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ねこみみ悪役令嬢 転生×転生  作者: 毛玉
魔法少女編
7/22

幕間 京都修行編

 みなさんこんにちは。ボクの名前はガブリィ。

 見た目の性別は女性ってことになるのかな?出るとこ出てるし。

 でも天使にとって性別は雰囲気みたいなものなんで適当。

 

 そんなボクは神様に悪役令嬢リオーネの監視を言いつけられ、今日も彼女に会いに来たんだけど……。


「どんどんやってくださいまし!」

「あの~そろそろ帰らない?こういうの神様にバレると面倒なことに……」

「早くなさい!」  


 そう彼女ににせっつかれたからボタンを押すと、体育館の天井から大量のカエルが彼女へと降った。

 普通の10歳の女の子なら悲鳴の1つもあげるのだろうけれど


「それはさっき見ましたわ」


 そう言いながらまるでダンスでも踊るように、右手で空中に弧を描いた。

 そしてその軌道には激しい光がはじけ……カエルたちは一瞬で消し炭になった。

 小原シズカが得意な電撃魔法。

 ちなみにこのカエルは魔力で作られたニセモノで、消し炭になった後はこの魔法少女専用の特訓施設(体育館型)に還元される仕組みだ。


 そう、ここは本当だったら第18話『シュウガク旅行はシュギョー旅行?!編みだせ3人の必殺技!』で登場する京都の特訓施設なんだ。時間の流れが現実の100分の1で、学校の体育館そのまんまの特訓施設。修学旅行に来た彼女たち3人がたまたまココを見つけて修行に入る。

 ボクも神様に命じられてプリマ―3は全話見たけれど、ここで三人の合体技『エターナルホーリーサンシャイン』を編み出すんだよね。


 で、なんでそんな先の話に出てくる施設に彼女を連れて来たかって?


 それはさぁ「私は確かに魔法は『出せます』わ?で・す・が!あくまでそれはこの子の記憶をなぞっているだけに過ぎません。それを魔法が『使える』なんて言えないんじゃなくって?」と詰められてしまったからだ。まぁ正論っちゃあ正論なんだろうけどさ。彼女も他意はないようだったし。根はマジメなんだよねぇ……リオーネって。


「パターンが決まってますわよ!もっとランダムにいらして!」

「デタラメに押してるつもりなんだけどなぁ」

「頭を使わないから癖が出るのです。もっと日頃からよく考えて行動なさっては?」

「はいはい。じゃあ行くよ~」


 そういえばこっちの方のボタンは押してなかったな~と押してみると、1台のバレーボール発射マシーンが床から出て来きて、彼女に向かって連続でボールを撃ち出した。

  

 だがリオーネはそれを上半身だけで避ける、避ける、避ける。


 足を動かせば絶対に当たらないのに……いや、修行だからそれで良いかも知れないんだけど。


 長い紫髪をハーフアップにして、ゴスロリジャージとでもいえばいいのかな?白と黒の可愛いジャージを着ているんだけど……そんな可愛らしい格好をした女の子が「ふっ!ふっ!」なんて息を吐きながら、ギリギリでボールを見切る姿なんてボクは見たくなかったよ。


 ボンッ!


 だけどそんな小さな肩にボールが初めて当たった。

 さっき押したボタンを見ると【レベル99】なんて表示されてる。

 マシーンをよく見てみてると、どうやら回転を掛けて変化させてるみたいだ。


「変化球だよ~気を付けて~」

「分かってますわ!静かになさい!」


 そう言いながら彼女はついに足を使い始めた。

 紙一重で見切り躱す。躱す。躱す。

 修行なのだからと左右へのステップも最小限。

 さらに今度は躱すだけじゃなく、殴ったり蹴ったりを繰り返し……そして最後は思いきりマシーン方向の床に叩き返し、跳ね上がったボールがマシーンを下からカチあげ機能を停止させた。


「ふぅ……たしかココからでしたわよね?」


 ガシャン!

 ガシャン!

 ガシャン!

 ガシャン!

 ガシャン!

 ガシャン!

 ガシャン!

 

 ボクが「ココから?」なんて考えてるうちに、追加で7台の発射マシーンが床から登場し、モーター音を立て始めた。 そうだ!これはこの修行回で初めて3人が力を合わせて、これを打ち破るシーンだ!


「ふんっ!!!」


 そして彼女が腰を落として気合を入れると……バチバチと音を立て体を輝かせた。


 バラバラの方向から飛んでくるボールを、足の動きを止めずに避け続け、壁を使い三角飛びで空中へ……そこでは当然身動きがとれない。


 マシーンもそう判断し彼女に向かって大量のボールが殺到した。


 ドバァン!!!!!!!!!!!


 そして、それらをほぼ同時に全て破裂させところで、びーーっというブザー音が鳴った。

 一旦の修行の終了の合図だ。

 ちなみにさっきの素早い動きの正体は当然魔法で、電撃魔法を使って身体能力を一次的に上げていると聞いた……そんなの原作でも使ってなかった気がするんだけどね。


 だけど、さすがのリオーネもその反動で壁を背に座り込んでしまった。


 上に向けた顔にタオルを乗せ、呼吸に意識を集中させているのが分かる。

 

 どうやらこちらにドリンクを要求する体力すら残っていないようだったので、ボクはクーラーラボックスから特製回復ドリンクを取り出し渡してあげた。


 ちなみにコレはこの特訓空間のクーラーボックスで勝手に作られるんだけど……見た目は紫色で、ニオイも酸っぱいのと甘いのを混ぜた感じで、ボクも試しに飲んでみたけれど見た目通りの味ですぐに吐き出してしまった。

 たしか本編でも主人公たちが吐き出してて「のまないと強くなれないポメ!」なんて、あのポメジロウとかいう小さな犬に怒られてたっけ。


 けどリオーネは息も整っていないのに、それをぐびぐびと飲み干した。


「……あのさぁ、どうしてそこまで頑張れるの?」


 ボクは前から気になっていたことを聞いてみることにした。

 べつに魔法が強くなったって、本来の流れをそのままなぞれば魂は浄化されるのは彼女も分かっているはずだ。

 適当に花咲ここるや宝条あやみと仲良くなってワルサー王を倒せばいいだけなのに、どうしてこの子はこの魔法修行だったり、数学とか(最近では物理もやっているらしい)の勉強に励めるか気になっていたのだ。 


「私は別に頑張っているつもりはありませんわ」

「元の世界に戻りたいってだけで、そこまで頑張れるものなの?」

「……戻りたいだけ、というのはちょっと違いますわ」


 そしてタオルで汗を拭きながら立ち上がり。


「私シャワーを浴びてきますわ。もしそれをお知りになりたいというのなら、ティーセットとスコーンの準備を。バラ園とまでは言わないけれどテーブルセットもご用意なさい。ウィジアール調の物が良いけれどそこは我慢して差し上げます。あぁ、茶葉によって蒸す時間が違うのでそこもしっかりとね」

「ぐっ……聞かなきゃよかった」


 そして2時間後。


 ようやく彼女はシャワーから出てきた。


 一体何にどう時間をかけたらそんなに時間がかかるんだろう?



「さて……聞かせてあげましょうか。私が悪役令嬢になったあの日のことを」

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― 新着の感想 ―
 返信は不要です。  他の人の書いた作品のように読みやすい文章体で良いと思います。  ただ、申し訳無いのですが、病院食の白飯のような内容ですね!  褒められると思っていたのなら申し訳ありません。特…
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