25 放課後の補習
(*+ - +*) < 溜めてる分ラストなので、明日の更新できないかもしれません...。今日頑張って書きます笑
――キーンコーンカーンコーン
「そこまで。筆記用具を置いてください。」
ジョージの声と共に、3時間に渡って続いた中間テスト初日が終了した。
解放感に包まれる教室。
テストが回収され、形式的な学活が終わると、生徒が一斉に帰り始める。
陽斗も帰ろうと席を立ったそのとき、肩に大きな手が置かれる。
「Hey,天宮。少し話があるんだが、いいかい?」
「...家でテスト勉強したいんですけど。」
「すぐ終わるよ。――来い。断れば、いまここでおまえの『それ』を鑑定するぞ。」
ジョージの瞳の奥に、冷徹な魔力が宿る。陽斗はため息をつき、静かに頷いた。
廊下からこちらを心配そうに見る黒崎に視線で「先に行け」と促す。
ジョージに連れて行かれたのは、人気のない旧校舎の裏庭だった。
ジョージはすぐに『認識障害』の結界を張ると、ネクタイを外して首元のボタンを開けた。
腰元のデバイスが緑のランプを点灯させ、電源が入る。
爽やかなALTの仮面を脱ぎ捨てたジョージには、普通ではない魔力が宿っていた。
「先に自己紹介しようか。『US帰還者ギルド・イージス』の調査員、ジョージだ。天宮陽斗、きみの持つ『聖剣』の波形は我々が保持するどの遺物よりも高く素晴らしい。......おとなしく渡せば、グリーンカードと一生遊んで暮らせるドルを用意しよう。」
「...悪いが、このキーホルダーには手放したくない理由があるんだ。」
陽斗が軽くキーホルダーを握った、そのとき。
「――あーあ、交渉決裂だね!」
旧校舎の屋上の上から、キャンディを片手に持ったリリスが飛び降りてきた。
「リリス......おまえ、いつから見てた。」
「最初から。陽斗が二問目の問題で五分くらい悩んでたのも知ってるよ!」
「...あんたは誰だ?」
ジョージがリリスを警戒しながら問う。
『認識障害』を張っていたのにどうして、と思っているのだろう。
「さーあね。それよりおじさん、いいこと教えてあげるよ。残念ながらその『聖剣』は陽斗の魂と紐づいてるから、力ずくで奪ったら東京が大爆発で消し飛んじゃうんだよー」
「......何だと?」
ジョージが動揺した隙を見逃さず、陽斗は踏み込もうとした。――が、それより先に鋭い衝突音が空気を切り裂いた。
――ガキィィン!
校舎の裏からジョージを狙っていた弾丸を、漆黒の魔力の盾が弾き飛ばす。
「...ごめん、待たせた。」
「いいんだ。ありがとな、ルナ、エルシィ。」
陽斗の背後から、地雷系ファッションのルナと、法衣のエルシィが現れる。
「ハルト様の放課後を邪魔する人は、許しません!」
「陽斗、こいつからは汚れた魔力を感じます。...『救済』が必要ですね。」
二人はジョージを包囲するように立つ。
エルシィの背後には、純白の魔導兵器が浮かんでいた。
「聖女に魔族だと......!?日本の勇者はモンスターハウスでも経営しているのか!?」
ジョージは舌打ちし、煙幕を展開して後退しようとした。
「おじさん、逃さないよ?」
リリスが指をパチンと鳴らす。
ジョージの足元の影が粘着質の鎖に変化し、ジョージの足に絡みついた。
「――さて、少しは分からせたほうがいいのかもな。」
グラムは使わずに、出力を多少下げた魔法を軽く叩き込む。
「―――が、はっ......!?」
陽斗本人にとっては、大した技ではなかった。
しかし、その一撃はいとも簡単にジョージの最新式海外デバイスを粉砕した。
「サミットの連中に伝えておけ。...日本の勇者は、テスト勉強でイライラしている。......これ以上邪魔するなら、どうなっても知らないってな。」
気絶したジョージをリリスがどこか(おそらく特務四課)に転送する。
そして、旧校舎の裏庭に静寂が戻る。
「こんなときにもテストのことだなんて......やっぱ陽斗は変だね。...あ、そうだ。手伝ったから、パフェ奢ってくれるよね?」
「いや、それはちょっと――」
「陽斗、さっさと帰りましょう。」
「ハルト様、リリスのことなんて放っておきましょう。」
リリスを警戒するように、ルナとエルシィが陽斗に寄ってくる。
三人に囲まれた陽斗の放課後は、より一層カオスに染まっていくのであった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
次回...色々補足します!!笑
(*+ - +*) < 次の更新は明日の朝の予定ですが、もしかしたら、更新できないかも...。




