24 テスト初日
(*+ - +*) < あと数話で五万字達成できそうです!
テスト初日。朝の学校の廊下には、話すのが憚られる静寂が広がっていた。
最後のあがきをと思い、陽斗は席に座って単語帳を眺めていた。
『 sea 』のページをめくった、そのときだった。
――ガラガラガラ
クラス全員が顔を上げ、前方のドアから入ってくる人影に注目した。
「みなさん、ハジメマシテ!」
「もうテストの時間か、早いな」という思考が回る前に、教壇に立つ男に『索敵スキル』が大きく反応する。あの日渋谷で見たやつとは別人だが、纏う雰囲気は明らかに似ていた。
――海外の『帰還者』か?
「悲しいことに、今日はセンセイが風邪でお休みなんだ。ALTのジョージだ。ヨロシク!...テストはまだだから、カクジ自習したまえ。」
時折カタコトな日本語が交じるなか、男――ジョージの視線は、俺のスクールバッグのグラム一直線だった。その目からは、獲物を見つけた喜びがうかがえる。
(...主様、あの男......。)
グラムもジョージから感じる違和感に気づいているようだ。
いまは声を出せないので、心の中で返事しておく。
ジョージはチョークを持ち、黒板に綺麗な字でテスト開始時間と終了時間をスラスラと書いていく。背を向けたジョージの腰の横、僅かなスーツの隙間から『海外の魔導器』と思われるものが付けられているのに、陽斗は気づいていた。
(あの魔導器...氷室さんから送られてきた写真のもので間違いなさそうだな。)
ジョージの全身から放たれる異様なオーラに、クラスメイトは気付けない。
ただ、視界の隅で凛が険しい顔でジョージを見ていることは確認できた。
――ピーンポーンパンポーン
『......試験監督の先生方、テスト用紙の配布をお願いします。繰り返します。試験監督の先生方、テスト用紙の配布をお願いします。五分後に再度放送を流し、テストを開始します。』
学年主任の声が合図となり、全クラスでテスト用紙の配布が始まる。
ジョージは封筒から一時間目――英語のテスト用紙を取り出し、生徒ひとりひとりの顔を見ながら配布していく。ジョージの視線が俺に向けられた時、表情が僅かだが変化する。
テストが配られてから数分――放送の合図でテストが始まる。
――『テスト、はじめ!』
生徒全員が一斉に問題用紙を開く。ジョージの『探査』が教室中の不正を探す。
(こんなときにも魔法だなんて...。)
シャーペンを走らせるたび、カリカリという音が重なり合う教室で、陽斗は問題に向き合った。
中間テスト1日目。軍用ブーツの鳴らす足音とシャーペンの音だけが響く教室。
確実に、少しずつ、サミットの時が近づいていた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
タイトルといい内容といい、今回は上手く書けませんでした...。
次回、テスト終わりの追走。
(*+ - +*) < 次の更新は、明日の朝の予定です。




