わりと普通なクリスマス 2
(ミシェル)
クリスマスプレゼント。
本当は拳銃のグロック26が欲しかった。
当然というか、銃はもらえなかった。でも。どうしよう? なんだかすごく嬉しい。銃じゃないのに。
ボスがくれたのはピンクのハート型のネックレスだった。なんだかすごくプレゼントっぽくて、どうしていいかわからない。ネックレスを握りしめたままぼおっとしていると、ボスがかしてごらん、といって後ろからネックレスをつけてくれた。うん、似合っているよ。そういってボスはにっこり笑い、私のほっぺたにキスをした。わぁぁ。なんでだろう? 心臓がどきどきする。
(ボス)
ゆでたこみたいになってうつむいているミシェル。プレゼントしたネックレスがミシェルの胸元で揺れている。恥ずかしそうな、でも嬉しそうなミシェルを見ていると、こちらも嬉しくなってしまう。ミシェルから私へのプレゼントは・・・ボディアーマー(防弾チョッキ)だった。いや、嬉しくないわけじゃない。ミシェルが一生懸命考えてプレゼントしてくれただけでもすごく嬉しいのだが・・・。だが、こんなものをどこで入手してきたのか。ロレンツィオはミシェルお手製のクッキーをもらっていた。ちょっとうらやましい。ちょっとくれないかな。ロレンツィオは甘いものそんなに食べないはずなんだが・・・。
(ロレンツィオ)
ミシェルからもらった手作りのクッキーをほおばっていると、ボスが欲しそうな顔でみている。ミシェルから特別プレゼントをもらったくせに、意地汚い。俺が甘いもの苦手?ミシェルからもらったものは、特別にきまっている。もちろん完食。一欠たりともやるものか。ごちそうさま。
(ミシェル)
ロレンツィオが私にくれたのは、暖かそうでとても綺麗な手袋とマフラーだった。マフラーを巻くとなんだかロレンツィオに守られているような気がする。帰り道、さっそくマフラーをぐるぐる巻いて外に出る。寒くってもへっちゃらな感じ。
ロレンツィオにあげたクッキーは、寮が同室のエレナと一緒に作った。エレナの実家にお邪魔して、作らせてもらったのだ。
エレナが、パートナーの予定の人に贈り物をするなら「手作り」にするべきだっていったから。最初はエレナに薦められた「誰でも絶対に失敗しない簡単なマフラー」に挑戦したけど、惨敗。それで、クッキーを一緒に焼くことになったのだ。クッキー作りもものすごーく苦労した。マフラー編めたり、クッキー上手に焼ける人を尊敬します!