表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/17

9

物語tips:乗り物

 現代の乗り物は、たいていは前()駆動で走っている。反重力機構を前方に備え、地上から膝丈ほどの高さを浮いて、その重力偏向スラストで前進後退ができる。後輪は昔ながらのゴムタイヤを履いている。

 正式には「半浮遊式前輪駆動」などと呼ばれる。基本的に反重力機構は電気のみで動かせ、巨大なバッテリーや、合成ガソリンを燃やす発電機を車体に搭載している。これらの組み合わせは、砂漠や荒野での踏破性能が向上している。

 アーヤのバギーは軍用偵察車の民生品バージョンで、2人乗り。荷物を乗せるラックが増設してある。発動機(エンジン)で発電する複合推進式で、街から街なら無給油で到達できる。レイナのバイクはバッテリーのみだが、バギーの発電機と繋いで充電できるので出先でも問題ない。

挿絵(By みてみん)


「んだよ、お前も見たことがないのか」

 レイナは暇に任せてそうつぶやいた。サパロップ市まで車で(走れば)2,3時間ぐらいの距離の灌木(かんぼく)の林の中。荒野のど真ん中よりは幾分(いくぶん)か過ごしやすい。砂漠色のタープを斜めにかけて外敵からは見つかりづらい。この前連邦(コモンウェルス)軍兵士からぶんどった野営用(やえいよう)の装備でニシに曰く赤外線カメラの探知を避けられる代物(しろもの)らしい──どう役立つかはいまだわからず/聞けず。

 今日で野営は3日目だった。サパロップ市に入城するための情報収集に1日、検問の列に並ぶのに1日──ただ必要書類をもらうだけで。そして今日はアーヤとシスが中に入れるかどうか試すため長蛇の列に並んでいる。市の外周部はご丁寧にぐるりと壁と有刺鉄線で覆われ、いくつかある検問ゲートは仕事が遅い上に貨物トラックやらがずらりと並んでいて時間ばかりがかかっている。

「シスは頭の包帯を絶対に取ろうとしない」

「つーか、毎日いっしょに寝てるじゃねぇか。シャワーだって」

「いや、一緒に浴びるわけ無いだろう。覗き見はされたが……まあ皆 過去に色々抱えているだろう。包帯を頭に巻いたまま、というのも理由がきちんとあるはずだ」

「理由って、例えば?」

 するとニシはめんどくさそうに顔を上げた。真面目にブレーメン学派のありがたーい言葉を陳列した詩集を読んでいる。

「それを詮索(せんさく)しないように、と今しがた話したところだが」

「だってよぉ気になるだろ? あたしだってずっとあの包帯の下は見てない。きっと目が3つあるんだぜ」

「三つ目がとおる とかチャクラとか」

「は?」

「額に目がある」

「そらバケモンだろ。ふつーに考えて横に3つ並んでんだろ」

「ナイトビジョンゴーグルみたいに?」ニシは呆れて首をふると「隠したいものって他にもあるだろ」

「例えば?」

 食い気味に質問すると、ニシはやっと本を閉じて置いてくれた。

「たとえば傷。顔に大きい傷があったら隠したいものだ。威圧感とかマッチョイズム丸出しなら勲章かもしれないけど、大抵はそうじゃない。鏡を見るたびに過去の心的外傷(トラウマ)を思い出す。それは苦しいことだ。レイナにも思い出したくない過去があるだろ?」

「うっ……」

 レイナは腹のあたりを無意識にさすった。死ぬ寸前まで大怪我を負ったが腐獣(テウヘル)の心臓のお陰で傷がふさがり失った血もすぐ回復した。後で知ったが、心臓を摂りすぎたらしい。本来はもっと少ない量でも効果がある。そのせいで毛という毛全部が──下の毛まで──銀色に変わってしまった。

「シスが自分で話したくなったら静かに聞いてやるんだ。いいな、レイナ」

「ちっ、はいはいわかってますよ」

 わざと反骨精神むき出しで応えたが、ニシは笑っていた。こいつ、こういうところがあるから調子が狂う。こう優しくされるのに慣れていない。あの父親(オヤジ)を思い出してしまうからなおさら苦手だ。男なら、こうもう少しドライな方が落ち着くのに。

「なぁ、あたしさ──」

 レイナは口を開きかけたが、すぐアーヤのバギーのエンジン音が聞こえてきたので途端に何を話そうか忘れてしまった。途中まで話していた気がしたが、ニシには聞こえていないようだった。ニシは私物を手際よく自分のバッグパックにしまうと、片手に単眼スポットスコープ、もう片手にライフルを下げてタープの影からでた。

「アーヤたちだ。予定より早い。尾行(びこう)は……されていないみたいだ」

「警戒しすぎじゃね?」

「俺も、ふだんはチームで動く。現場と後方支援と、あとどデカい後方支援。だが今は1人だ。警戒しすぎるに越したことはない」

 ふうん──たまに何言ってるかわからないが、プロっぽいことはわかった。

 アーヤのバギーが砂埃を上げて停車した。半浮遊式なので、車体を支えるソリ(・・)が出た後で反重力装置が停止して青い光が消える。助手席ではシスが子供みたいにぐっすり寝ていた。

「どうだった?」

 ニシはシスを抱きかかえる。

「ぜーんぜんだめ。予備審査で書類を突き返されちゃった。昨日 説明してくれたとおりに記入したんだけど。ここがダメだ、添付書類に不備がある、コピーが不鮮明、修正液を使うなとかとかとか。ああムカつく」

賄賂(わいろ)は?」

「それがあれば楽なんだけどね。お金をちらつかせて見せたら怒られちゃったよ。さすが財団系の警備兵。マジメすぎ」

「ほかのゲートでもだめっぽい?」

「たぶん。ここの警備兵は金よりルールのが大切って連中ばかり。となりに並んでたトラック野郎がそう教えてくれたんだ。私のセクシーボディを見せつけたら優しく教えてくれたよ♪」

 レイナが鼻を鳴らす──そりゃただのお人好しだっての。てめぇの絶壁ボディ見て欲情するやつはいねぇ。

 ニシも笑っていいかどうか微妙な冗談を受け流して、「不適格」の朱印が押された書類をしげしげと眺めていた。軽く20枚はある。

「ふむ、市民証がなければ入るのは難しい、と。書式(しょしき)のバージョン番号が振られているということは頻繁に書式が変わる、と。ゲートの受付は深夜まで?」

「いやいや、連中、公務員だから夕方4時には閉めるよ。防犯だったり腐獣(テウヘル)の侵入を防ぐためだったり」

「今 手持ちの現金は?」

「賄賂が必要なら1人1万くらい必要かなとか考えて持ってきた。財団の紙幣も1000万ある」

「0の数が多すぎる。どんだけインフレしてんだ。だが、だいたいわかった。なんとかなると思う。深夜まで待ってから出発する。だからみんな少し休んでて」

 ニシは自信がないのか計画の詳細を話してはくれなかった。じっと汗ばむ気温の中、ガスヒーターで皆で簡単な食事を摂り、それから体を休めるため横になった。眠れるわけ無いと思ったが、いつの間にか眠りに落ちていた。夜の冷気に体がブルっと震え、目を開けると真っ暗なタープと点々と煌めく星々があった。夜空は下に行くほど濃くなり、目が慣れてくるにれてそれが人影だとわかった。

「もう起きたんだね」

 ニシだった。軍用ベストをしっかりと着込んで、その上からカジュアルなジャケットを羽織る。服のデザインからしてよく選んでいて、ごてごてした装備をすっぽりと隠してくれる。

「というか、そっちはちゃんと寝たのかよ」

「少しは。誰かが見張りをしたほうがいいと思ってね」

「なんとまあ真面目なことで」

 レイナも起き上がると、風で飛んできた砂粒を払う。装備といえば、バックパックとマチェーテとショットガン。それだけ。武器類はボロ布を巻いて目立たなくしているがバックパックの横に長物を差しているので普通じゃないことはすぐわかる。

 眠気覚ましにお茶を飲んでいると、アーヤとシスも起きてきた。今日1日ほとんど寝てばかりだったシスは、いつもより元気にニシの回りを飛び回っている。

 ちょうど日付が変わったところで出発だった。不要な装備品は倒したタープの下に置いて砂をかけて隠しておく。市街地なのでシスの長大なライフルも置いてきた。

 夜の荒野を徐行して横切り、ハイウェイに出てからは一気にスピードを上げた。半刻(はんとき)ほどでサパロップ市が見えてきた。巨大な街だが、ぐるりと周囲を壁に囲まれている。点々と常夜灯が白い壁を照らしている。そう高い壁じゃないので向こう側の街が見て取れる。

 フアラーンのような時代ごとに思いつきで増築したような街じゃない。整然と立ち並ぶビル群、住宅街、まっすぐに交わる道路。

 アーヤのバギーから、ニシは身を乗り出して遠くを見ている。レイナはそれに黙って続いた。検問のゲートに向かうと思ったがすぐ道を折れて、市の外周の細道へ向かった。2車線の細い道で対向車は無かった。しばらくすると次のゲートが見えてきたが、一旦停車したと思ったらまたすぐ発進する──ニシは何がしたいんだ?

 ゲートはどこも警備が硬かった。監視タワー、サーチライト、コンクリート製の詰め所に軍用ライフルを下げた兵士。昼間より物々しい。

 4つ目のゲートに近づいて、バギーはやっと止まった。ニシはぴょんと飛び降りて下車する。

「ここ通れんのかよ」

「まだわからない」

「はぁ?」

「サパロップ市の警備兵は真面目、だったな。そして銃も持ち安全な建物の内側に籠もっている。まあ、それはそれで正解だ。だがここは違う。あの警備兵、タバコを片手に重くかさばる銃は持っていない。時々あーいうのがいるんだ、面倒な夜の警戒シフトを進んで引き受ける“まじめ”な兵士が。そして勤続年数が長いのに現場を志願する“堅物”な兵士」

 まだ要領を得ない。アーヤも不思議そうに腕を組んでいる。しかしそれでもニシはライフルを置き代わりにダメ出しされた書類と札束の入ったファストフードの紙袋を持って1人で出かけてしまった。

「おいおい大丈夫なのかよ」

わたし(シス)は信じてる。ニシはきっとできる。すごいんだよ。レイナと違って」

 レイナは小賢しいガキを小突いて自分のバイクにもたれかかった。もしものときは──と考えてみたが正規兵相手に正面切って戦う自信はない。以前のあれは奇襲とニシの機転があったから。この3人だけじゃブルってしまって手が出ない。

「あ、みてみて。ニシが兵士と話してるよ」

 シスの舌足らずな報告。月の出てない夜だから常夜灯の下以外は全く見えない。ニシもちょうど暗闇に立っている。

「よく見えるな」

わたし(シス)、スナイパーだもん」

 関係あるのか、それ?

「唇の動きを読むね。『兵隊さん、お疲れ様です。お腹空いていませんか』んーとね『今日不備があった書類なんですけど、教えてくれませんか』だってさ」

 思わずアーヤと目を合わせた。シスに読唇術(どくしんじゅつ)の心得があったなんて初めて知った。それ以上にこの距離と暗さではっきりと見えていることに驚いた。

「チビスケが適当にほざいててもわからないじゃねーか」

「うそじゃないもん、ホントだもん! ほら、ニシが手を振ってる。こっち来いって。あとレイナもほら。一応 髪を隠しとこ」

 レイナは、ふだん首の周りにゆるく巻いているスカーフを頭からすっぽり被る。端はジャケットの隙間に詰めておく。

 警備兵たちを挑発しないようゆっくりと走り、ゲートのところでニシをバイクの後席に乗せる。手には「許可」と大きくスタンプが押された書類があった。

「おい、いったいどうな……」

 しかしニシは唇に人差し指を当てている。あいつのトーキョーというところでの「黙れ」の仕草だった。

 鋼鉄製のゲートは、バギーが1台通れる程度だけ開き、レイナのバイクが通過した途端ぴしゃりと閉じられた。

「入国おめでとう」

「なんつーか。あっけないな」

「あっけない? 賄賂はかなりの額を渡したけど。とりあえず人目を避けられるところまで行こう。ここで話していると怪しい。よそ者用の宿がこの先にあるそうだ。行ってみよう」

 レイナのバイクを先頭に、耳元で道案内するニシの声が聞こえる。こそばゆいったらなかった。ゲート周辺は大型トラックが3列 優に通れるほど幅が広く、ロータリーはがらんどうに広かった。すべての道は平らに整備され、歩道や歩行者用の信号機まできちんと整備してある。夜はゴミを回収する自動機械が走り回るものだと思っていたが、静かで動くものはなくゴミなんてどこにも落ちていない。

 しかしよくよく見渡せば、街角の監視カメラがあちこちからこちらを見下ろしている。首を回せば必ず目に入る、そのぐらいあちこちにある。あまりに多いので逆にきちんと全部確認しているのかと疑問も抱く。

 やっと小声で話せるようになったのはモーテルに入ってからだった。ドライブスルーで気だるそうな受付に金を払い、車ごと部屋の前に乗り付けてカーテンを閉めるタイプのモーテルだった。

「やっと一息つけるな」

 まずはレイナがずかずかと部屋に上がった。すぐあとで土足は外で脱ぐと気づいて踵を返した──が、鏡の下の台に避妊具が2つ置いてあるのを見つけて素早くゴミ箱に捨てた。

「おい、ここラブホテル(ヤリ部屋)じゃんか」

「ああ。だが4人で泊まれる。それに防音もいい。レイナ、シャワーでも浴びてきたらどうだ。その間、俺は盗聴器がないか調べておくから」

 ニシのあまりの徹底ぶりに閉口してしまった。唯一言い返せることは、

「覗くなよ」

 バスルームは神経質なほどに綺麗だった。白いタイル、白い床、シャワーは温水機能付きで温度も選べる。バスタブは2人がいっしょに入れるぐらいに大きい。レイナは体を縛っていた衣類をすべて取っ払った。こう清潔な空間にいると自分がどれだけ薄汚れていたかがわかる。衣類はまとめて洗濯機に放り込んだ。コインを入れれば、洗剤投入から乾燥まで全部こなしてくれるやつだ。

「ヤリ部屋にしては、進んでるな。悪くない」

 壁の向こう側ではアーヤのよく通る声が聞こえた。

“覗きにいかないの? レイナのお乳、大きい上に乳輪が平均以上なんだよ”

 バカいえ、標準だっての。

 洗いながら、レイナが絡まった長い髪に悪戦苦闘していたら、途中でアーヤがバスルームに入ってきた。泡のせいでよく見えない。

「あん? まだあたし使ってんだけど」

「いいーじゃん、女同士。それにさっさと洗っちゃわないと朝になっちゃうぞ♪」

 となりでアーヤが服を脱ぎ始める。ひょろい男みたいに骨の浮き出た体だなぁと思うがアーヤと違って口に出さないよう気をつけた。そういうデリカシーの感覚はこいつよりマシだ。

「で、この後 どうするんだよ」

「ジョーにもらった情報に、内通者の宛先があったの。さっきサパロップのサイバーネットにパルを繋いでメールを送っといた。暗号でね。朝には返信が来るでしょ」

「なるほど」

 洗面器にためておいたお湯で髪を洗い流した。泥汚れの浮かぶ汚水が排水口に溜まっていてゾッとする。

「うふふ。これぞワルって感じよね。ワクワクしてきちゃった」

「ま、浮かれて足を滑らすなよ。あたしは先に出てるから」

 代えのショーツを履き、オーバーサイズのTシャツに頭を通す。ブラは窮屈なので付けず。

「おわったぞ。ちんちくりんもシャワー浴びてこいよ」

 言って気づく──シスはひとりじゃないとシャワーを浴びない。シスの隣では、ニシが慣れない手つきでパルをいじくっている。視差(しさ)を利用した立体映像なのでここからは何を見ているかわからないが、サパロップ市の広報サイトだと雰囲気からわかった。

「そういや、さっきはどんな手品(トリック)を使ったんだ?」

「賄賂だ」

「いやそれはなんとなく分かるけどさ。なんつーか、意外だったっていうか。昼間は誰も賄賂を受け取ろうとしなかったのに。それにこの街は規則が厳しいのに夜のあのゲートだけは緩々だったし。あれか、洗脳とか!」

「ははっ、洗脳か。できなくはないけど、俺はルーク・スカイウォーカーじゃない。そううまくはできない」ニシがわけのわからない引用をしつつ「レイナ、今後の仕事のために覚えておくと良い。規則はなぜあると思う?」

「規則は規則だろ。あと法律も。別に疑問に思ったことはない」

「アイデンディティ。国民性とも言うけど、風紀が乱れる国ほど規則や法律も厳しくなる。ルールで国民をがんじがらめにして強権的に秩序を守る」

「ほ、ほぅ……」

「違法な需要があるから規制をする。だが人というのはそうそう変わらないものだ。需要があるからには供給もある。こうした(クニ)ほど夜勤兵士の小遣い稼ぎで密入国させる輩もいるんだ。一種の利権なのだけど、今回はすんなり不逞(ふてい)兵士が見つかってラッキーだったな」

 どう言い返そう。聞くだけでは多分理解しきれない。ニシのこの言い分だと以前にも同じことをしたことがある、という感じだ。

「シャワー、終わったよ。シスちゃんどうぞー」

 アーヤはショーツに首からタオルをかけただけという警戒心ゼロのままぺたぺた歩いている。まだ水が滴っていて、水の足跡が後ろに続いてた。シスはその足跡を踏まないようバスルームに向かう。半裸の女ばかりだが一方のニシは至って自然体のままだった。

「意外なことといえば……アーヤ。あの賄賂の額は高いのか? この仕事は前金をもらっていないんだろ」

「うん、高い高いすごい高い。報酬を考えたら“トントン”か赤字だけど、顔役(バサラ)に気に入ってもらえるチャンスだし」

「んーそうか。警備兵が賄賂の額の多さに驚いた感じがしたんだ。それに、なんというか……」

 そこでニシは考え込んでしまった。眉間にシワを寄せている。

「ま、いいじゃねーか。済んだことだし。とりあえず休もうぜ。玉無しのロン、だっけか。とっとと(バラ)してずらかろうぜ」

 レイナはベッドに飛び乗った。ギシギシとマットレスが卑猥な音をたてて軋む。その隣に半裸のアーヤも飛び乗った。

「お湯、熱かった」

 シスがバスルームから出てきた。頭に包帯をきっちり巻いているがそれ以外はラフだった。湯気が全身から湧いている。

「君たち、服、着たらどうだ?」

 ニシもさすがに顔をそらしていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ