23 放課後の勉強会
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「二次関数は、グラフが放物線を描くのか?」
「ボールを投げたときの軌道だと思えばいい...ここの座標はこの式のxに数を代入すると出てくる。」
「...なるほど?」
黒崎は、今日も頭を抱える。テストまであと2日を切ったこの日。
放課後の佐倉家で陽斗のための勉強会が行われていた。
天宮家には有給を使った母がいるので、今日は使えなかったのだ。
今日はルナと母が一緒にスイーツ作りをするらしい。...ここ数日でいつのまにか仲良くなったものだ。エルシィは...知らない。どうせ近くのスーパーでレジ打ちのバイトでもしているのだろう。
「だから、陽斗は難しく考えすぎなんだよ。そういうもんだって言ってるだろ...。」
「いやでも、これじゃあ納得できねえよ。」
「納得を求めるな!とにかく、そういうもんなんだよ...。」
陽斗も黒崎も、どちらも疲れた顔をしている。
しかし、もしも赤点を取ったら...と考えると、そのほうが恐ろしいものだ。
机の上には大量のワークシートと参考書。
凛が休憩にと持ってきたドーナツはいつまで経っても食べられそうになかった。
「軌道......敵の範囲魔法を回避する計算に似てるな。えーっと、y = ax²だから...。」
「おお!できたか?......あ...そうじゃなくて...。」
「一旦科目変えよう?ほら、次は英語ね。」
凛が山積みの参考書から一冊取り出して勢いよく陽斗の前に置く。
「じゃあ、この問題。『I am a hero.』を過去形にして。」
「be動詞をwasにするから...『I was a hero.』か。......俺の人生では重みが違うな。」
「そんなこといいから!はい、次!」
賑やかなやりとりの最中。
部屋の隅のテレビ台、静かに置かれていたグラムが、ブルブル、と揺れる。
(...主様......来る。)
グラムの思念が脳内でノイズのように響く。
陽斗はシャーペンを止め、グラムに視線を投げた。
(主様、外です...相当魔法の範囲が広いようですね...。)
「陽斗、どうしたの?」
「...いや、ちょっと、外の空気が変わった気がして。」
立ち上がって、窓を開ける。夜が迫った夕立。
一見すると平和な町並みだが、『索敵スキル』が危険信号を鳴らしている。
サミットの会場がある方向から、陽斗に向けられた「冷たい魔力の波」が感じられた。
(これは...海外の連中の『魔力探査』か?ここまで届くのかよ...。)
「...グラムが鳴いてる。あっちにやばい連中がいるねえ。」
「......リリスか。」
いつのまにか、リリスが背後に立っていた。
小馬鹿にするような笑みを浮かべながら、長いツインテールを揺らしている。
「どう?勉強は捗ってる?天宮陽斗。」
「ああ...わからないことのほうが多いけどな。」
「...まじで?私でも勝てそうな学力だね、さすが脳筋勇者。」
「うるさい...赤点とって凛に怒られたら、それはもう大変なことになるから...がんばるさ。」
「...あっそ。がんばって〜」
ひらひらと手を振った直後、空間転移で残像すら残さず消える。
「ほら、続きやるよ!まだやってないことがたくさんあるんだから。」
「...わかったよ。」
サミットは、確実に近づいている。
秒針が、カチ、カチと音を鳴らす。
にぎやかな部屋に、東京の喧騒が迫っている。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
次回、少し飛んで、テスト当日です。海外の勇者からの接近も!?
(*+ - +*) < 次の更新は、明日の朝の予定です。あと少しで五万文字...!




