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3次元に生きる人の笑い方。  作者: LDLR
第1生 はじまり
3/3

会社貝

ピポピピ ピポピピ・・・チュ













「ソォイッ!!!!」



ピッ











「マジで危ないっ!!!」

うわなんだこの声

自分でもビビるぞこれ















・・・あいつがまた轟音を出そうものなら、

いっそ(音声をファイルを)ゴミ箱にでも

ぶち込んでやりたいところだ。


またあとで変えておこう。















はぁ…

今日は週明けの会社だってのに。















会社へは片道約30分。

とても近いので、遅刻する心配はおそらくない。











前に一回だけ遅刻したときといえば、

好きなVtuber・・・紅井 暁天の徹夜ゲーム配信を

夜通し眺めて貫徹したときくらいだ。

うっかり寝てしまい、起きたときは8時半。

出社は9時なので、確実に遅れてしまった。

















タイムカードをかざして・・・と


ピコリーン


やっぱ変だなこれなんだピコリーンって








「おぉ、おはよう」

「おはようございまーす」

先輩に挨拶する口調なのかこれ。





この先輩は晴樹先輩だ。

蒼天(そうてん) 晴樹(はるき)先輩・・・

俺が遅刻した日。同じく遅刻をかましてしまい、

まさかの電車内でバッタリ遭遇。

そこから仲が深まった。



今では業務中に雑談してしまうくらいの仲だ。



こうやって話す前は、

お互い「同じ部署で知り合い」くらいの

認識しかなかったけれど・・・

話してみて以外に面白い人だなぁ、と実感していた。






「さて…PCの電源を付けて…ん?」






さて勤務中に私語とか大丈夫なのか、

という話が浮かび上がるだろう。


だがしかし。

それは全てこの会社、

「ダイレクト」社のホワイト社質によって

カバーされているので、まったく問題はない。




「なんだ、この…

 "マニュアル・オブ・エーアイ"っての…」




この企業、

どういうわけかあまりにもホワイトなIT企業だ。

残業は当然強制させられず、

たとえ残業したとしても残業代はしっかりと出る。

プログラムの作成期間は

かなりゆったりめに指定しているので、

仕事に追われる、なんてことはめったにない。





また仕事環境もよく、

いつもオフィス内には

楽しげな話し声がちらほらと聞こえる。

この環境に嫌気がさす、

なんて人はほとんどいないくらいだ。








…ブラック企業なんかに入っている人が聞くと、

きっとパラノイアかなんかを

発症してしまうんじゃないかと

思うくらいホワイトだ。



このようにシステムエンジニアが

就くのにもってこいのIT企業のはずなんだが、

どうも知名度だけは低い。

社会的にも。株式上場もしているのに。








なぜなのか理由はわかる。

やってることがあまりにもニッチなんだ。











「トオル君、

 今日から僕はとあるAIの活動テストに向かう仕事

 があるんだ。いずれ君もやることに

 なるだろうから、この資料を読んでおいてくれ」


「へぇ…AIの活動テストですか…わかりました。

 今日中には読んでおこうと思います」


「じゃあよろしく。今日は一日中そいつに

 向かってないといけないはずだから、

 今日は戻ってこれないかな~。

 代わりに明日の昼食は俺がおごることにするぞっ」


「うぇ、まじですか~!ありがとうございます!」


「たまには上司っぽい事してみたいんだよねぇ~

 それじゃ!」


「はい、それじゃまた明日!」











今話にあがった"AI"なんかは、

どうやら感情を込めることに成功したらしく、

現在は社外秘のまま行動を監視している。

だが監視した人から流れた噂によると、

ネットで一人の人間として

活動し続けていることに成功しているらしい・・・。


ちなみに計画の名前は・・・

なぜか"Sweet Donut"の頭文字を取り、

「SD計画」と名付けられている。


もちろん社外秘なので、

感情を込めたAIなんかが作られても、

外の人はその"活動"を観測する以外

できることはない。









結局この会社はさながら無名Vtuberのように

商品を依頼人に届け続けるのみ。











「最初から有名であったらいいのになぁ…」


そうボヤきながら、今日もデスクに向かって作業を続ける。

LDLRですどうも。


今回はトオルの会社員としての日常回です。

学生なんで会社としての

日常を生み出すのがマジでムズイ。


とりあえず次回は翌日の「トオルがハルキに奢ってもらう回」です。

飯テロ回の予定なのでお気をつけて。

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