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雪の雫石  作者: 六華優羽
純白の光
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9話 コンバット

青髪眼鏡のドS男性…フロウ・エスパーダさんからの弄りを耐えに耐え、彼に連れられ博士らが待つ部屋に赴くことができた時には…アーカム博士はマナフォンで僕が意識を取り戻したことを研究所の方に連絡しており、ナイブス博士は青みを帯びた黒髪の少女に封筒─ヴァイス学院への受験応募等の書類が入っていると見られる─を差し出されており、彼女はそれを快く受け取………………らないんだが…。


『!やっと来た。』


「っと。」


いち早く僕の接近に気づいた白い毛並みを持つスピリットが慣れた動作で僕の肩へと飛び移り現状を説明。何々?研究所の皆が半端本泣きで心配してて…いやそっちじゃなくて…ヒカリはヴァイス学院を受験することに対しては非常に乗り気で─そこまで聞いたところで件の少女が「あっ」と、こちらの存在に気づいた。


直様フィアを抱いてパタパタと駆け寄ってきた彼女が一瞬犬っぽく見えた…ことは置いておいて……何故アーカム博士とナイブス博士は困ったような眼差しを向けてくるのだろう?


「ねぇねぇシン、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…。」


「え、何?」


「えっとね…私ね、ゼスト博士からヴァイス学院を受験してみないかって言われて…あっ別に嫌じゃないんだよ?フィアのことももっとたくさん知れて仲良くなれると思うし。アサヒも受けるみたいだし、ソウマは推薦で入るんだって。」


「う、うん。」


先程封筒を受け取らなかった点からもしやと思ったが、この言い方だと幼馴染であるヴィレイズ君も受験するようだし彼女も─


「でね、その……えと、…んと…」


「…?」


「…シンは、どうするの…?」


………気のせいか?話がいきなり無関係なベクトルに向かったような…。


「だ、だから…シンは、どう…するの、かなって…。」


「……………………。」


──ウィズ、どういうこと?


──シンはどうなのかって聞かれたから、とりあえず推薦入学の候補だって答えたらすっごく気にしてて、博士達がどう答えようか困ってるナウ。


ああ…そういう。というか「ナウ」なんて一昔前の俗な言葉をどこで…じゃない。通りでアーカム博士、ナイブス博士に視線をやると一斉に我関せずとも言うように目線を逸らす訳だ。まあ、自身が蒔いた種であるし、僕がなんとかするべきなのは言うまでもないのだが。


「ほ、ほらっ、シンってアーカム博士の助手でスッゴく頭いいでしょ。それにカッコいいし優しいし…。」


…色々と間違っている上関係ない言い分もあるが、口を挟まずに彼女の言葉に耳を傾ける。


「もし、一緒に学校行けたら…楽しみというか、嬉しいっていうか。」


朱に染まった頬ではにかむ少女に思わず胸が高鳴る。同時に…素直に感嘆した。己の≪感情≫をありのままに、着飾ることなく表すその≪心≫に…。


「凄いね、君は…。」


「ふぇ?」


「…僕も、君と一緒に学校に通ってみたい。」


「!ホント!?」


「…うん。」


パァァと笑顔を浮かべた彼女に頷き返し…目を見開く両博士に向き直る。


「…まずは、昨日の出過ぎた行動とご迷惑をかけたことに対し謝罪させてください。申し訳ありませんでした。」


「…それは構わん。寧ろよくやってくれた。君がいなければどうなっていたか……それよりもだ。先程、フィールセンティ君に言ったことは…」


…一度断っておきながらもあんなことを告げたのだ。納得できないのは当然。正直、何を言っても取りつく島も無いのは明らかだろうが…そうだとしても、もう≪心≫で決めたのだ。


「…ウィズ、アーカム博士…僕は─『シンの願いは僕の願いだよ。』…ありがとう。」


「言ってもらえるか?ここに来て、過ごして…今、君自身が思っている気持ちを≪心≫のままに。」


「…はい。」


自分の≪心≫をありのままに…≪真実≫を言葉にする…と。


「…自分は、自身が依り代として才能や技能、経験に乏しいことを、研究者としても平凡であることを、また人間として決して出来た存在でないということを…否定することは出来ません。」


依り代として紛いなりにもここまで来れたのはウィズがいるから。


研究者としての立場があるのはアーカム博士がいるから。


僕のことを優しいと思ってくれるのは、それ以上に周りの人達が優しいから。


そういった者達のお陰で…僕は僕でいられる。


だからこそ、


「ヴァイス学院に入るより、直ぐにでもサウスに戻り側に博士達のお手伝いに回ることが…自分のすべきことで、博士を始めとするスタッフの皆さんのためになるという考えも…変えるつもりはありません。」


それらのためになる最善を尽くさなければならない。


その義務が僕にはある。


「従って、自分は推薦を受け学院に通うに相応しくないと…認めざるを得ません。───それでも、僕はヴァイス学院に通いたいです。推薦でなく、受験して合格し…最低限の資格を得た上で通いたいです。」


「以上です」と、言葉を区切り…微笑んでいるアーカム博士はともかく、どう見ても呆気に取られているナイブス博士の言葉を待つことにする。自分で言っておいてなんだが、これはないだろうとしか言いようがない言い分であった。…けれども、


「…それが君の≪心≫で決めたことですか。」


「はい。」


言いたいことは全部言えた。認められなくても後悔は─ギュッ


「……あの、ヒカリ?」


「そんな心配しなくてもだいじょーぶっ。」


「シンのことは分かってるもん」と笑顔で語る彼女の両手に包まれる自身の左手。


…無意識の内に、不安な表情を浮かべていたのだろうか?


「でもちょっと…というかスゴい、えっと…なんて言うんだっけ…」


『謙虚過ぎる…じゃないかしら?』


「そう、それ!」


紛れもない本心なのだが…。


真顔のヒカリとそれを肯定するフィアに思わず苦笑してしまい…そうになったところで、「ウォッホン」とナイブス博士の咳払いが落とされた。


「…とても学院に入りたい者の言葉とは思えなんだな…。推薦を蹴って態々一般試験を受けたいなど聞いたことがない。通いたいのならば、それ相応の言い方をしようと思わんのか。」


「…例え、虚を交えた言葉を伝えた方が可能性が高いとしても…正直に答えてほしいと言ってくれた優しさを、もう裏切りたくないです。」


「………そうか。…まったく…いい助手を持ったなミナト君。」


「ええ。わしだけでなく、当研究所の皆にとって一番の自慢です。」


いつの間にか…アーカム博士の手に握られるマナフォンはテレビ電話の状態になっており、画面には我先にと映り込む見知った同僚の方々達が誇らしげに胸を張っていてくれた。


ナイブス博士もまた、フッと笑みを浮かべ…卓上に置かれている封筒をもう一つ手に取った。


「…合格することを祈っている、ヒカリ、そして…シン。」


「「はいっ!」」


受け取った瞬間…サウスハート、ミレイタウンのアーカム研究所にて、歓声とクラッカーが鳴り渡り、更にはくす玉が割られた。






………さて、自身の優柔不断により色々と右往左往してしまったが、なんとか無事にヴァイス学院を受験することとなった僕ことシン・クオーレ。


今日から試験に向け勉強や研鑽を行っていく必要があるが……まあ、それは一旦置いておいて、だ。


〈ウオォォイオイオイオィ…!〉


〈泣くなっ、泣くんじゃない!グスン。〉


〈あ、あんただって泣いてるじゃないか…!〉


〈それを言うならみんなもじゃない…。〉


〈し、仕方ねぇよ…だって、だって…!〉


〈っ、ああ、だってよぉ!〉


〈〈〈〈〈────あのいつもいつも皆に気を配って自分のことを後回しにするシン君が─したい─って言ってくれたんだから…!!〉〉〉〉〉


えー…。


アーカム研究所と通信中のディスプレイに映るは、涙をボロボロ落とす見知った研究員さん達。散りばめられたたクラッカーの色紙並びに「シン君ヴァイス学院入学おめでとう!!!」と無駄に達筆で書かれたドデカイ垂れ幕も合いまって…早速選択を誤った気がしてならない。というか、一般試験を受けるのだからまだ入学できるか分からないのだが…。


いや、嬉しいといえば嬉しいのだけれど…とりあえず仕事して下さい。マナフォンの画面を向けていたアーカム博士もこれ以上放置すると収集がつかないと判断したのだろう。矢継ぎ早に「ノースはどう!?寒くない?体調は大丈夫!?」「昨日のこと聞いたよ!本当に心配したんだからね!」「その娘が噂の友達?凄く可愛い女の子だね!」等々言ってくる研究所メンバーに対し、問答無用で通信を切った。


『随分過保護なメンバーなのね…。』


『あれでもまだマシな方だよ。もっと凄いのが二人いるから。』


そんなカオスな状況を前に、ノースダイヤサイドは言葉を失うのは当然のことで、それを撃ち破るのはやはりこの人であった。


「ウォッホン!ま、まあ何はともあれ試験は一ヶ月後だ。試験内容は一般教養を含めた筆記とスピリットとの実技だ。」


「?…えと、実技ってなんですか?」


「主にアーツの披露やコンバットの実施になりますね。」


やはり、フロウさんもヴァイス学院の関係者らしい。


…それにしても実技があるのか。互いのスピリットを試合形式で競わせるコンバットはともかく、技…アーツの披露か…無属性だとどうしても目ぼしさに欠けるので少々厳しいかもしれない。サウスに戻り次第、試験までの間、先輩らに頼んで相手をしてもらうべきか。


「私受かるかなぁ…。」


『今日から練習ねマスター。ただそうなると…』


…そうか。当然彼女らも練習しなければならないんだよな。…大丈夫、だろうか。


「まあ、基本的に一般試験組は昨日依り代となった者達ばかりですからあまりに難しいことを求めたりはしませんよ。」


「フロウ君の言う通りだ。試験までの期間どれだけスピリットと絆を深めるよう努めたかを見るのが目的だからな。…とはいえ、だ。全く練習もせずに受かるほど簡単でもない。」


合格者を絞る試験なのだから当然といえば当然。しかしそうなると…やはり心配だ。


「でだ、シン。ミナト君には先程話したのだが…君に─「ヴァイス学院マジすっげー!!」…戻ってきたか。」


バダンッ!と開かれた部屋の扉から駆け込んできたのは、独特な外跳ねヘアスタイルの金髪少年と黒色短髪の少年。言わずともヴィレイズ君とケントレッジ君である。


「!おっ!起きたかシン!ヴァイス学院やっベーぞスゲェぞ、!コンバットするところもスゲェし!食堂もすっげぇスゲェ!」


「つ、疲れた。ってかすっげぇスゲェって…。あ、おはようシン、身体は大丈夫?」


「あ、うん、おはよう。特に問題ないよ。」


どうやら二人はヴァイス学院を回っていた…というより、ケントレッジ君がヴィレイズ君を案内していた感じかな。


「その封筒、もしかしなくても…」


「…うん。紆余曲折してしまったけれど─「お前とヒカリもヴァイス受けるんだな!いやーよかったよかった!んじゃ約束通りコンバットしよーぜ!」え?ちょっ…!」


「わっ、アサヒ!引っ張らないでったら!どこに行くの!?」


「いいから来いって!行くぞソウマ!」


「いやっ、だから博士の許可貰わないといけないって…ああ、もう待ってったら!」



「いやー、若いっていいですねぇ。で、どうするのですか?」


「…まあ、少しなら構わんだろう。それより、例の件だが…本当にいいのかねミナト君。」


「…決めるのはあの子達ですからな。とはいえ、あの様子だとシンも気がかりなようですし、彼女も断りはしないでしょう。」


「…そうだな。」






ヴィレイズ君に引っ張られ連れてこられたのは、コンバット用のフィールドが設置された屋内アリーナ。…流石、名門校の一角というべきか、フィールドは数面存在し、ぐるりと囲うように観客席まで備わっている。


「ふぇ…なんだかすっごいところ…。」


「ヴァイス学院にあるコンバット用の施設の一つだよ。」


『…コンバットっていうと、互いのスピリットを戦わせて勝敗を競うものだったかしら?』


『君は依り代を持つのは初めて?』


『ええ。だから人の世界のことはあまり知らないの。』


『なるほどね。コンバットだけど、細かなルールはあるけど要するに相手をぶっ潰せば勝ちってこと。』


『…目が怖いのだけれど。』


そんなところに連れてきたとなれば、目的は一つだろう。


「さあさあ!ようやくスピリットと契約して依り代になれたんだ!早速コンバットしようぜヒカリ!」


「へっ!?私!?…あ、え…と、…そう言われても…。」


この様子だとコンバットがどういったものかあまり知らないのだろう。不安なのは当然…。が、ヴァイス学院を受け、入学を目指す以上…スピリット関連の競技で最もメジャーであり、スピリットとの関係を試す方法としてもよく挙げられるコンバットは避けては通れぬ道だ。


「ぅ…。」


オロオロしている彼女…の助けを求めているような眼差しが何故かこちらに向けられる。それに苦笑しつつ、自分が思うことを告げる。


「…施設を勝手に使用していいかは置いておいて…君とフィアがどうしても嫌でなければ、試しにやってみることを進めるよ。コンバットを通じて互いに知らないことも知れるかもしれないし。」


無論、危ないと判断すれば即座に止めるつもりであるが。


「そうだね。コンバットってただ単純にスピリットに戦わせるんじゃなくて、依り代も指示出しとかマナの供給とかのサポートをやって力を合わせて一緒に戦うものだから、スピリットと仲良くなるならそれが近道だとぼくも思う。ヴァイスの授業でもよくやってるからね。」


コンバットにも詳しい様子のケントレッジ君も同意見のよう…だが、それでもヒカリから不安の色は拭えない。


どうするべきかと思案を始め…る前に、遅れてやってきた三人の内最年長である人物が一つの提案を示した。


「一人で試合するのが不安ならば、二人でというのはどうだね?」


「え?」


「あ、ゼスト博士。えっと─「コンバットだろう?構わん。やってみたまえ。」は、はあ…。」


それより…一人でなく、二人で…?


…まさか、


「君がソウマ、またはクオーレ君と組み対戦をするのだ。当然、ヴィレイズ君も残った1人とペアを組んでな。」


「つまり、ぼくとシンを加えてのダブルス…と言うことですか?」


「そうだ。構わぬだろう?」


「まあ、ぼくは別に…。」


「ダブルスか…面白そうだし俺もオッケーだぜじーさん!」


…既にダブルスでコンバットを行う方向に話が進んでおり、少年二人は賛成の様子。


「シンとウィズもいいかのぅ?」


「…ウィズ─『モーマンタイ!』…だそうです。」


「ほほっ、じゃろうなぁ。」


だがまあ確かに、これならコンバットにも慣れしているだろう彼がヒカリとペアを組むことで、彼女らもコンバットに慣れることが可能やもしれない。


となれば、僕はヴィレイズ君と組んで…


「えっと、どっちと組むかは…私が決めていいんですか?」


「無論。君を思っての提案なのだからな。」


「…フィアもいい?」


『ええ、面白そうだし…彼らと一緒なら、ね。』


「ふふっ、そうだね。…じゃあ、組んでもらっていい…かな?───シン。」


ふむ。やはりヒカリはシンと組んで………………‘シン’…?


…おかしいな。彼の名前はソウマでシンは僕のはずなのだが…。


名を間違えている…訳ではなさそうで、アメジストを思わせる綺麗な瞳はどう見ても僕を映している。


「…レディからの指名ですよ。惚けてないで早く応えるべきなのでは?」


「へ?あ、は、はい!…ぼ、僕でよければ、喜んで。」


フロウさんの指摘を受け、ぎこちなくもなんとか笑みを浮かべそう返すと、少女はパァァと花が咲いたように笑顔となった。


「ありがとう!頑張るね!」


「う、うん…。」


しかし何故僕なんかと…。…汽車での会話を忘れているのだろうか?ランクはともかく….無属性でレア度も低い僕らより、風属性でレア度もBであるケントレッジ君とヒスイの方が絶対いいと思うのだが…。


腑に落ちない点はあるものの、一応話は纏まったので、それぞれペアに分かれ、所定の位置につき…十数メートルの距離を隔てて相対するペアと向かい合う。


…予想外の組み合わせとなったが…どうするか。


「さて…試合する以上手加減はしないよ?来いっヒスイ!」


「へへっ、頼りにしてるぜ。未来のエースになる俺らの初陣だ!出てこいライカ!」


マナが吹き荒れ、二人の身体から現界する二体の幻獣タイプのスピリット…


『あれが例の光属性か。不足無しっ。』


その名の通り翡翠色の羽毛に覆われた両翼で宙を舞う飛行型スピリット…ヒスイ。


『もう一体の白いのはジュンが言うには無属性みてぇだな。…決まりだな、まずは…!』


昨夜の儀式でフィアに次ぐ力を秘めているとウィズに言わせた二足歩行の猩々のような体躯に、右腕に紅炎を、左腕に紫電を纏う二属性持ちのスピリット…ライカ。


「頑張ろうね!フィア!」


『ええ、頼りにしてるわマスター。』


…やはり第一に優先すべきはヒカリとフィアをコンバットに慣れされること。


となると…


「…ウィズ。」


『ヒスイ…風属性、ランクB相当。ライカ…火、雷複合属性、ランクB+相当。』


「了解。いくよ。」


『うん。』


白は肩からヒラリと降り立ち、フィアの隣に着いた。


「…では僭越ながら、私が審判をさせていただきます。両ペア、準備はいいですね?…では、試合開始!」


ヒカリ、ヴィレイズ君にとって、初めてのコンバットが始まり───同時にヒスイ、ライカがフィアに対して一直線に飛びかかった。


「あっ…!?」


突然の先制攻撃に初心者のヒカリとフィアが反応できるはずがなく…


「───ウィズ。」


『こっから先は一方通◯だァ!!』


決まると思い込んだ所で瞬時に割り込んだウィズの迎撃に対し、二人が指示を出す間もなく、危ない発言と轟音と共にヒスイ及びライカが宙を舞った。


「「「───っ!?」」」


攻撃体制であった二体を纏めて吹き飛ばし、優雅に地に降りた白いスピリットに視線が集まる。しかし、彼はそれらに構わず追撃…はせず、苦悶の声を上げながらも立ち上がる二体に向かって…


『ドヤァ。』


まさにドヤ顔。見事なドヤ顔。ここまでやるかというくらいのドヤ顔。味方のヒカリとフィアが唖然とする程のドヤ顔。


まあ、こんな最高にムカつく顔をされたら、された側の心境がどうなるかは予想するまでもない。


『『ブッ潰す!』』


少なくとも、これでフィアが集中的に狙われることはなさそうだ。


「もしかして…」


『…お礼を言った方がいいのかしら?』


『さてさてさーて、なんのことやら。』


「さ、来るよ。」


既に向こうから楽勝ムードは無くなっており、ここからは本気で来る様が読み取れる。


「う、うん!…いくわよ、フィア!」


『ええ!』


「いくよ、ウィズ。」


『うん!』


試合はまだまだこれから。




to be continued

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