土で前が見えねえ!?」
…目眩ましだ。地味だが、確実な方法。ましてジョーは声をものすごい出すので、僕からは場所が筒抜けだ。あっちからは、静かに戦う訓練をされた僕の居場所は分からないはずだ。
「よっ…と。僕の勝ちだね。」
ジョーの首に二本のナイフを当てる。…これ、ほとんど使うことなかったな…って、皆から土煙でこっちの状況見えないんだった。ジョーを引きずってみんなのもとに行く。ジョーは放心していた。
「いやー、ご苦労様。要君。君、ものすごい強いねえ。」
「あ、ありがと、バク。」
バクからジュースの入ったコップを渡される。まさかこんなしょうもないところで毒なんて仕掛けないだろう。まして、僕は使えるんだと証明したのだから、殺される筋合いがない。
「改めて自己紹介しようか。ぼくは幕内 源。コードネームはバク。由来は…幕内→まくうち→ばくうち→ばく→バク だね。一応リーダーをやってる23歳だよ。よろしく。」
「私は 北川 私乃だよ!チームNo.3で、コードネームはマイ!由来は…私乃→私の→my→マイ、だ
ね!13歳だよ!よろしくね!」
「それで、そっちに座って寝てるのが、倉沢 伊織だよ。ぼくの幼なじみで、年は一緒。チームNo.2
で、コードネームはダーク。由来は腹ぐ」
ゴシャっ!と音がした。源が倒れていて、隣には雑誌が落ちている。凄い速さだった…見えなかっ
た…!
「誰が腹黒よ!…あ、えーと、よろしく。要。あたしの説明はさっきそこの馬鹿がいってた通りだ
よ。」
いい笑顔だが、源を蹴りながらなのでものすごい怖い。
そして、説明代わりましたとばかりに私乃が謝ってから説明を始まる。
「…あー、ごめんね。要くん。それで、そっちで伸びてるのが、城里 正。チームNo.4で、コードネームはジョー。由来は…そのまま名字からだね。まあ悪い人じゃないんだよ?仲良くしてあげてね。」
まるで私乃がお母さんのようだ。
「…ん?チームNo.って、メンバーに入った順番?」
「そうだよ?」
「じゃあ、正より私乃の方が早く入ってきたの?」
そう聞くと、少し暗い顔をして、「物心ついたときからここだから…」と言った。
「要君。ちょっといいかい?」
気がつくと源が復活していた。タフだなあ…
源のところへ行くと、小さな声で囁かれた。
「私乃の過去についてはあまり触れないでいてくれるかい?結構複雑なんだよ。」
そう注意を受け、気付いた。こんな世界に子供がいるってことは、相当複雑なはずだ。
「分かった…私乃にも謝るよ。」
「よし、それでいい。ただ、反省だけでいい。またあの話を持ち出したらいけないのはわかるだろ
う?」
そうだった。謝るということは、もう一度話を持ち出すことになる。そんなことも気づかないとは。
「さ、要君。今から行くのは、僕たちの家だよ。ちょっと遠くなるから、私乃とでも喋ってて。」
そう軽く言われ、少し気分が晴れやかになった。
昨日はホワイトデーでしたね!私は妹と母に渡しましたよ。(泣)